テニス解説などで、たびたび登場するプレースメント(プレイスメント)という言葉。
「最高のプレースメント」「プレースメント重視」といった使われ方をする、テニス用語の1つです。
今回は、テニスのプレースメントについて、簡単にまとめています。
プレースメントとは、ざっくり言うと「コントロール」のこと!
プレースメントとは、ボールをどの場所に配球するかを表す言葉です。
英語ではPlacementで、主に「配置」を意味する単語ですが、各種辞書で調べると次のような意味が出てきます。
〔テニス〕プレースメント ((相手がとりにくい場所へのショット)).
三省堂ウェブディクショナリー
【テニス】 プレースメント 《相手が取りにくい,または取れない場所へのショット》.
〔テニスやサッカーなどの〕正確な[狙い通りの]ショット[打球]、プレースメント
狙ったところにコントロールする、スピードではなくコースを意識してショットを打つ際に、プレースメントという言葉が出てきます。
プレースメント重視というと、打球のスピードよりもコースを重視することです。
つまり、ざっくり言うと「プレースメント=コントロール」ということになります。
プレースメントの精度が最も求められるのはサーブ(サービス)
さて、テニスにおいてプレースメントが重視される場面に、自身のサーブ(サービス)が挙げられます。
テニスは基本的に対戦相手と打球を打ち合うスポーツですが、自分のリズムで自由に打てる数少ないシーンの1つがサーブです(あまりに時間をかけすぎるとダメですが)。
トスを上げる位置も自由なら、サーブを打つコース(プレースメント)も自由です。
上で引用した内容の通り、プレースメントと言うと「単なる良いコース」ではなく「相手が取りづらい(相手にとって嫌な)コース」の意味が含まれているように感じます。
サーブで言うなら、センターライン上へのフラットサーブなどももちろん含まれますが、浅い位置でバウンドしてワイドへ切れていくスライスサーブの方が「最高のプレースメント」と言うに相応しいサーブです。
スローモーションですが、ミロシュ・ラオニッチのスライスサーブです。
素晴らしいプレースメントなので、ノバク・ジョコビッチは触ることができずエースになりました。
イメージとしては、スピードはそこまで出ていないけれど、触れない or ミスをしてしまうような打球が、プレースメントの良いショットの代表格ということになります。
テニスは紳士のスポーツと言うけれど...
紳士のスポーツと言われるテニスですが、相手の嫌がる、取りにくい打球を多く打てるプレーヤーが、強くて勝てるプレーヤーです。
ラケットの性能が上がったこともあって、サーブでもストロークでもスピードが速いだけだと簡単に返球されてしまいます。
そこで大事になってくるのが、プレースメントというわけです。
実際には、単にどの場所へ打つかよりも、どんな球種で、どんなタイミングで、どこに打って、打った後にどう動くか(どこに返ってくるか予測する)まで、瞬時に考えながらコート上でプレーしています。
サーブを打つ時でも、レシーバーの立ち位置、これまでの試合の中での配球分布(もちろん正確ではないでしょうが)、サーブ後の組み立てなど、頭をフル回転させながらのプレーです。
相手がいないところにひたすら打っていれば勝てそうなのに、そう一筋縄ではいかないのがテニスの面白くて奥が深いところ。
無数のかけ引きがコート上で繰り広げられています。
観戦される際には、ぜひ打球のプレースメントにも注目してみてください。
以上、テニスのプレースメントについてでした!