ダウンザラインとは?正しい意味+解説動画
本ページはアフィリエイト広告を利用しています。

テニス用語の一つにダウンザラインという言葉があります。

よく「ストレート=ダウンザライン」と解釈されますが、厳密には正しくありません。

また、オンラインの打球をダウンザラインと呼んでしまう間違った風潮もあります。

 

今回は、ダウンザラインの正しい意味を、実際の試合で打たれたダウンザラインの動画も交えて解説していきます。

 

(PR)錦織圭、大坂なおみの最新情報を随時更新中!

ダウンザラインとは|down the line

down the lineは「ラインに沿う」という意味の英語で、このラインとはテニスコートのサイドラインのことです。

テニスコートのサイドライン
赤線がサイドライン

 

ダウンザラインとは「サイドラインに沿うような軌道のショットのことです。

 

なので、打つプレーヤーがサイドライン付近にいることが絶対条件で、中央からストレートに打つ場合はダウンザラインとは言いません。

中央から打った場合はただのストレートです。

 

ちなみにオンラインは、ライン上でバウンドする打球のことを差す言葉で、ダウンザラインとは一切関係がありません(ダウンザラインがオンラインに決まることはあります)。

 

テニスレッスンなどでは分かりやすさ重視で、コートの対角線(斜め)方向に打つクロス・逆クロスに対して、ダウンザラインをストレートと表現する場面が多いです。

ダウンザラインをストレートと表現するのは決して間違いではありませんが、中央から打ってもダウンザラインにはならないので、ストレートをダウンザラインと表現するのは誤りです。

「バックのダウンザライン」は錦織圭の得意ショット

ダウンザラインとは

ダウンザラインという言葉は「バックのダウンザライン」という形でよく耳にします。

最たる理由は、錦織圭の得意ショットの一つだからでしょう。

テレビの解説やニュースでも、「錦織の見事なバックのダウンザライン」などの表現がよく登場します。

 

他の理由としては、フォアのダウンザラインに比べバックのダウンザラインを武器にしているプレーヤーが多いこと。

スタン・バブリンカやロジャー・フェデラーのバックのダウンザラインは息を飲む美しさ(鮮やかさ)です。

ダウンザラインへのショットは入れば決定打になることが多く、余計に印象に残ります。

 

また、テニスをする(観る)人にとって、バックのダウンザラインは見せ場であり憧れのようなものであることも挙げられるでしょう。気のせいだったらすみません💧

実際、クロスラリーからダウンザラインへ配球するのは、ネットの高さの差・ベースラインまでの距離の差はもちろんのこと、しっかりと振り抜かないとコントロールができないことなどから難易度が高いです(ネット・ロングアウト・サイドアウトになりやすい)。

ダウンザライン動画3選|実際の試合映像

ここからは、そのプレーヤーの代名詞として印象に残っているようなダウンザラインを3つご紹介します。

 

まずはバブリンカ(ワウリンカ)。速度も回転も自在に操れる、世界屈指のバックハンドを持っています。

バブリンカの試合ではテニス解説者もバックハンドウィナーの数を気にするほど。

そして、バックハンドウィナーの大半はバックのダウンザラインです。

画面奥でバックを打っているのがバブリンカです。

 

バックのクロスでコート外に相手を追い出して、最後は鮮やかなバックのダウンザライン。

ライジング(バウンド後、早めのタイミングで打つこと)気味での完璧なショットなので、触れることすらできない見事なバックハンドウィナーです。

 

次は錦織。バックハンドの安定感は世界でもトップクラスです。

体勢が十分に整わなくても、器用な打ち方で積極的にダウンザラインを狙うので、相手にとっては大きな脅威です。

楽天オープンの試合で、ミロシュ・ラオニッチの高く弾むキックサーブを必死に押さえ込んでダウンザラインのリターンエースを放ったシーンは、覚えている方も多いのではないでしょうか。

画面奥が錦織です。これは2015年のATPファイナルズ(ツアー最終戦)で、フェデラーとの対戦中に飛び出したバックのダウンザラインです。

 

画面手前のフェデラーが打つ厳しいフォアを何とかスライスで拾って、攻めるフェデラーに対して最後のダウンザラインで形勢逆転を果たしました。

錦織の粘りとフットワーク、そしてショットの読みがあってこそ生まれたスーパーショットです。

 

他にも、アンディ・マレーの前コーチとしてもお馴染みのイワン・レンドルは、現役時代フォア・バックともダウンザラインを得意としていました。

特にフォアのランニングショットは「レンドルフック」と名が付けられ、ライバルたちから恐れられていたと言います。

 

ラファエル・ナダルのフォアのダウンザライン(特にランニングショット)は、ラインに沿って、ラインの外から巻いてきます。

レンドルフックもナダルのランニングショットもサイドスピンがかかっているので、打った瞬間はアウトのようですが曲がってコート内に収まります。

ファンでなくても見応え十分なので、観戦中に1本は見ておきたいショットです。

動画タイトルは「ベスト・バナナ・ショット」。

バナナの形のように空中で曲がりながら向かってくる、恐るべきダウンザラインです。

 

 

クロスラリーの中で、どちらの選手がどのタイミングでダウンザラインへ仕掛ける(打つ)のか。

これはテニス観戦の醍醐味の一つと言えます。

ダウンザラインへのショットは、クロスコートへの配球に比べてリスクが高いため、打つ機会は慎重に選ぶ必要があります。

 

プレーヤーはコート上で様々な駆け引きをしていて、つねに相手が次にどこへ打ってくるのかを予測しながらプレーしています。

 

テニス経験のない方からすると、クロスラリーを見ても「なんで相手のいない方に打たないの」という感じだと思います。

しかし、打つのが難しかったり、頻繁に打つと読まれてしまって効果が薄くなったり、色々とプレーヤーは苦労しています...。

テニスの試合を観る時は、是非ダウンザラインの打球にも注目してみてくださいね。

テニスの「ダウン・ザ・ライン」まとめ

  • ダウンザライン(down the line)とは、テニスコートのサイドラインに沿うような軌道のショット。
  • 錦織圭がバックハンドで得意としているショットで、ナダルの放つショットは弧を描いて飛んでくる。
  • ダウンザラインへのショットは、多くは攻撃的な姿勢の表れ

 

以上、ダウンザラインの正しい意味でした!