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ダウンザラインの正しい意味+解説動画

    2016/12/03

murray-backhand

テニス用語の一つにダウンザラインという言葉があります。

よく「ストレート=ダウンザライン」と解釈されていますが、厳密には正しくありません。

 

今回は、ダウンザラインの正しい意味と、ダウンザラインにまつわるあれこれを紹介します。

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ダウンザライン=ストレートは正しい?

ダウンザラインとは、「ラインに沿う」という意味です。

このラインとは、コートのサイドラインのことです。

tennis-court-side-lines

図の赤線がサイドラインで、内側の2本がシングルスサイドライン(サービスサイドラインとも言います)、外側の2本がダブルスサイドラインです。

 

サイドラインに沿うような軌道を描くショットを指すので、打つプレーヤーがサイド(サイドライン付近)にいることが条件です。

コートのセンター(中央)付近から、いわゆるストレート※に打つ場合はダウンザラインとは言いません。

※ここでいうストレートは、ネットに対して垂直方向という意味です。一般的にテニスで「ストレートに打つ」といえば、ネットに対して垂直方向という意味です。

 

普段のプレーやテニスレッスンでは分かりやすさ重視で、コートの対角線上(斜め方向)に打つクロス・逆クロスに対して、ダウンザラインをストレートと表現する場面が多いです。

ダウンザラインをストレートと表現するのは決して間違いとは言い切れませんが、ストレート=ダウンザラインは違います。

 

ダウンザラインといえばバックハンド!

nishikori-backhand

ダウンザラインという言葉は「バックのダウンザライン」という形でよく耳にします。

最たる理由は、錦織 圭の得意ショットの一つだからでしょう。

テレビの解説やニュースでも、しばしば「錦織の見事なバックのダウンザライン」というような表現が登場します。

 

他の理由としては、フォアのダウンザラインに比べバックのダウンザラインを武器にしているプレーヤーが多いこと。

スタニスラス・バブリンカやロジャー・フェデラーのバックのダウンザラインは息を飲む美しさ(鮮やかさ)です。

ダウンザラインへのショットは入れば決定打なことが多く、余計に印象に残ります。

 

また、テニスをする(観る)人にとって、バックのダウンザラインは見せ場であり憧れのようなものであること(気のせいならすみません)も挙げられるでしょう。

実際、クロスラリーからダウンザラインへ配球するのは、ネットの高さの差・ベースラインまでの距離の差はもちろんのこと、しっかりと振り抜かないとコントロールができないことなどから難易度が高いです。(ネット・ロングアウト・サイドアウトになりやすい)

 

個人的には、「バックのダウンザライン」と言うと、何となくカッコいい技名みたいに聞こえるので気に入ってます(残念ながら得意ショットではありません)。

 

トッププレーヤーの印象的なダウンザライン

せっかくなので、そのプレーヤーの代名詞として印象に残っているようなダウンザラインをいくつか紹介します。

 

まずはバブリンカ

バブリンカは速度も回転も自在に操れる世界屈指のバックハンドを持っています。

バブリンカの試合では、テニス解説もバックハンドウィナーの数を気にするほどです。

そして、バックハンドウィナーの大半は、バックのダウンザラインです。

画面奥でバックを打っているのがバブリンカです。

バックのクロスでコート外に相手を追い出して、最後は鮮やかなバックのダウンザライン。

ライジング(バウンド後はやめのタイミングで打つこと)気味での完璧なショットなので、触れることすらできないバックハンドウィナーです。

 

次に錦織

バックハンドの安定感は世界でも上位にランクしています。

たとえ体勢が十分に整わなくても、器用な打ち方で積極的にダウンザラインを狙えます。これは相手にとっては大きな脅威です。

楽天・ジャパン・オープンの試合で、ミロシュ・ラオニッチの高く弾むキックサーブを必死に押さえ込んでダウンザラインへリターンエースを放ったシーンは、覚えている方も多いのではないでしょうか。

これは2015年ツアーファイナルでフェデラーとの対戦中に飛び出したバックのダウンザラインです。

画面手前のフェデラーが打つ厳しいフォアを何とかスライスで拾って、攻めるフェデラーに対して最後のダウンザラインで形勢逆転を果たしました。

錦織の見事な粘りとフットワーク、読みがあってこそ生まれたスーパーショットです。

 

他にも、アンディ・マレーのコーチとしてもお馴染みのイワン・レンドルは、現役時代フォア・バックともダウンザラインを得意としていたようです。

特にフォアのランニングショットは「レンドルフック」と名が付いていて、リアルタイムでは見ていませんが、映像で見ても感動の精度です。

 

ラファエル・ナダルのフォアのダウンザライン(ランニングショット)は、ラインに沿って、ラインの外から巻いてきます。

レンドルフックもナダルのランニングショットもサイドスピンがかかっているので、打った瞬間はアウトのようですが曲がってコート内に収まります。

ファンでなくても見応えたっぷりなので、観戦中に1本は見ておきたいショットです。

たった数秒の映像ですが、全盛期ナダルの恐ろしさの片鱗が味わえます。

 

マレーのつなぎのダウンザライン

マレーのストロークで多く見られるのが「つなぎのダウンザライン」です(最近は少しずつ減ってきていますが)。

 

先述のとおりクロスラリーに比べてリスクが高いダウンザラインへの配球ですが、マレーは自分からよくダウンザラインへ仕掛けます

と言っても、バブリンカらには違って一撃で決める気はありません。

スピンを多めにかけている場合が多く、以下のような効果が期待できます。

・コートカバーリングのための時間を作る
・ストロークのリズムを変える(緩急をつける)
・相手に攻めさせてアンフォーストエラーを誘発
・返球が甘くなれば自分から攻める

つなぎのダウンザラインに対して、錦織やフェデラーのように攻撃力のある相手は積極的に強打をしてくるので、マレーはスライスで凌ぐ展開をよく強いられます。

マレーファンとしては、見ていてハラハラする場面の一つです。

ネットに詰めてきたナダル(画面奥)に対して、ここしかないというショートクロスのパッシングショット。

カウンターテニスが持ち味のマレーの真骨頂です。

ナダルがネットに詰める前のマレーの打球が、つなぎのダウンザラインです。

 

 

クロスラリーの中で、どちらがどのタイミングでダウンザラインへ打つのか。

テニス観戦の醍醐味の一つと言えます。

プレーヤーはコート上で様々な駆け引きをしています。常に相手が次にどこへ打ってくるか予測しながらプレーしています。

テニス経験がないとクロスラリーを見ても「なんで相手のいない方に打たないの」と思う方が大半でしょうが、打つのが難しい、頻繁に打つと読まれてしまって効果が薄くなる等、色々とプレーヤーは苦労しているんです…。

テニスの試合を見る時は、是非ダウンザラインの打球にも注目してみてください。

 

以上、ダウンザラインについて長々と失礼しました!

 

スマッシュ 2017年1月号【バックハンドで攻めてみよう!】

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