グランドスラムなど、テニスの試合を観ているとたびたび目にするチャレンジ(以下、チャレンジシステムとも表記)

「ホークアイ」という単語も耳にしたことがあるかと思います。

 

はじめに謝っておきますが、この記事はチャレンジシステム・ホークアイに関する情報を網羅的にまとめているため、かなりの長文になっています。ごめんなさい...。

ただ、一通り読むことでチャレンジシステムやホークアイについて相当理解が進みますし、周りからはテニス通だと思われること間違いなしです。

画像提供:gettyimage(632463294他)

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チャレンジ(チャレンジシステム)とは?ホークアイとは?

チャレンジのジェスチャー

チャレンジ(チャレンジシステム)とは、テニスの試合中、主審や線審の判定が不服な場合に、主審に対してビデオ判定(CG映像)での再ジャッジを申し出る制度です。

 

上写真のようにチャレンジ行使のジェスチャーを主審に見せて申し出ます

チャレンジ行使のジェスチャー
指を立てて合図を送る選手が多い印象ですが、ラケットを上に動かしたり、挙手したりする選手もいます。

微妙な判定の際には主審もプレーヤーがチャレンジするかどうか注意して見ているので、多少アレンジを加えても意思疎通はスムーズです。

 

ホークアイとは「鷹の目(Hawk-eye)」を意味する英単語で、チャレンジシステムに利用される電子審判技術(審判補助システム)の名称です。

(参考)鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)とは

鵜や鷹が獲物をねらうときの鋭い目つきの意味から。ちょっとしたことも見落とすまいと熱心に探す様子や目つきのこと。

出典:故事ことわざ辞典

イギリス・ベイジングストークに本社のあるホークアイ イノベーション社(Hawk-Eye Innovations Limited)によって開発され、今も改良が続いています。

 

ホークアイが設置されているコートであれば、誰でもチャレンジシステムを利用できます

ただし、グランドスラム規模の大会であっても、ホークアイが作動するコートは限られているのが現状です...。

 

ホークアイの仕組みと舞台裏

ホークアイがどのような仕組みで打球の行方を追っているのか、引用も交えながら紹介します。

ホークアイの正体は、テニスコートの周りに設置された10台のハイスピードカメラです。

ホークアイとはコート周りの10台のカメラ出典:THE IMPACT OF THE HAWK-EYE SYSTEM IN TENNIS

これらのハイスピードカメラは日本のSONY製(ホークアイ イノベーション社は2011年にSONYに買収され、現在SONYの傘下)で、ボールと選手の動きとを同時に記録します(8台のカメラでボールを、2台のカメラで選手の動きを追います)。

会場のコントロールルームでは、カメラが捉えた解析映像がリアルタイムでコンピュータの画面に表示されており、チャレンジが使われるとおよそ5秒以内に会場スクリーンやテレビ・ネット配信映像にリプレイのCG映像が流れます。

 

舞台裏については、取材して詳しくまとめられた記事がありますので、そちらをご覧ください。一部抜粋すると...

カメラが自動的にボールを追い、それが3D映像として瞬時に表示されるのであれば、コントロールルームに詰めている審判員やエンジニアはいなくてもよさそうなものだが、そうはいかないのがテニスの試合だ。

「太陽の照りつける昼間の試合と、ライトの下で行われる夜の試合のコンディションはまったく違う。風や雨も影響するから、どんな状況でもすべてのカメラのセッティングを万全にし、ボールを正確にトラッキングできるように細かくモニターするのが私たちの仕事」とキャッシュ氏。

ホークアイのエンジニアチームは、大会が始まる数日前に大量の機材と共に会場入りする。キャッシュ氏は東京の楽天オープンにも遠征し、カメラ、ケーブルなどすべての機材を運び、設置からテスト、実際の判定までを指揮した。

チャレンジシステムは、世界中を飛び回るエンジニアたちによって支えられています。

(引用元)プロテニスの大会でお馴染み。審判の世界を変えたホークアイ技術の舞台裏(TIME & SPACE)

 

ホークアイの誤差と、着地点の楕円形について

ホークアイの誤差と楕円形

残念ながらホークアイは完璧なシステムではなく、実際の落下点とはわずかな誤差が生まれるケースがあります。

かつて平均3.6mmと言われていた誤差は、現在では平均2.6mmの誤差まで改善されており、これはちょうどテニスボール表面の毛羽立ちの高さに相当します。

 

