「ミルキーはママの味」と聞くと、あのメロディーに乗せてつい口ずさんでしまいますよね。
不二家の看板商品として絶大な人気を誇るミルキー。
愛くるしいミルキーのキャラクター「ペコちゃん」とセットで、まさに会社の顔です。
ところで、なぜ「ミルキーはママの味」なのか、理由はご存知でしょうか?
そもそもママの味とは一体何の味を指しているのでしょうか?
今回は、ミルキーはママの味というネーミングの理由と意味についてまとめています。
ミルキーがママの味である理由は「初代社長の夢」
ミルキーがママの味である理由は、不二家の初代社長・林右衛門の夢が原点です。
戦後間もない昭和24〜25年頃、彼は水アメと練乳を結び付けた「全く新しい美味しさ」で「豊富な栄養」を含んだお菓子を「低価格で」作ろうと思い付きます。
彼が思い描いた夢は、貧しい子どもたちにホッペが落ちるくらい美味しいお菓子を届けることだったのでしょう。
新製品の対象はもちろん幼児。キャッチフレーズを「ママの味」にする構想が既に彼の中では固まっていたようで、丸2年もの間試行錯誤を繰り返します。
目指したママの味とは、母親の愛情を表すようなやわらかい味、母乳のなつかしさを感じさせるような味。
開発段階ではジョッキーという名前でしたが、牛乳そのままの味を生かしたというイメージを大切にすべく昭和26年(1951年)の完成時に発表された名前はミルキー。
「これまで誰も手をつけていない独特の味を創造したい」という彼の想いが、そのまま形になったお菓子がミルキーです。
ミルキーがママの味である理由は、不二家の初代社長が目指したママの味を実現させたお菓子がミルキーだからです(そりゃそうだ)。
「母乳のなつかしさを感じさせるような味」とは?
確かにミルキーの独特の甘さは「母親の愛情を表すような味」を表している気がします。
しかし、気になるのが「母乳のなつかしさを感じさせるような味」。
もしかしてママの味とオブラートに包んで表現しているだけで、実際は母乳の味なのではという仮説が頭に浮かびます。
そもそも母乳はどんな味なのでしょうか?
子育て世代なので身近に良い物を発見しました。
「明治ほほえみ」のミルク缶。
缶の側面にハッキリと『「明治ほほえみ」はまた一歩、母乳に近づきました』との文字が。これは期待出来そうです。
いつもミルキーっぽい甘い匂いを発する明治ほほえみを少し拝借すると...ミルキーを液体状にしたような味わい!
「世の赤ちゃんはミルキーを液体状にしたものを母親から直接恵んでもらっているんだ!」と妻に興奮気味に伝え、ミルクと母乳の味の違いを検証してもらうことに。気になる結果は...
「母乳もほのかに甘い気はするけど、全然美味しくなくて薄い牛乳のよう」だそうです。
ミルキーも明治ほほえみも、あくまで母乳をイメージしつつ、味わい重視で作られているみたいですね。
ミルキーのママの味=母乳の味ではなかった!
「ミルキーはママの味」に隠された本当の意味は、実は「ミルキーは母乳の味」だった...!というのは間違いでした。
不二家も公式ページで解説していました。
ミルキーは北海道の厳選されたしぼりたてのミルクから作られた濃厚なれん乳を使って作られています。
このお母さんの愛情や母乳のなつかしさをイメージしたキャッチフレーズで、発売当時(1951年(昭和26年))から親しまれています。
ミルキーはママの味の意味はあくまで、母親の愛情や母乳の懐かしさをイメージしたキャッチフレーズだと主張されています。
初代社長のミルキー開発秘話とは微妙にニュアンスが違っている点が気になりますが...ミルキーが優しい甘さで今日も美味しいことに変わりはありません!
なぜミルキーはママの味なのか、本当の意味は何なのか。
分かったような分からないような何とも不思議なこの感覚は、ミルキーの甘さの表現の難しさと共通しているのかもしれませんね。
以上、半世紀以上も愛され続けている不二家のミルキーについてでした!