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ジョコビッチの強さは「ディフェンス」と「弱点がない」だけじゃない!

    2017/01/23

2015年以降あまりに1人だけ強いので、1強時代と表現されているノバク・ジョコビッチ。

錦織の2016年4月5日時点での対戦成績は2勝7敗で、2014年全米準決勝での大金星以来は勝てていません。

ニュースなどで度々言われるのが「世界一のディフェンス」「弱点がないという強さ」

どちらも何だかあやふやな言葉な気がするのは僕だけでしょうか…。

もちろんその2つは強さの大きな要因ですが、それ以外にもまだまだあります。

今回はジョコビッチの強さの秘密について、詳しく具体的に見ていきます。

以下、2015年のスタッツを参照して解説していきます。

※スタッツとは、選手のプレー内容に関する統計数値のことで、ここでは2015年の1年間試合をした中で、結果として残っている様々な成績のことです。

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ジョコビッチのサーブ:セカンドサーブの質が非常に高い

ジョコビッチのセカンドサーブは質の高いスピンサーブ(キックサーブ)です。

これは対戦相手のユルゲン・メルツァーがあんまりやる気ない感じなので微妙ですが…(苦笑)

きちんとリターンしようとしてもこれだけキックするサーブをリターンするのは簡単ではありません。

2015-2nd-serve-points-won

2015年は、セカンドサーブポインツウォン(自分のセカンドサーブ時にポイントを取れる確率)が、60%という異常な数値でした。

一般的にセカンドサーブは速度も落ちてサーブの威力が落ちるので、レシーバーは攻撃的なリターンが可能になります。

その結果、ポイントを取りづらくなります。

 

そんなセカンドサーブ時のポイント取得率が、ビッグサーバーのジョン・イズナーやミロシュ・ラオニッチ、イボ・カルロビッチを抑えて堂々の1位です。

ちなみに、ロジャー・フェデラーが4位にいます。フェデラーはセカンドサーブの球種が多い(スライスサーブ、トップスライスサーブ、キックサーブ)上、プレイスメントの打ち分けも自在なのでサーブが読みにくいためです。

 

錦織は55%で11位でした。錦織はサーブ、特にセカンドサーブが弱点だと言われて久しいですが、抜群のストローク力でカバーしているのだと考えられます。

 

ジョコビッチはファーストサーブポインツウォンは74%で24位と決して高くはないのですが、高い確率でファーストサーブを入れてくる(66%で5位)ので、レシーバーからするとなかなか攻撃的にはいけない相手です。

そして、セカンドサーブになっても攻撃的にいけなくて、平均60%の確率でポイントを取られます。

これでは、対戦相手はなかなか試合中に勢いに乗ることができません。

 

まとめると、ジョコビッチのサーブは圧倒的な迫力こそないものの、攻略が難しい隙のないサーブと言えます。

 

ジョコビッチのリターン:世界一のリターンで相手をどんどん追い詰める

「ジョコビッチ=鉄壁の守備の人」だけでは真実ではありません。

なぜなら、ジョコビッチは誰よりも攻撃的なリターンを持っているからです。

 

リターンでのポイント獲得率は、ファーストサーブ時・セカンドサーブ時とも世界第1位です。

つまり、相手サーブをブレイクしまくる選手という訳です。

2015-1st-serve-return-points-won↑ファーストサーブリターンポインツウォン。BIG4が全員5位以内なのは、経験値からくる相手サーブへの読みの良さが影響しているのでしょうか。

2015-2nd-serve-return-points-won↑こちらがセカンドサーブリターンポインツウォン。ジル・シモンが渋く4位にランクイン。ちなみに5位は54%でトマーシュ・ベルディヒ。6位は54%で錦織でした。

 

ジョコビッチ相手に先にブレイクをしたとしても、絶対優位という訳ではありません。

画像は省略しますが、リターンゲームでも34%の確率でゲームを獲得します。

 

つまり、3回に1回以上ブレイクされてしまう計算です。これは恐ろしいことです。(ちなみに、ダビド・フェレールも34%の高確率ですが、フェレールは自身のサービスゲームのキープ率が80%と低く、一方ジョコビッチは89%のキープ率でした。)

 

仮に自身のサービスゲームがブレイクされても、すぐにブレイクバックできるという自信があるのでしょう。

そして実際にブレイクバックし、相手のメンタルにダメージを与えます。

 

ジョコビッチのストローク:世界一のバックハンドの安定感

djokovic-backhand

現役で一番バックハンドが優れているのは?と聞くと、

スタニスラス・バブリンカの片手バックハンド?
リシャール・ガスケの天才的な片手バックハンド?
いやいや、フェデラーの片手バックハンドも捨て難い…。
実は錦織の両手バックハンドは世界一なのでは…?