また、ボール着地点の楕円形に疑問の声もありますが、これはボールが地面に着地してから約10cmもの長さにわたって変形しながら滑っていくからです。

ホークアイがとらえたボール変形の様子

上画像は、ホークアイ公式ページにある、テニスボールの着地前後をとらえた連続写真のPDF(Electronic Line Calling FAQ)から作成したイメージです(AもBも地面と接しており、その間は約10cm離れています)。

 

スピードが上がるほどボールの変形も大きくなり、判定が難しくなります。

サーブのライン際の判定は、人の目で判断できる限界を超えていると言えます。

 

チャレンジ(チャレンジシステム)のルール【使える回数】

チャレンジを使える回数

現行のルールでは、各プレーヤーに1セットあたり3回までチャレンジ権が与えられています

タイブレークに突入すると1回分追加されます。

 

最終セットがタイブレークのないセット(2ゲーム離れるまで決着が付かないルールで、全米オープン以外のグランドスラムで採用されている)の場合、合計ゲーム数が12の倍数になるごとにリセットされて3回ずつに戻ります。

また、主にダブルスで採用されているマッチタイブレーク(最終セットの代わりに、10ポイント先取または10ポイント以上のスコアなら2ポイント差を付けた方が勝利するサドンデス方式)も、新しいセットと見なされ、新たに3回ずつのチャレンジ権が両ペアに与えられます。

 

チャレンジは成功する(=判定がくつがえる)と残り回数が減らず、失敗した時にのみ回数が減ります

残り回数が無くなってしまうと、回数が回復するまではどれだけ誤審が疑われようとチャレンジすることができません。

 

チャレンジの残り回数は、スコアボードに「CHALLENGES REMAINING」として常に表示されています(上写真ではR.NADALの下の欄です)。

なお、チャレンジ権の有無に関係なく、セット間での残り回数の持ち越しはできません。

チャレンジの使える回数
・チャレンジ権は1セットあたり3回まで(タイブレーク突入は+1回)。
・チャレンジに失敗すると、残り回数が減る。
・セット間で、残り回数の持ち越しはできない。

 

チャレンジ(チャレンジシステム)のルール【ポイントの扱い】

チャレンジ時のポイントの扱い

次に、チャレンジをした結果、ポイントがどのように扱われるかを解説します

チャレンジに失敗した場合は、線審または主審の判定通りとなるだけです。

 

失敗した場合は単純ですが、成功した場合は少しややこしくなります。

 

イン判定に対してチャレンジをして、アウト判定にくつがえった場合

こちらは比較的簡単なケースです。

個人的にはジョコビッチがよくやっている印象がありますが、ラリー中に「相手のショットがアウトだ」とプレーを止めてチャレンジをするようなケース。

あるいは、相手のショットやサーブが際どいところに決まって、線審も主審もインだと判定しているケースが考えられます。

 

この場合、チャレンジ成功してアウトと判定されれば、チャレンジした側のポイントになります

サーブの場合だとフォルトになるので、そのサーブがファーストサーブであればセカンドサーブに、セカンドサーブであればダブルフォルトになります。

 

アウト判定に対してチャレンジをして、イン判定にくつがえった場合

こちらがややこしいケースです。

なぜなら、チャレンジに成功しても「①打球を打った側にポイントが認められる」ケースと「②ポイントのやり直しになる」ケースがあるからです。

 

チャレンジ成功で「①打球を打った側にポイントが認められる」ケース。

インであれば打ち返せなかったであろう、エースやウィナーのような打球であれば、打った側のポイントになります。

つまり(アウトのコールを聞いたからプレーを止めたケースを除いて)相手がラケットで触れられなかった打球の場合、チャレンジに成功すると打った側のポイントになります。

良いところに決まったように見えたサーブがフォルトと判定され、サーバーがチャレンジに成功すれば即ポイントになりがちなのも、良いところに決まる=レシーバーが触れられていないケースが多いからです。

 

チャレンジ成功で「②ポイントのやり直しになる」ケース。

これは、アウトと判定されたボールに相手のラケットが触れていた、またはアウトのコールを聞いて相手が意図的にプレーを止めた場合に起こり得ます。

主審が返球できた打球だったかを判断して、ポイントを認めるかやり直しにするか決められるルールですが、大半のポイントでラケットで触れさえしていればポイントのやり直しになっている印象です(例外としては、アウトコールよりも先に打球を打っていた場合です。この場合、アウトコールを聞いた影響がミスをしたのではないので、ポイントが認められるでしょう)。

