男子テニスの国別対抗戦・デビスカップ(Davis Cup)決勝ラウンドの賞金とポイントについてまとめています。
2019年から新フォーマットになったデビスカップ。旧方式で不満の多かった日程面が改善された形ですが、賞金やポイントの扱いはどのように変更されたのでしょうか。
デビスカップのポイント
デビスカップで獲得できるポイントについて先に説明します。
結論から言うと、現在はデビスカップの試合で勝利してもATPポイントが入りません。
「現在は」と書いたのには訳があって、以前(2009年〜2015年)は(少ないながら)ATPポイントが獲得できていました。
決勝戦に近くほど、そしてチームの勝敗がかかった試合に出場する選手ほど多くポイントが獲得できる制度でしたが、2015年を最後に廃止されました。
ただし、デビスカップを新フォーマットにするにあたってATPポイント付与も話題に上がっていたため、再び選手がポイントを獲得できるようになる可能性は残されていると言えるでしょう。
ちなみに、選手が受け取るATPのポイントとは別で、デビスカップには国のランキングを決めるポイントが設定されていますが今回は割愛します。
デビスカップ 決勝ラウンドの賞金
デビスカップ決勝ラウンドの賞金は、実は超高額です。
デビスカップの新フォーマットが採用されるにあたって、尽力したのが元バルセロナFC所属で元スペイン代表サッカー選手のジェラール・ピケ。
ピケは、2017年に楽天の三木谷浩史会長らとともに、スポーツ投資会社コスモス・グローバル・ホールディングスを創設し、自身がテニス好きというのもあってデビスカップの改革に積極的な姿勢を見せていました。
2018年2月には、国際テニス連盟(ITF)と25年・30億ドル(約3250億円)という破格のスポンサー契約を結びます。
(賞金はスポンサーから支給されるので)これによって毎年のデビスカップの賞金額も上げられる運びとなり、2019年の決勝ラウンドでの賞金総額も22億円にのぼると言われています。
決勝ラウンドの行われる1週間での賞金総額22億円は、ATPファイナルズ2019の賞金総額900万ドル(約10億円)をはるかに上回る金額で、2020年1月に初開催されるATPカップの1500万ドル(約16億2500万円)をも凌ぎます。
デビスカップの賞金は、選手に直接渡されない
さて、デビスカップの賞金が新フォーマットになって一気に増えたことが分かりましたが、多額の賞金のおかげでトップ選手たちを呼び戻すことに成功したのでしょうか?
答えはノーです。
なぜなら、デビスカップの賞金は選手が直接獲得できるものではないからです。
デビスカップの賞金は各国協会への分配金として支給されます。
選手に渡るお金は、協会が選手に還元した分の金額のみなので、どれだけの賞金が獲得できるのかは不明となっています。
今回、ジョコビッチやマレー、ナダルらがデビスカップ決勝ラウンドに出場、試合にも出ていることで話題になりましたが、それぞれオリンピック参加のためや来シーズンへ向けての調整、地元開催(国の名誉のため?)だからなどの理由ではないでしょうか。
とはいえ、賞金額が上がったことで、各国の協会に資金が渡り、選手育成などに生かされるのであればテニス界にとって歓迎すべき方向だと言えます。
新フォーマットになって賞金額も跳ね上がったデビスカップ。
スポンサー契約期間の今後25年のうちに、どのようにルールや賞金が変わっていくのかにも注目していきたいと思います!
以上、男子テニスの国別対抗戦・デビスカップ2019(Davis Cup)決勝ラウンドの賞金とポイントについてでした!