プロテニスの世界では、ランキング上位のプレーヤーにだけ与えられる特権があります。

その特権を持つプレーヤーのことを、コミットメントプレーヤー(Commitment Player)と呼び、毎年30名がコミットメントプレーヤーに認定されています。

 

コミットメントプレーヤーには、特定の大会への出場義務が課せられます。

ただし、ある条件を満たせば出場義務が免除になったりと、色々とルールがややこしいです...。

 

今回は、毎年30名しかいない「コミットメントプレーヤー」についてまとめています。

画像提供:gettyimage

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コミットメントプレーヤーになる条件と課される義務

コミットメントプレーヤーになるには、前年の年末時点のランキングで30位以内に入る必要があります。

ここでいう年末時点のランキングとは、ツアーファイナルの前に行われるBNPパリバ・マスターズ終了後のランキングです。

※デビスカップ決勝がツアーファイナル終了後の年末に開催されますが、そこで獲得したポイントが加算されて新たに30位に入ったとしてもコミットメントプレーヤーにはなれません。

 

コミットメントプレーヤーになると、次の大会への出場義務が課せられます。

  • グランドスラム4大会全て
  • ツアーファイナル(上位に入って出場資格のある選手)
  • ATPマスターズ1000(全9大会)のうち、モンテカルロ・マスターズを除く8大会
  • ATP500(全11大会)、またはモンテカルロ・マスターズのうち4大会で、そのうち1つは必ず全米オープン以降の大会

 

全米オープン以降のATP500の大会は次の4つです(2017年時点)。

  • 楽天ジャパン・オープン(東京/日本)
  • チャイナ・オープン(北京/中国)
  • スイスインドア(バーゼル/スイス)
  • エルステ・バンク・オープン(ウィーン/オーストリア)

※チャイナ・オープンは2009年から、エルステ・バンク・オープンは2015年からATP500に格上げされました。

※バレンシア・オープンが2009年〜2014年の6年間ATP500として開催されましたが、現在は廃止となっています。

 

病気や怪我など、やむを得ない理由がある場合は欠場が認められますが、グランドスラムやATPマスターズ1000欠場分は0ポイントとして成績に反映されます(ポイント関係も色々とややこしいので、また別の機会にまとめます)

 

(追記)ルール変更のご指摘をいただき、ATP500の出場義務の項目からオリンピックとデビスカップの表記を削除しました(plumさんありがとうございました)

 

ATPマスターズ1000の出場義務が免除になる条件

出場義務で縛られているコミットメントプレーヤーですが、ある条件を満たすとATPマスターズ1000のみ義務が免除される仕組みがあります。

コミットメントプレーヤーが次の条件に該当する場合に免除されます。

  • その年の1/1時点で通算600試合以上(✳︎)の出場
  • 12年間以上のプロ経験(ATPポイントを獲得した大会が12大会以上あった年から数えて)
  • その年の1/1時点で31歳以上

1つ満たすごとに1大会、出場義務が免除されます。

全て満たせば、ATPマスターズ1000への出場義務が完全に無くなります

(✳︎)通算600試合の中には、オリンピックやデビスカップの試合も含まれます。また、2009年以前であればチャレンジャーやフューチャーズへの参戦も数に含まれます。ややこしすぎる...

 

ありそうな勘違いとしては、シーズン途中に通算600試合目をこなしたケースや、31歳の誕生日を迎えたケース。

ルールでは「その年の1/1時点」と定められているので、免除されるのは翌年からとなります(もちろん、その年の年末時点で30位以内に入らなければコミットメントプレーヤーにはなりません)。

 

コミットメントプレーヤーのメリット(特権)

出場義務の免除が当てはまらなくても、コミットメントプレーヤーにはメリットがあります(ようやく特権部分の登場です)。

コミットメントプレーヤーの30名は、その時点のランキングがどれだけ落ちていても、エントリーすれば自動的にATP500のメインドローに配置されます(本戦ダイレクトイン)。

 

2017年の楽天ジャパン・オープンにエントリーしたバーナード・トミックが分かりやすい例で、エントリー時点でのランキングは何と146位!(昨年末時点では26位)

普通であれば予選からの出場となるところですが、ATP500にダイレクトインできる特権を持っているので、予選免除となります。

 

また、ATPマスターズ1000出場義務のある8大会すべて、または7大会に出場し、年末(ツアーファイナル終了後の月曜?)の時点で12位までに入っているプレーヤーには、ボーナスが支給されます。

順位とボーナス支給額との相関は次の通りです(2017年9月時点の情報です)。

年末1位の選手がマスターズ8大会に出場した場合、316万ドルのボーナスです。

何と日本円で3億5,000万円です(1$=110円換算)。

12位の選手が7大会出場だと16万ドル(約1,770万円)。

出場義務は厳しい制度ですが、頑張ったご褒美はハンパないです(笑)

 

以上、コミットメントプレーヤーについてでした!

 

※本記事の内容はすべてATP公式の「Full Rulebook」の内容(1.08 Reduction of ATP World Tour Masters 1000 Commitment ほか)に基づいています。誤解・誤訳など発見されましたら、ご報告頂けますと幸いですm(_ _)m

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