猛打賞の意味と記録!連続試合や月間・シーズン・新人最多などプロ野球記録まとめ
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野球の試合中やニュースなどでよく耳にする「猛打賞(もうだしょう)」という言葉。

バレーボールやゴルフでも猛打賞という言葉は存在していますが、広く認知されているのは野球用語の猛打賞でしょう。

 

しかし、野球を知らない方にとっては「猛打賞=いっぱいヒットを打った人(がもらえる賞)」というイメージだったりします。

今回は、野球の猛打賞について、意味やプロ野球記録などをまとめています。

猛打賞とは?意味と成り立ち

野球の猛打賞とは、1試合中に3安打以上を打った状態を指す言葉。

3本目のヒットが出た時点で「本日、猛打賞」「猛打賞達成」などと表現されます。

 

しかし、もともとは1試合に3安打以上を記録した選手に対して「スポンサー企業などから商品が贈呈される賞」を猛打賞と名付けていました。

猛打賞の成り立ちは、戦後間もない1949年まで遡ります。

名付け親は清岡卓行(きよおか たかゆき)。日本野球連盟(現在の日本野球機構の前身)に所属していた人物で、のちに法政大学の名誉教授になった詩人・小説家としても有名な方です。

 

猛打賞の意味は「1試合3安打以上を記録した選手に贈られる賞」から「1試合3安打以上を記録した状態」に変わってきており、今に至ります。

猛打賞でもらえる賞金・商品

実際に球場で野球観戦をする方はご存知でしょうが、プロ野球では試合中、ことあるごとに選手が表彰され、商品が贈られます(主催球団や球場によって内容は異なります)。

  • ファインプレー賞
  • ツーベース賞
  • スリーベース賞
  • ダブルプレー賞
  • ホームラン賞

 

他にも色々な賞がありますが、その中に猛打賞も含まれている場合が多いです。

猛打賞を達成すると賞金や商品がもらえる事が多く、球場や球団のスポンサー企業によって内容は様々。

少し古いデータですが、2002年当時の猛打賞賞品をまとめた記事がありましたのでご紹介します(現在無い球団もあるので参考までに)。

球  団 賞  品
読 売 賞金、野球ゲームソフト
阪 神 傘(阪神選手のみ)、男性化粧水セット
中 日 シャンプー・リンスセット
横 浜 コカコーラ、ジョージア、アクエリアス24本入りケース
いずれか1ケース。万田酵素1ビン
広島東洋 広島市内の焼肉・焼鳥店食事券5000円分(広島選手のみ)
清涼飲料水24本入り2ケース
ヤクルト ハンカチセット
オリックス なし
福岡ダイエー ゆずドリンク「だっくん」12本入り1ケース
リポビタンD 100本
日本ハム アサヒスーパードライ缶24本入り1ケース
千葉ロッテ CDギフトカード5万円分
大阪近鉄 コーヒーメーカー1台
西 武 コーヒー詰め合わせ1箱、CDギフト券
球団別各球場の猛打賞の賞品

猛打賞の賞品をはじめ、試合中に獲得した賞品はチームの裏方さんやスタッフに配る選手が多いようです。ただ、選手の立場や所属球団によって、賞品の扱いの常識は違ってそうな気はしますね。

 

以下では、猛打賞のプロ野球記録について触れています(イチロー・松井稼頭央の日米通算やメジャー成績も参考記録として紹介)。

猛打賞のシーズン最多・月間最多記録

猛打賞の回数のシーズン記録がこちら。イチローをはじめ、いわゆる「固め打ち」が得意な選手が上位に名を連ねています。

順位 選手名 回数 記録達成年 出場試合数 年間試合数
1 西岡剛 27 2010年 144 144
1 秋山翔吾 27 2015年 143 143
3 イチロー 26 1996年 130 130
4 アレックス・ラミレス 24 2007年 144 144
4 マット・マートン 24 2010年 144 144

イチローのシーズン猛打賞記録に肉薄したのがラミちゃんことラミレスで2007年のこと。

その3年後の2010年に、千葉ロッテマリーンズの西岡剛が記録した27回が現在の最多記録です(2015年にはシーズン最多安打記録を更新した秋山翔吾も27回で首位タイ)。

