日本の(心ない一部の)テニスファンの間では「空気」の愛称で親しまれているトマーシュ・ベルディヒ。
世界ランキング最高4位、記事公開日の2016年1月時点でも6位で錦織の1つ上にいる選手です。
ここ数年常に世界トップ10入りを果たし、最終戦にもほぼ毎年出場しています。
しかし、残念なことに他の選手に比べ非常に影が薄いのが特徴です。
とは言ってもただ単に影が薄いだけでは「空気」とまでは呼ばれませんよね。
今回は、ベルディヒの空気伝説についてまとめています。
それだけで終わるとただの悪口なので、最後に彼の名誉の為に魅力についても触れます。
(2019年11月17日追記)男子テニス界で抜群の存在感を見せてきたベルディヒが、ついに引退を表明してしまいました。
“Game Set Tennis Career" pic.twitter.com/77kYPiZlW2
— Tomáš Berdych (@tomasberdych) November 16, 2019
あの勇姿がもう見られないのは残念ですが、セカンドキャリアも充実した道のりになるようお祈りいたします。
近い将来、解説席で試合の空気感を視聴者に伝える役割を担ってくれていると嬉しいです。
目次
ボールボーイやチャレンジシステムがベルディヒを無視
2009年の全豪オープン4回戦で第2シードのロジャー・フェデラーと対戦。
当時第20シードだったベルディヒは、フェデラーを相手に2セットアップと最高の立ち上がり。
ラリーでも互角かそれ以上に渡り合う大健闘を続けていました。
途中チェンジコートでベンチに戻り、水を貰おうと近くのボールボーイに一言。
「Ballboy.」
しかし一向にこちらへ来ません。
というか聞こえてないのか反応してくれません。
「Ballboy!」「Ballboy!」と3回呼んだところでようやく気付いてくれ、無事に水をゲットしたのでした。
しかしこれでベルディヒのリズムが崩れたのか(?)フェデラーに2セットダウンから見事に巻き返され、敗退となりました。
おまけに、チャレンジをしたのにチャレンジシステムが何故か作動せずチャレンジさせてもらえなかったという切ないシーンもありました...。
【ベルディヒ VS フェデラー当時の試合ダイジェスト(残念ながら空気シーンは収録されず)】
グランドスラムではいつの間にか敗退している印象?
ベルディヒは相当強いのですが、グランドスラムでなかなか優勝に手が届かない選手です(錦織含めそういう選手はたくさんいますが...)。
だいたい4回戦から準決勝のどこかで敗退します(※かなり優秀)。
全仏に限ってはクレーがあまり得意なサーフェスでない為、初戦敗退の経験が多くあります(2004年、2007年、2009年、2011年、2013年が初戦敗退でした)。
唯一決勝進出を果たした2010年のウィンブルドンでは、期待されましたがラファエル・ナダルに3-6 5-7 4-6のストレートで敗れました。
ベルディヒがストレートで負けたりすると「空気スコア」なんて表現されたりもします...。
全豪オープンは2011年から6年連続のベスト8入りという安定感です。
うち2014年、2015年は連続ベスト4。
しかし、前述の影の薄さからか、あまりメディアが試合を注目してくれないまま敗退となってしまうケースが多くあります...。
上位シードなのに、ラウンドが進んでもホークアイのない10何番コートとかでグランドスラムの試合をさせられた事もあり、この時は流石に本人も怒りをあらわにしていました。
(こういう贔屓のようなことは、運営側はするべきではありません。)
レンドルにコーチ打診もスルー(マレーは快諾)
2014年秋に、同じチェコ出身のテニスプレーヤー、イワン・レンドル(チェコスロバキア出身)にコーチ就任のオファーを出しました。
ツアー中にアポを取って直談判する熱血ぶりで猛アピールをするも、「時期尚早」として断られました。
「イワンは僕をサポートしたいんだけど、今は忙しすぎるということだった」ようです。
なんという社交辞令...。
しかし、それから約1年半後、元々コーチをしていたアンディ・マレーから打診を受けるとレンドルは即座にコーチ就任を快諾。
コーチ探しでも、空気扱いを受けてしまっていました...。
トマーシュ・ベルディヒの表記揺れがハンパない
First Nameだけで「トマシュ」「トマーシュ」「トーマシュ」「トマス」「トーマス」。
Last Nameがもっと凄くて「ベルディハ」「ベルディヒ」「ベルディフ」「ベルディッチ」「バーディッチ」「ベルディック」。
いっそ「ベルディへ」「ベルディホ」までいってほしい感じですね。
ちなみに、ネイティブの発音に近いのは「トマーシュ・ベルディフ」らしいです!
⇒ベルディヒをネイティブに近い発音で聞けます
他のトップ選手と違い、ベルディヒは表記揺れが激しくてなかなか統一してもらえません。
最近はベルディヒ派が主流ではありますが、wikipediaやスポナビ選手プロフィールはベルディハ派で、ベルディフ派も根強いです。
(参考)
【Google検索結果(2017年調べ)】
ベルディヒ:187,000件
ベルディハ:52,100件
ベルディフ:11,500件
ウェアの色も薄い感じがよく似合ってしまう
白や水色、青のウェアが非常にしっくりきてしまいます。
冒頭の写真でも、日本の(心ない一部の)ファンからは「ローソンの店員」呼ばわりされる始末。
薄くない色でもダサいと言われるベルディヒ ...かつて、ウェアに関してはキュレーションサイトでも記事にまとめられていました...。
【テニス】ベルディヒのH&Mのウェアがダサすぎて話題に【錦織はユニクロ】(LAUGHY)
しかしベルディヒは世界ランキング1桁のプロテニスプレーヤー
当然、テニスの腕はピカイチです。
恵まれた体格から放たれるサーブは、速度も角度もあり非常に強力です。
フォアの破壊力も世界でも5本の指に入るんじゃないかというレベルで、バックハンドも器用に左右に打ち分けられるオールラウンダーです。綺麗なフォームも特徴ですね。
長身ながらフットワークも非常によく、常に安定して高いレベルのパフォーマンスを続けています。
これまでに大きな怪我がないのも強みです。
通算で、実はグランドスラムでBIG4を全員倒しています。
グランドスラムの同一大会中にフェデラーとジョコビッチを破ったのも、ベルディヒとバブリンカしかいません(2017年7月現在)。
また、ウィンブルドン2017でジョコビッチに勝利(ジョコビッチが途中棄権)したことで、BIG4全員から3勝以上をあげた数少ない選手の1人となっています(他にはロディック、バブリンカ、デルポトロの3名のみ)。
マスターズ1000でもタイトルを獲得しています(2005年のBNPパリバ・マスターズ)。
テニスの国別対抗戦であるデビスカップでもエースとして出場し、2012年・2013年の連覇に貢献しました!
ただ、これだけ素晴らしい選手なのに、大会中に会場付近で歩いていても気付いてもらえないらしいです...。
身長が196cmもあるプロテニスプレーヤーなのに、ただの背の高い人扱いなんでしょうか...。
P.S.
忘れてました、奥さん(7歳下のチェコのモデル)が超美人です。
↑こんな超リア充写真をInstagramにアップしていました。
P.P.S
もう一つ、自撮りのうまさが神がかっています。
ほぼ毎年出場しているツアーファイナル(年間上位8人だけが出場できるシーズン最終戦)で、8人ともバッチリ収まるかたちで完璧な自撮り写真を披露していました。
自撮り棒なしでこの完成度...ベルディヒの安定感はテニスだけではありません!