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2018年シーズンオフ、プロ野球の巨人が自由契約にしていた上原浩治と再契約を交わしましたが、上原の契約に関する一連の行為が「プロテクト外し」なのではという疑惑が浮上しています。

FA制度ルールの盲点とも言うべき新手のプロテクト外し。

もし狙ってやっていたのであれば、ある意味では巨人を褒めるべきかもしれません。

 

今回は、野球のプロテクトの意味や人的補償、プロテクト外しについて、どういった仕組みなのかを解説しています。

野球のプロテクトとは?人的補償との関係は?

野球のプロテクトという言葉はシーズンオフによく耳にします。

それもそのはず、プロテクトは選手がフリーエージェント(FA)宣言を行って国内の他球団に移籍した時に話題になるからです。

 

まず、野球のフリーエージェント制度について簡単に説明します。

野球のフリーエージェント(FA)制度について
一定期間以上(約8年)一軍にいた選手に与えられる権利がFA権と呼ばれており、選手はFA権を行使すると「FA宣言」した選手という形で発表されます。
FA宣言選手とはプロ野球全球団が契約交渉できるようになり、この制度の名前をフリーエージェント制度と呼びます。

(追記)プロ野球のFAについて別記事でまとめました。

 

上記のFA制度を利用して自球団の選手が移籍した場合、そのFA選手の移籍先から何らかの補償(金銭など)を得ることができます。

補償はFA選手の年俸によって3つに格付けされていて、最高ランクのAランクかBランクの選手の場合は金銭だけでなく見返りの選手も要求できます。

この見返り選手を要求できる仕組みを、人的補償制度といいます。

 2018年の場合だと丸佳浩がAランク、西勇輝、炭谷銀仁朗、浅村栄斗がBランクです。

 

ただし、人的補償でどんな選手も見返りに獲得できるわけではありません。

その年にドラフト指名されたばかりの新人選手は獲得できないほか、外国人選手も(登録上は日本人扱いの外国人も含め)対象外。そして、FA選手を獲得したチームが「あげたくない選手」にリストアップする28人が対象外になります。

この「あげたくない選手28人」が「プロテクト枠」と呼ばれる28人です。

 

つまり、野球のプロテクトとは、FA移籍の際に発生する人的補償で、流出させたくない選手を守る行為を指します。

プロテクトされなかった選手は「プロテクト漏れの選手」「◯◯選手はプロテクトから外れる」等の表現がよくされます。

 

また、人的補償が要求できる球団に対して「この選手たちがプロテクトした28人です」と知らせますが、その際に提出する書類を「プロテクトリスト」と呼びます。

プロテクト外しとは?

「プロテクト外し」は野球ニュース配信メディアによる造語ですが、プロテクトしなかった選手を指しているわけではありません。

プロテクト外しとは、人的補償の28人制限をかいくぐるための悪知恵です。

 

上原浩治は、プロ野球の全日程終了直後に左膝手術をしていたため、巨人が一旦自由契約を発表。

手術後の回復が確約されていないため「戦力に計算できる選手だけを出来るだけ支配下に登録したい」との思いを球団も本人に伝えていました。

 

その後、自由契約からわずか46日で再契約。経過が良好とは上原も発信しているものの、妙に短いように思えます。

そして、これが大問題なのですが、巨人は上原と再契約する数日前までに、人的補償の発生している西武と広島に対してプロテクトリストを提出しているのです。

 

つまり、巨人は上原を自由契約にしたことで人的補償の対象にならず、プロテクトする必要がなくなっていたのです。

上原をプロテクトしていたら、その分一人誰かを外さなければいけなかったはず。大きな1枠です。

 

自由契約になった選手には、基本的にプロ野球全球団が交渉に出向くことが可能です。上原本人も自由契約後は「12球団OK」の姿勢を表明していました。

しかし、結果を見ると巨人がプロテクトリスト提出直後に上原と再契約。しかもエース菅野の背番号が19から18に変更で、上原がエース時代にずっと付けていた19番をわざわざ空けていたあたり、怪しすぎます。

さらにFA市場での巨人の乱獲モード。さすがに疑われても仕方がないレベルでしょう。

上原は人的補償逃れの疑惑を否定

上原はプロテクト外しが話題になるやいなや、すぐに自身のブログを更新。

タイトルは「契約」です。

本日、ジャイアンツと無事契約してきました。来年もジャイアンツで頑張ります!
どうなるか不安との戦いでしたが、キャンプでのテストをすることなく契約を
していただきました。
このことで、また訳の分からない憶測が飛んでますね (^^;;
自由契約になって、プロテクト外しが目的ではないかと...
球団がどう考えていたかは、自分には分かりませんが、何も裏はないですよ。
自由契約になってから、他の球団から話は無かったですし、ここでもし話があれば、
いろいろ考えることはあったでしょうね。

他の球団が話を持ちかけるには時期尚早だったのでは...と勘ぐってしまいますが、真相は闇の中です。

 

ただし、FA制度の人的補償の死角というか、抜け道となるヒントを知らしめてしまった形です。

ベテラン、特に球団にとって功労者となるような選手は、引退後のキャリアも考えるとプロテクトせざるを得ないもの。

28人と制限された中に有望な若手が入りきらない事態も考えられますが、「プロテクト外し」を使って一人でも多くの若手を守れるのなら...。

 

人的補償以外の方法でFA選手流出の補償を考えるなど、ルール改正の必要が出てきているのかもしれませんね。

 

 

以上、野球のプロテクトの意味や人的補償、プロテクト外しについての解説でした!