 

ペースでいうと、1996年のイチローがちょうど5試合に1度という驚異的なペースで猛打賞を量産していました。

1996年はオリックスが日本一に輝いた年。阪神淡路大震災からの復興を目指してチーム・街が一致団結、イチローはリーグ優勝決定のサヨナラツーベースなど印象に残る大活躍を見せました。

そんなイチローは、メジャーリーグ挑戦後の2004年シーズンに、1試合3安打以上を34回記録しています(161試合出場・猛打賞確率21.1%)。

 

なお、猛打賞の月間最多記録は8度で、1996年のイチローや2018年のビシエド(中日)など、これまでに11名が記録しています。

月間9度の猛打賞を記録すると、歴代単独首位の新記録となります。

猛打賞の通算記録

猛打賞の回数の通算記録がこちら(最終更新日:2024/5/3)。

順位 選手名 回数 出場試合数
1 張本勲 251 2,752
2 川上哲治 194 1,979
3 坂本勇人 186 2,128
3 長嶋茂雄 186 2,186
5 野村克也 180 3,017
6 松井稼頭央 178 1,913
6 福本豊 178 2,401

なお、イチロー(鈴木一朗)はメジャーリーグだけで259回もの1試合3安打以上を記録(2653試合出場)。

日本で120回の猛打賞をマーク(951試合出場)していたので、合計するとイチローは日米通算379回の1試合3安打以上となっています。

 

松井稼頭央もメジャーリーグで32回の1試合3安打以上を記録(630試合出場)していたので、合計すると日米通算210回の1試合3安打以上です。

現役最多は、坂本勇人の184回です(2023年シーズン終了時点)。

猛打賞の連続試合記録

1試合3安打以上を何試合も続けて記録した選手がいます(その間打率は右肩上がり)。

その数、なんと5試合!少なくとも15安打を、たったの5試合のうちにマークする離れ業です。

 

5試合連続猛打賞の記録達成は、1954年の西沢道夫(中日)、2003年の井口資仁(ダイエー)の2名のみです。

西沢道夫は初代ミスター・ドラゴンズとして活躍し、背番号15は球団の永久欠番となっています。

井口資仁はダイエーの強力ダイハード打線の中軸で走攻守とも高いレベルのプレーを見せてチームに貢献、メジャーリーグでも活躍しました。

猛打賞の新人シーズン最多記録

新人野手が一軍で活躍するのは簡単ではなく、まして猛打賞を複数回記録するとなると只者ではありません。

新人ながら猛打賞を多く記録したランキングがこちらです(上位4名)。

順位 選手名 回数 記録達成年 出場試合数 年間試合数
1 長嶋茂雄 14 1958年 130 130
2 長野久義 13 2010年 128 144
2 高山俊 13 2016年 134 143
2 近本光司 13 2019年 142 143

長嶋茂雄はルーキーイヤーに全試合フルイニング出場という、長い歴史の中で1956年の佐々木信也、1961年の徳武定之、2017年の源田壮亮と史上4名しか達成していない偉業を達成。

さらに歴代最多の14回もの猛打賞を記録、ホームラン王、打点王、ベストナイン、文句なしの新人王獲得など、新人時代から「ミスター」の名に相応しい好成績を残していました。

猛打賞の最高齢記録

最後におまけで、猛打賞の最高齢記録をご紹介します。

リーグ 選手名 記録時の年齢 記録年月日
パリーグ 落合博満 44歳5ヶ月7日 1998年5月16日
セリーグ 谷繁元信 44歳4ヶ月13日 2015年5月4日

通算3度の三冠王を誇る落合博満と、通算最多試合出場記録保持者の谷繁元信が、ともに44歳で記録した猛打賞がリーグ記録として残っています。

ちなみに、50歳まで現役を目指していたものの45歳で引退したイチローが、メジャーで最後に猛打賞を記録したのは2017年8月9日のこと。約2ヶ月後に44歳の誕生日を控えた中での記録でした。

 

 

以上、猛打賞について、意味や成り立ち、プロ野球記録などまとめでした!