ATPツアーやチャレンジャー大会、テニスの四大大会・グランドスラムに初優勝した選手の年齢を、ランキング形式でまとめています。
21世紀に入ってから、ナダルが19歳で全仏オープン制覇を成し遂げたり、錦織圭が18歳でツアー初優勝、最近ではオジェ=アリアシムが16歳でチャレンジャー優勝を達成したりしていますが、歴代ではどのくらいの位置なのかを調べました。
なお、ランキング内容は全てオープン化以降の記録で集計したものです。
目次
ATPツアー初優勝年齢 最年少ランキング(10代優勝者など)
テニスの国際大会にプロ選手が出場できるようになった、いわゆるオープン化が1968年。
また、ATPツアーの仕組みが現行のものになったのが1990年のことです。
ツアー優勝の年少記録、特に10代での初優勝は、1990年以前と以降で著しく頻度が違っているので、それぞれ別で表にまとめています。理由は定かではありませんが...
大会優勝の年少記録(オープン化以降・17歳以下)
オープン化以降の最年少優勝は、クリックステインが打ち立てた16歳75日という大記録。
グランドスラム最年少優勝記録保持者のマイケル・チャンも2位にランクインしています。
ヒューイット、メドベデフ以外は全て1990年よりも前に優勝した選手たちです。
順位 | 選手名 | 年齢 | 開催地 | 年 |
1 | クリックステイン | 16歳75日 | テルアビブ | 1983 |
2 | チャン | 16歳223日 | サンフランシスコ | 1988 |
3 | ヒューイット | 16歳321日 | アデレード | 1998 |
4 | クリックステイン | 16歳355日 | ボストン | 1984 |
5 | クリックステイン | 17歳45日 | テルアビブ | 1984 |
6 | クリックステイン | 17歳52日 | ジュネーブ | 1984 |
7 | ペレス=ロルダン | 17歳202日 | ミュンヘン | 1987 |
8 | ベッカー | 17歳206日 | クイーンズクラブ | 1985 |
9 | アガシ | 17歳214日 | イタパリカ | 1987 |
10 | キャッシュ | 17歳220日 | メルボルン | 1983 |
11 | ボルグ | 17歳228日 | オークランド | 1974 |
12 | ペレス=ロルダン | 17歳244日 | アテネ | 1987 |
13 | ボルグ | 17歳263日 | ロンドン | 1974 |
13 | チャン | 17歳263日 | ウェンブリー | 1989 |
15 | ベッカー | 17歳276日 | シンシナティ | 1985 |
16 | ボルグ | 17歳284日 | サンパウロ | 1974 |
17 | メドベデフ | 17歳295日 | ジュネーブ | 1992 |
18 | アガシ | 17歳298日 | メンフィス | 1988 |
19 | メドベデフ | 17歳323日 | シュトゥットガルト | 1992 |
20 | ビランデル | 17歳330日 | ボースタード | 1982 |
21 | ボルグ | 17歳361日 | ローマ | 1974 |
ATPツアー優勝の年少記録(1990年以降TOP10)
1990年以降に限ると、18歳未満で優勝したのはたったの2人でした。TOP10は次の通り。
順位 | 選手名 | 年齢 | 開催地 | 年 |
1 | ヒューイット | 16歳321日 | アデレード | 1998 |
2 | メドベデフ | 17歳295日 | サンフランシスコ | 1992 |
3 | メドベデフ | 17歳323日 | シュトゥットガルト | 1992 |
4 | メドベデフ | 18歳20日 | ボルドー | 1992 |
5 | 錦織圭 | 18歳50日 | デルレイビーチ | 2008 |
6 | ナダル | 18歳73日 | ソポト | 2004 |
7 | ヒューイット | 18歳74日 | デルレイビーチ | 1999 |
8 | アルカラス | 18歳81日 | ウマグ | 2021 |
9 | チャン | 18歳157日 | トロント | 1990 |
10 | サンプラス | 18歳197日 | フィラデルフィア | 1990 |
ATPツアー10代初優勝選手一覧(2000年以降)
2000年以降にATPツアーで達成された、10代での初優勝者の一覧です。
最年少記録は2008年の錦織圭で、18歳でのツアー優勝者は2021年7月のアルカラスまで現れませんでした。
BIG4は全員が10代のうちにツアー優勝を飾っていました。
順位 | 選手名 | 年齢 | 開催地 | 年 |
1 | 錦織圭 | 18歳50日 | デルレイビーチ | 2008 |
2 | ナダル | 18歳73日 | ソポト | 2004 |
3 | アルカラス | 18歳81日 | ウマグ | 2021 |
4 | ロディック | 18歳242日 | アトランタ | 2001 |
5 | マレー | 18歳280日 | サンノゼ | 2006 |
6 | モンフィス | 18歳340日 | ソポト | 2005 |
7 | ガスケ | 19歳 | ノッティンガム | 2005 |
8 | ルーネ | 19歳2日 | ミュンヘン | 2022 |
9 | Vinciguerra | 19歳15日 | コペンハーゲン | 2000 |
10 | ベルディヒ | 19歳16日 | パレルモ | 2004 |