このポイントのやり直しのことを「リプレイ・ザ・ポイント」と呼びますが、リプレイ・ザ・ポイントになったら必ずファーストサーブから再開されます。

 

このルールによって、次の例えのような状況が生まれます。

Aの強烈なファーストサーブはフォルト。
次に、Aの打った甘いセカンドサーブに対して、リターンでプレッシャーをかけるB。
Bはそのままラリー戦で主導権を握り、最後にウィナー級の打球を打ち込みます。Aは走り回されて、触れるのがやっとで打球はコート外へ。
決まったように見えたものの、線審・主審の判定はアウト。
Bはすかさずチャレンジをして、ホークアイがインと判定しチャレンジ成功。
ほぼBが決めきったポイントでしたが、Aは最後の打球にかろうじて触れていたため、リプレイ・ザ・ポイントとして再開。
ファーストサーブからのやり直しになり、今度は強烈なエースが決まってAのポイントに。

ここでは例え話ですが、実際の試合でもこれに近い状況を何度も見てきました。

ルールである以上どうしようもないのですが、Bのようなプレーヤーが不憫でなりません。

 

せめてセカンドサーブからのやり直しになればと毎回思ってしまいます...。

 

チャレンジ(チャレンジシステム)でもたらされたメリット

杉山 愛さんが自身のコラム「愛's EYE」でまとめられていたので、引用します。

導入によって気持ちを切り替えやすくなったことが選手にとって一番大きかったと思います。明確にビジュアル化されるので、微妙な判定でも納得しやすいのです。時々、納得しにくいこともあるにはあるのですが、映像で見せられてしまうと納得せざるを得ません。

以前は微妙な判定で選手自身が「あれミスコールだよ」と思ってしまい、次のポイントに入っても引きずって、そこから自分のリズムが狂ってしまうこともあったはずです。それが解消されたのは大きいでしょうね。

もちろん、会場の大画面で見られるので、選手と観客、テレビ観戦の視聴者も含め、スリル感を一緒に味わえるのは楽しいですし、テニス観戦のエンターテインメント性が高まったのは間違いありません。観客が選手にチャレンジを促す場面も時々、見られますね。

記事中では「導入後、線審のプレッシャーは大きくなったかも」と書かれていましたが、ホークアイがあることでむしろ負担が軽減された面もあるのではないでしょうか。

線審とプレーヤーとのいざこざが減ったのもメリットかもしれません(何度もホークアイと逆の判定をしていたらさすがに怒られますが)。

 

引用元:選手がチャレンジを使う最大のメリット(杉山愛コラム「愛's EYE」スポーツナビ)


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チャレンジ(チャレンジシステム)の問題点

画期的な審判補助システムとして利用されているチャレンジシステムですが、問題点もいくつか存在しています。

以下に4点ほど挙げてみました。

 

ホークアイの誤作動

ほとんどの場合問題ありませんが、これまでに確認されたものとしてホークアイが起動しない(ベルディヒ)、2バウンド目を表示してしまう(マレー)、おかしな表示になるといった誤作動があります。

画面ではライン上にボールの跡がかかっているのに、「OUT」の文字が出ているのもたまに見かけます。

次の動画は、ロジャーズ・カップ2017で起こったものです。

ボールの軌道が表示されず、どこでバウンドしたのか全く分かりません(汗)

結局線審のアウト判定に、主審がオーバールールする形で(インに判定がくつがえって)再開されます。当然ながらナダルは不満げ...

 

また、停電すると使えなくなるのも問題としてよく挙げられますが、そもそも停電するとスコアボードや照明器具が使用停止になるため、試合自体が進められなくなりますね。

 

ホークアイの設置有無で生まれる不公平性

同一大会内で、コートによってチャレンジシステムが使えたり使えなかったりする問題です。

トップシードの選手は、基本的にセンターコートかNo.1コート相当で試合をすることが多く、チャレンジは「あって当たり前」レベルです。

 

ところが、グランドスラム規模であっても、全コートにホークアイが設置されている訳ではありません。

早いラウンドでは、どうしてもシード選手であってもホークアイのないコートで試合をせざるを得ないケースが出てしまい、不公平性が浮き彫りになります。

 

なるべく多くのコートでホークアイが導入されるのを待つしかなさそうです。

後述しますが、BNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ・マスターズ)は8つの競技用コート全てでホークアイが導入されているので、不可能ではない話のはずです。

