フィルダースチョイス(野手選択・野戦)について、用語の意味、ルールと記録の扱いをまとめています。

 

「アウトカウントが増えず、ランナーが増える(または得点が記録される)」点は安打やエラーと同じですが、フィルダースチョイスはいつでも発生するものではなく、ある条件下でのみ起こるものです。

フィルダースチョイスが記録された時に、守備側や打者・投手側の成績にどのように影響するのかも解説しました。

フィルダースチョイスとは?意味と日本語で言うと

フィルダースチョイスの意味やルールは、公認野球規則(野球の公式ルールを定めた文書)で確認できますが、要点だけをまとめるとこうなります。

フィルダースチョイスとは(要点のみ)

守備側(フィルダー)が誤った選択(チョイス)をした場合の野球記録。

具体的には、ランナーがいる場面の内野ゴロなどで、

一塁に投げればバッターをアウトにできる状況
別の塁に投げたもののアウトが取れず
バッターがランナーとして残った場合
を指します。

ちなみに、野球規則の定義はこちら(ややこしいのが苦手な方は飛ばしてください)

FIELDER'S CHOICE「フィルダースチョイス」(野手選択)

 フェアゴロを扱った野手が一塁で打者走者をアウトにする代わりに、先行走者をアウトにしようと他の塁へ送球する行為をいう。
 また、
  • (a)安打した打者が、先行走者をアウトにしようとする野手の他の塁への送球を利して、1個またはそれ以上の塁を余分に奪った場合や
  • (b)ある走者が、盗塁や失策によらないで、他の走者をアウトにしようとする野手の他の塁への送球を利して進塁した場合や、
  • (c)盗塁を企てた走者が、守備側チームが無関心のためになんら守備行為を示さない間に進塁した場合
などにも(9.07g)、これらの打者走者または走者の進塁を記録上の用語として野手選択による進塁という。

フィルダースチョイスは英語で "Fielder's choice" と書き、日本語で言うと「野手選択」です(記録では略して野選とよく表示されます)

 Fielderとは英語で野手を指す英語ですが、野球規則によるとルール上「守備側のプレーヤー」を指します
 フィルダースチョイスは日本語で「野手選択」、略して「野選(やせん)」。

つまり、一塁に投げていたらアウトが1つ取れたはずなのに、守備側のプレーヤーの(結果的には誤った)選択によってオールセーフになってしまったケースが、フィルダースチョイスというわけです。

野球に詳しい方向けの解説
本来、フィルダースチョイスとは「選択して一塁以外へ送球する行為そのものを指す」言葉なので、オールセーフになるケースのみをフィルダースチョイスと言うのは誤りです。
当記事では、フィルダースチョイスの概要をつかみたい野球観戦入門者〜初中級者向けの内容を目指しているため、あえて上記のような説明にしております。
また、「送球間の進塁」や「内野ゴロ間の進塁」、「点差や状況により、盗塁としては認められない盗塁(進塁)」なども「野手選択による進塁」と記録上は扱われますが、実際の試合でフィルダースチョイスとアナウンスされるのは上記ケースが大半なため、解説を割愛させていただきます。

動画で見るフィルダースチョイス

実際にプロ野球でフィルダースチョイスが起きた場面の動画をご紹介します。

 

まずは楽天 vs オリックスで発生したフィルダースチョイス。

オリックス1点リードの11回ウラ、2アウト満塁の場面で、楽天のバッターが放った打球はショート正面。

そのまま一塁転送で試合終了...かと思いきや、二塁へトスしてしまいオールセーフ、楽天が土壇場で同点に追いつきました。

打者のカウントがフルカウント(3ボール2ストライク)だったため、各ランナーは投球と同時に自動的にスタートします。

また、一塁ランナーが球界屈指の俊足を誇る聖沢だったことも、フィルダースチョイスになった原因だったと言えます(最たる原因は遊撃手の判断ミスですが)。

 

他にも、送りバントの処理でよく起こるフィルダースチョイス。

ソフトバンク vs 日本ハムでは、キャッチャーの好プレーかと思いきや、三塁手のタッチが甘くて判定セーフとなり、ピンチが拡大する場面がありました。

ちなみに、三塁に進んだ俊足ランナーは、現在メジャーリーグで活躍する大谷翔平です。

フィルダースチョイスはエラー?打数、打率、打点や自責点の扱い

ここからはフィルダースチョイスの記録の扱いについて解説します。

要点はこちら。

フィルダースチョイスの基本的な記録の扱い
守備:記録なし(エラーではない)
打者:凡退(内野ゴロ扱い)
投手:生還・出塁ランナーとも自責点の対象

まず、守備側の記録の扱いについて。

フィルダースチョイスは、守備側の判断ミスによって発生するのでエラー(失策)のように感じますが、エラーではありません

基本的にフィルダースチョイスは不可抗力による結果なので守備側には何も記録されません。

 バッターをアウトにできる状況なのに、明らかにタイミングが間に合わない塁に送球すると、守備側にはエラーが記録されます。

 

次に、打者側の記録の扱いについて。

フィルダースチョイスは一塁に送球すればアウトの状況下で発生するので、基本的に、打者は凡退(内野ゴロ)扱いとなります。

 送りバントでフィルダースチョイスが発生した場面は例外で、打者成績は犠打とみなされ、試合の中での記録はフィルダースチョイスとアナウンスされます。

送りバント以外のケースでは凡退扱いなので、内野ゴロと同じく打数にカウントされて打率や出塁率は下がりますが、打点はつきます

 

フィルダースチョイス以外にも、エラーや守備妨害など「打点がつく場合・つかない場合」のルールはややこしいので、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

 

また、内野ゴロ扱いなので、フィルダースチョイスによって得点が入った場合、基本的に、投手に自責点がつきます

フィルダースチョイスで出塁したバッターランナーが生還した場合にも、基本的には自責点の対象です。

ちなみに、「自責点がつく場合・つかない場合」も様々あって複雑で、例えばホームランを打たれても自責点がつかないケースもあります。

サヨナラ機のフィルダースチョイスは安打(サヨナラヒット)

フィルダースチョイスには送りバントの他にも例外があり、それがサヨナラ機。

 

フィルダースチョイスでサヨナラ(試合決着)になった場合、打者には安打が記録されます。

 本塁への送球が逸れたり、キャッチャーが落球したことが原因で生還した場合はサヨナラエラーが記録されます。

守備側としては負けないためには本塁に投げる以外の選択肢がないので、野手選択の余地なしということですね。

 

 

最後になりましたが、フィルダースチョイスが記録されるのは「守備側が送球した場合のみ」です。

『一塁に投げれば1つはアウトを取れるけど、どこに投げようかな...うーん...』と迷っているうちに誰もアウトに出来ず、ボールは手元に残ったまま...なんて状況では、ヒットが記録されます。

 

説明が長くなったので、おさらいです。

フィルダースチョイスについてまとめると、次のようになります。

フィルダースチョイスとは(まとめ)
ランナーがいる場面で内野ゴロをさばく際、一塁転送でアウトが1つ取れたはずなのに、別の塁に送球した結果アウトが取れず、バッターがランナーとして残ったケースを指します。

そして、送りバント時のフィルダースチョイスを除き、打者は凡退(内野ゴロ)扱いで、守備側にエラーは記録されません。

フィルダースチョイスによって失点した場合、基本的には投手の自責点の対象です。

 

以上、フィルダースチョイスの意味、ルールと記録の扱い解説でした!

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