11 | コリア | 19歳36日 | ビニャ・デル・マール | 2001 |
12 | ジョコビッチ | 19歳63日 | アーメルスフォールト | 2006 |
13 | ロブレド | 19歳89日 | ソポト | 2001 |
14 | シナー | 19歳90日 | ソフィア | 2020 |
15 | セルンドロ | 19歳105日 | コルドバ | 2021 |
16 | ズベレフ | 19歳158日 | サンクトペテルブルク | 2016 |
17 | フェデラー | 19歳180日 | ミラン | 2001 |
18 | ロクス | 19歳257日 | パレルモ | 2000 |
19 | ルブレフ | 19歳276日 | ウマグ | 2017 |
20 | ゴンサレス | 19歳283日 | オーランド | 2000 |
21 | デルポトロ | 19歳294日 | シュトゥットガルト | 2008 |
22 | デミノー | 19歳329日 | シドニー | 2019 |
23 | チリッチ | 19歳330日 | ニューヘブン | 2008 |
24 | ヴィウチ | 19歳357日 | サンティアゴ | 2020 |
なお、1990年以降で、10代のうちに何回ツアー優勝したかをランキングにすると、次のようになります(グランドスラム優勝も回数に含む)。
- ナダル 16回
- メドベデフ 8回
- ヒューイット 7回
- サンプラス 5回
- ロディック 5回
- ジョコビッチ 5回
- デルポトロ 4回
- アルカラス 4回(※2023年5月5日まで10代)
- チャン 3回(1990年より前にも3回)
- リオス 3回
やっぱりナダルが異常...。
ちなみに、オープン化以降の歴代最多はボルグの17回。ナダルが2位で、ビランデル13回、ベッカー12回、アガシ10回と続きます。
グランドスラム初優勝年齢 最年少ランキング
グランドスラム初優勝時の年齢で最年少はマイケル・チャンの17歳。
10代でグランドスラム大会優勝を果たした記録は次の通りで、21世紀の記録は2005年のナダル、2022年のアルカラスの2人のみです。
順位 | 選手名 | 優勝時年齢 | 大会 | 年 |
1 | チャン | 17歳109日 | 全仏オープン | 1989 |
2 | ベッカー | 17歳227日 | ウィンブルドン | 1985 |
3 | ビランデル | 17歳288日 | 全仏オープン | 1982 |
4 | ボルグ | 18歳9日 | 全仏オープン | 1974 |
5 | ベッカー | 18歳226日 | ウィンブルドン | 1986 |
6 | ナダル | 19歳2日 | 全仏オープン | 2005 |
7 | ボルグ | 19歳9日 | 全仏オープン | 1975 |
8 | サンプラス | 19歳28日 | 全米オープン | 1990 |
9 | ビランデル | 19歳111日 | 全豪オープン | 1983 |
10 | アルカラス | 19歳129日 | 全米オープン | 2022 |
11 | エドベリ | 19歳323日 | 全豪オープン | 1985 |
なお、20歳でのグランドスラム優勝は、サフィン(全米2000)、ヒューイット(全米2001)、ジョコビッチ(全豪2008)、デルポトロ(全米2009)が2000年以降に達成。
21歳では、フェデラー(ウィンブルドン2003)、ロディック(全米2003)が達成しています。
チャレンジャー初優勝年齢 最年少ランキング
チャレンジャー初優勝時の年齢で最年少は、またもマイケル・チャンで15歳。
16歳以下で優勝した8回の記録(7選手)は次の通りです。
順位 | 選手名 | 優勝時年齢 | 開催地 | 年 |
1 | チャン | 15歳238日 | ラスベガス | 1987 |
2 | ガスケ | 16歳19日 | モンタルバン | 2002 |
3 | トミック | 16歳131日 | メルボルン | 2009 |
4 | カールソン | 16歳215日 | ニューアルム | 1984 |
5 | Ondruska | 16歳231日 | ダーバン | 1989 |
6 | ガスケ | 16歳271日 | サラエボ | 2005 |
7 | ナダル | 16歳300日 | バルレッタ | 2003 |
8 | オジェ=アリアシム | 16歳314日 | リヨン | 2017 |
グランドスラム・ジュニアの部に16歳以下で優勝したガスケ、トミック、オジェ=アリアシムらが堂々のランクインです。
16歳なりたてでウィンブルドン優勝を果たした望月慎太郎も、16歳でのチャレンジャー優勝に期待がかかりましたが達成できず。
代わりに注目を集めているのが、望月と同い年のカルロス・アルカラス(スペイン)。
2020年8月に17歳でチャレンジャー初優勝を達成すると、なんと10月までにチャレンジャー通算3勝をマーク。
チャレンジャー3勝を記録した時点での年齢ランキングで、ガスケに次ぐ2番目の若さです。
- ガスケ(16歳10ヶ月)
- アルカラス(17歳5ヶ月)
- オジェ=アリアシム(17歳10ヶ月9日)
- デルポトロ(17歳10ヶ月13日)
- ジョコビッチ(17歳11ヶ月)
近い将来、怪我さえ無ければランキング上位に入ること間違いなしのアルカラスにも注目です。
錦織以来の18歳以下ツアー優勝が達成されるかもしれませんね(※前述の通り達成されました!)。
以上、ATPツアーやチャレンジャー大会、テニスの四大大会・グランドスラムに初優勝した選手の年齢ランキングでした!