 

チャレンジ行使までの制限時間

2009年の全米オープン決勝の試合中、フェデラーが主審に激怒したのを覚えている方も多いと思います。

このとき対戦相手のデルポトロはフェデラーに勝利し、20歳にしてグランドスラム優勝を達成しますが、チャレンジ行使までの「持ち時間」が問題になりました。

 

審判らによって判定が下されてから、次のポイントまでの間にチャレンジするかどうかをプレーヤーが選択しますが、チャレンジ行使までの制限時間は特に定められておらず、主審の判断に委ねられます。

※公式ルールブックでの記載は次の通り。

In order to challenge, a player must show an immediate interest in making a challenge and must do it in a timely manner.

The key to the policy is “immediate interest”.

The player must also make his/her intention to challenge known to the Chair Umpire either verbally or visually using his racquet or fi nger.

意訳すると、「チャレンジをするためには、プレーヤーはただちにする意向を示して、素早く実行しなければならない。重要なのは "だたちにする意向" の部分。チャレンジを実行するには、主審に対して口頭、またはラケットや指を使ったジェスチャーで視覚的に意思表示をしなければならない。」とあります。

 

選手によっては、線審の判定について主審に「どう思うか」と尋ねて、返事の印象からチャレンジするかどうか決める者もいます。

フェデラーはチャレンジする場合はほとんど即決断する(=マナーが良い)ので、デルポトロや主審が怒りの矛先になってしまうのも頷けます。

もっとも、フェデラーが爆発したのは、試合中のホークアイの判定に不満たらたらだったせいもありますが...(フェデラーはもともとチャレンジシステムの導入に難色を示していましたね)。

 

ルールでは何秒以内にチャレンジすること、というような決まりがありません。

トラブルの元なので、ぜひとも設定して欲しいなと個人的には思っています。

 

フェデを怒らせたチャレンジシステム(Tennisnakama in New York ←Tennisnakamaさんの旧ブログ)で、当時の詳細が書かれています。

 

クレーコートでのホークアイ

クレーコートでは、ボールがバウンドした際に跡がハッキリと残るため、チャレンジシステムは使えない決まりになっています。

ところが、クレーであってもコートによってはホークアイが設置されており、リプレイのCG映像は場内スクリーンやテレビ中継でたびたび流れます。

 

毎年のように発生するのが、「主審が違う跡を指差して誤審になる」問題です。

次の動画でも、シャラポワの打球はホークアイではオンラインですが、主審はアウトの判定を下しました。

この判定(誤審)に選手が納得できるわけもありません。

大事なポイントになればなるほど、試合の結果に深刻な影響を与えてしまいます。

 

せめてホークアイの設置されているコートでは、チャレンジシステムを使えるようルール改正してもよいのではないでしょうか。

 

チャレンジ(チャレンジシステム)テニス界への導入の経緯

チャレンジシステム導入の経緯

ここからは、テニス界におけるチャレンジシステム導入までの経緯や、導入後の拡がりなどについて触れていきます。

 

ホークアイの映像が初めて流れたのは、2002年2月に行われたデビスカップの放送中。

翌年の全豪オープン2003で、ホークアイはグランドスラムで初となるテレビデビューを果たしました。

その後も各トーナメントで試験的にホークアイの映像が流れるようになっていきます。

2003年9月には、アメリカでテレビ関連する様々な業績に与えられる「エミー賞」を受賞し、注目を集めました。

 

そんなホークアイが最も注目を集め、導入に向けて勢いが加速するきっかけとなったのは、2004年の全米オープン準々決勝 セリーナ・ウィリアムズ VS ジェニファー・カプリアティの一戦

ホークアイが示す映像とは逆の判定、それもウィリアムズにとって不利な判定が続いた上、ウィリアムズはカプリアティに敗れてしまったのです(6-2 4-6 4-6)。

最終セット出鼻での誤審続きは、気の毒としか言いようがありません...。

映像が粗くて見づらいのですが、問題となった一戦です。

また、元WOWOWアナウンサーの岩佐 徹さんが当時の様子をブログにアップされていましたので、よろしければご覧ください。

「セレナを見舞った大誤審~ホークアイ導入のきっかけになった~」(岩佐徹のOFF-MIKE)

 

その後、2005年10月に全米オープン会場のアーサー・アッシュ・スタジアムでのITFによる厳しい審査に合格

ついに審判補助システムとしてツアーレベルでの使用が認められました。

 