と色々と出てきそうですが、

残念ながらジョコビッチの両手バックハンドが世界一だと思います。

 

あまりにミスをしない上、どこからでもコースの打ち分けが出来るからです。

高い打点であろうと低い打点であろうと全く苦にしませんし、形が崩れません。

以前、WOWOW動画でも坂本 正秀さんがジョコビッチのバックハンドの秘密を解説していました(現在は残念ながら公開されておりません)。

 

アンディ・マレーも世界最高のバックハンドは?と聞かれると真っ先にジョコビッチの名を挙げていました。

 

フォアハンドを左右に打ち分けてじわじわ相手を追い詰めるイメージが強いジョコビッチですが、実はバックハンドの安定感が凄まじく、結果としてストローク全体の安定感に繋がり相手へのプレッシャーとなります。

 

ジョコビッチのコートカバーリング:読みとフットワークの良さ+柔軟性とクレーコートでのスライディング

先程のバックハンドの画像で思ったはずです。

体柔らかすぎでしょ!!!と(笑)

ジョコビッチはほぼ180度開脚しながらボールを拾いに行けますし、クレーコートでのスライディングショットは攻撃と防御を共存させた素晴らしいショットです。

元々相手のショットに対する読みも良く、加えてフットワークも良く、さらに加えてフットワークを強化している体の柔軟性とスライディング。

ナダルが元気ないので、現在世界一ボールを拾いまくるテニスプレーヤーはジョコビッチで間違いありません。次点はマレーです。

錦織も長いラリーになるとポイントが取れないと表現していました。

取れないコースがどこにあるのか分からなくなるほど拾うため、ジョコビッチ相手だとどこに打っていいのか分からなくなり、アンフォーストエラーが増えてしまいます。

 

ジョコビッチのメンタル:ただのメンタルモンスター

「イチかバチかで目を瞑ってリターンした」みたいな事を言った事があります。

これは、2011年全米オープン準決勝での対フェデラー戦でのこと。

フェデラーサーブでフェデラーにマッチポイントが2本ある絶体絶命の状況で連続でリターンエースを決めた場面を、試合後に振り返ったジョコビッチのセリフです。

フェデラーが試合後に「どうして自分が負けたのか分からない」とまで表現した、信じがたいポイントでした。

 

テニスのトッププロの条件として、「厳しい場面ほどパフォーマンスが向上する」というのがありますが、ジョコビッチは完全に当てはまります。

追い詰められるほど、極限の中で集中力が増してゾーンに入ります。

ゾーンに入ったジョコビッチは、実況も解説も叫んでしまうほど信じられないプレーを見せます。

ギャンブルのような博打的な作戦で相手に襲いかかります。

メンタルモンスターという言葉は、ジョコビッチのためにあると言っても過言ではありません。

 

テニス選手の中では、ジョコビッチとフェデラーのメンタルの強さは驚異的です(元々はナダルもその中にいましたが…最近元気がなくて寂しい限りです。残念ながらマレーはBIG4の中では一番メンタルが弱い選手です)。

 

以上、長々となってしまいましたが、ジョコビッチは単純に「弱点がない」のではなく、強みがたくさんあるから強いんです。

そのたくさんある強みの一つ一つが目立たなくて、相手に見えないプレッシャーとして襲いかかるから余計に厄介なのかもしれません。

2016年シーズンは初めの4ヶ月間で、まだ2回しか負けていません。

2月のドバイでフェリシアーノ・ロペスに棄権負け(アレルギー性の目の炎症が原因でした)したのと、4月のマスターズ・モンテカルロ大会でイリ・ベセリに敗れた2回です。

 

最近では、2005年のフェデラーが81勝4敗という驚異的な年間成績を残しましたが、それにどこまで近づけるか、はたまた超える記録が生まれるのか注目です。

※諸説ありますが、歴代最高成績は1984年マッケンローの82勝3敗です。

 

★他のテニスプレーヤーについても、ちょこっとまとめています。

トマーシュ・ベルディヒが空気である理由+彼の魅力 – トマーシュ・ベルディヒ

ニック・キリオスのテニスの魅力(楽天オープン&ATP500初制覇) – ニック・キリオス

ガエル・モンフィスは覚醒できるのか【抜群の身体能力・残念なメンタル】 – ガエル・モンフィス

リシャール・ガスケの錦織キラーぶりは終了するのか【苦手ガスケに初勝利】 – リシャール・ガスケ

フェデラーの全盛期を思い出そう! – ロジャー・フェデラー

 

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