エキシビションなども含めると、ホークアイが設置された初めての大会は2005年12月のATPチャンピオンズツアー(ATPが開催している歴代OBによるシニアツアー)で、イギリスのロイヤルアルバートホールが初めての設置場所です。

 

2006年はチャレンジシステム元年と言ってもいい年で、一気に普及が進みます。

年始のホップマンカップ(エキシビションの国別対抗戦、わりとガチなことで有名)でも初めてチャレンジシステムが採用されます。

 

ポイントが発生する大会での初導入は2006年3月のナスダック100オープン。

 

その年の全米オープン2006がチャレンジシステム初導入のグランドスラム大会で、全米オープンシリーズの計10大会(男女合計)でチャレンジシステムが導入されました。

ちなみにアメリカ以外ではじめてチャレンジシステムを使えるようになった大会はチャイナ・オープン(中国)で、それも2006年がはじまりです。

 

2007年の全豪オープンでも採用され、当時のチャレンジ権の回数は2回まででした(タイブレーク突入で1回追加等は現状と同じ)。

夏に行われたウィンブルドン2007でも初採用で、このタイミングでチャレンジ権の回数が3回に変更になりました。

 

2011年3月、インディアンウェルズ・マスターズが8つの競技用コート全てでホークアイを設置したことが話題になりました。

同年6月のウィンブルドンでは、グランドスラム初の4コートでのホークアイ設置を実現(2ヶ月後、全米オープンでも4コートで設置されました)。

 

2012年頃には、マイアミ・オープン・SAPオープンで、プレーヤーとボールの追跡データが記録され、活用されるようになります。

ロンドンオリンピック会場でも、2コートでホークアイが設置されました。

 

現在テレビ・ネット中継や会場スクリーンで映し出されるあらゆるデータ(サーブのプレイスメント図、リターンの位置分布図、試合中に走った距離など)は、ホークアイによって集計・分析されています。

また、ホークアイのスマートリプレイ技術により、フットフォルトやクレーコート上での打球の判定をリプレイで映し出せるようになっています。

 

チャレンジシステム・ホークアイの未来は...

チャレンジシステムが今後どのように変化していくのかは未知数です。

「未来のテニスの試合では、人間の審判が必要なくなる」なんて驚きの説もあります。

 

そして、何と審判(線審)不要説を実際にテストする場が、2017年の年末にミラノで開催される「Next Gen ATP Finals」で用意されています。

この大会は2017年に初開催されるイベントで、21歳以下の選手のためのツアーファイナルです。

 

「ホークアイ・ライブ」という新技術が試され、打球のイン・アウトの判定だけでなく、フットフォルトまでホークアイのカメラで判定されるとの情報が出ています。

(ソース元)'HAWK-EYE LIVE' SET TO LAUNCH AT NEXT GEN ATP FINALS

(他にもユニークなルールが多数取り入れられているNext Gen ATPファイナルズの詳細については、別の機会にまとめます)

↓まとめました。

 

そのうち、人間の審判が1人もいないコートで(ボールパーソンもいなくてボールやタオルも機械が運んでくる中で)テニスの試合が行われるという、シュールすぎる光景が当たり前になるのかもしれませんね...。

 

実際にあったチャレンジの面白動画

最後に、チャレンジシステムの面白動画を2つ載せておきます。

 

「どうしてチャレンジした」動画

明らかにインであるはずのサービスエースに対して、チャレンジを要求したズベレフ。

審判にも笑われる始末で、本人は恥ずかしそうにしていますね。

 

「優勝決定の打球でチャレンジ」動画

2016年のウィンブルドン・ジュニアの部女子シングルス決勝、アナスタシア・ポタポワ VS ディアナ・ヤストランスカの一戦で珍記録が生まれました。

マッチポイント(チャンピオンシップポイント)でヤストランスカのリターンがアウトになった瞬間、優勝の喜びを倒れこんで表現したポタポワ。

しかし、次の瞬間「サーブがフォルトだった」とヤストランスカがチャレンジし、チャレンジ成功。

優勝決定から一転、試合続行となります。

 

次におとずれたマッチポイントでも、同様にヤストランスカのリターンがアウト。

これに対して、すかさずチャレンジ...これにはポタポワもボールを叩きつけて感情を露わにします(恨むべき対象は線審です)

そして、またも判定がくつがえり、試合続行となってしまいました...。

 

3度目のマッチポイントで、文句なしにポイントを決めきったポタポワ。

試合が終わるとヤストランスカと強く抱き合って、お互いの健闘を讃え合いました。

Youtube動画のコメントは「アナスタシア・ポタポワがウィンブルドンのタイトルを1試合で3回獲得」

まさに「3度目の正直」で、ポタポワは最後まで集中を切らさずに優勝を果たしました。素晴らしいの一言です。

勝利への執念を見せ続けたヤストランスカもあっぱれです(賛否両論ありそうですが)

優勝決定の打球で2度も判定がくつがえるという珍記録が、グランドスラム女子ジュニアの部で誕生した試合でした。

 

 

チャレンジシステムについては常に賛否両論ある状況ですが、チャレンジシステムがあるからこそ生まれるドラマがあります(割愛しましたが、2017年のマスターズでキリオスが対戦相手のズベレフにチャレンジを促すシーンなんかもありましたね)。

かなり技術面で信頼のおけるシステムになっていますし、今や不可欠なシステムと言っても過言ではないかもしれません。

 

クレーコートでの誤審など、チャレンジシステムによって解決すべき問題も残っています。

これからもチャレンジシステムの動向から目が離せませんね!

 

以上、テニスのチャレンジ(ホークアイ)の仕組み・ルールについて、長々と失礼しました!

コメント一覧
  1. だー より:

    チャレンジの解説ありがとうございます。
    知らないこともあり、勉強になりました。

    チャレンジの面白動画なのですが、ソックvsヒューイットでも面白い出来事がありました。
    ヒューイットのサーブがフォルトだった時にソックがヒューイットに入ってたからチャレンジした方がいいよと言った試合もありました。
    https://www.youtube.com/watch?v=0kPXaylAm5Q

  2. mori_ichi_ より:

    >だーさん

    コメントありがとうございます!

    内容盛り込みすぎて、読むのが大変だったと思います…目を通していただき、感謝します。

    ヒューイット戦でもあったんですね!
    潔いスポーツマンシップは見ていて気持ちが良いですね☺️

    主審・線審よりも、コート上のプレーヤーのが近くで見ている場合も多いですよね。

  3. レイチャン より:

    こんばんは。相変わらず毎日すっかり呑んだくれの私です。
    残暑なんとなくきびしいしですしね、、、
    呑まなやってられまへんね☺️
    チャレンジシステム、、、
    私はテニスではじめて知りました。
    最近はバレーボールでもこのシステムはじまりましたね。
    このシステムなかなかゲームを左右するような、しないような(笑)
    でもテニスのは、なんだか紳士的でいいですよね、、、
    でも、たまに、
    えぇえええ〜〜⁉︎⁉︎
    そこでチャレンジするん⁈
    まじでチャレンジするん⁈
    私が見ててもアウトやで⁈
    ってびっくりすることもあるけど(笑)

    そして、このまま引き続き人間の判定もなくさないでほしいです。
    見てて結構おもしろいですよね、、

    絶対見えてないだろ!
    っていうお年の方や〈←ウィンブルドン〉
    今、絶対他の事考えてたよね? 見てなかったよねっていう顔のお方や〈←全米〉
    ウィンブルドンではブランドのお姉さんが好きです(笑)
    でも彼らみんなチャレンジで判定がくつがえって、カメラで抜かれても決して微動だにしない顔はイラってしたりもするけど、それもテニスの醍醐味だとおもってます。
    やっぱりテニスにおいてはチャレンジシステム はなんだかスマートな気がします。
    もっちのろんでひいきめで特にアンディのチャレンジの仕方はおしゃれですね(*☻-☻*)

  4. mori_ichi_ より:

    >レイチャンさん

    こんばんは!
    呑んだくれてましたか(^^;)
    まだまだ残暑厳しい日が続きますね。

    バレーボールでチャレンジが使われたシーン、まだ見たことがないです(そもそもバレーボール観戦をしないからですが)。
    バレーボールのは紳士的じゃないんでしょうか?笑

    フェデラーなんかは、間を取るためにチャレンジしてる時もありますし、判定は二の次って時もありますね(フェデアイとか揶揄されてます)。

    チャレンジでくつがえっても真剣な表情なのは、醍醐味ですね。笑
    プライドが垣間見えるシーンでもあります。間違えてばっかりではいけませんが(^^;)

    アンディは、結構チャレンジでやらかすシーンやボヤくシーンも多い気がしますが、言われてみればおしゃれだったかもしれないですね☺️

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