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リシャール・ガスケの錦織キラーぶりは終了するのか【苦手ガスケに初勝利】

    2016/11/19

2016年5月のムチュア・マドリッド・オープン(ATP1000:マスターズ大会)で、錦織 圭は3回戦でフランスのリシャール・ガスケに勝利しました。

これがガスケにとって対錦織の初黒星となりました。

それまでは6連勝を飾っていたガスケ。
ランキングから考えると、明らかにガスケの実力が上という訳ではありません。

しかし、錦織にはガスケに対しての苦手意識があるようにも感じます。

「相性」という言葉で片付けるのは簡単ですが、苦手意識の原因をもう少し細かく見ていきます。

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ガスケといえば「天才(肌)」。どこが天才かというと…

まず簡単にガスケについて触れることにします。

ガスケはジュニア時代には、ラファエル・ナダルよりも才能があると称されていたほど将来が期待されていた選手でした。

実際、13歳当時の直接対決ではガスケに軍配が上がっていました。
【動画】13歳のガスケ VS ナダル(6-7、6-3、6-4)

今でもなお「天才」と言われ、一目置かれているのは、ガスケの片手バックハンドです。特に、バックハンドのダウンザラインはツアー屈指の威力です。

羽ばたくような躍動感のある独特のフォームから、多彩なショットを繰り出します。

 

バックハンド以外は、バランス良くレベルが高い。

murray_gasquet

しかし、特徴のあるバックハンド以外には、目立った武器と呼べるものはありません。

強いて挙げるなら、バックハンドの組み立てを中心とした戦術面でしょうか。

バックハンドはスライスにもキレがあります。
アングルショットも器用に狙えます。
なので、バックハンドの打ち合いになった場合でもリズムを自在にコントロールし、ダウンザラインのウィナーパターンに持ち込めます。

サービスやフォアは相手の脅威にはならずとも、簡単に隙を見せない強さがあります。

まとめると、ガスケは全体的にバランスが良く(レベルが高く)、特にバックハンドが武器の選手、ということです。

ちなみに、シングルス最高位は2007年7月9日の7位です。

 

ガスケの弱点はフィジカル(スタミナ)とメンタル。

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そんなガスケにも弱点(欠点)があります。

それは、フィジカル面とメンタル面です。

よく「ガスケがガスケツ(ガス欠)した」と揶揄されるのですが、長時間の試合になると結構な確率で負けている印象です。

メンタル面は、大事な場面でのイージーミスや、長時間の試合・ラリーでのポイントロスが多いように、集中力の持続が長年の課題です。

恐ろしいほどの才能に恵まれたガスケが、最高位7位に甘んじているのも、フィジカル面とメンタル面の問題によるものだと言えます。

すごく意外ですが、マスターズはおろかATP500ですらタイトルがない状態です(2016年5月時点)。

ATP250のみで13勝していますが(2016年5月時点)、実力やポテンシャルからすればマスターズでタイトルを獲得していても不思議ではありません。

 

なぜ錦織には強いのか。考えられる原因と今後の予想。

ここまでテニスプレーヤー・ガスケの特徴について述べました。

さて、それではなぜ錦織に対して自信を持ってプレーしているのでしょうか。

 

考えられるのは、錦織がガスケのバックハンドの多彩さを引き出してくれる相手だから、ということです。

錦織は、ストローク戦で優位に立って試合を制していくスタイルです。

特にバックハンドは殆どスライスを使わず、クロスを中心とした攻撃的な組み立てが特徴です。悪く言うと緩急があまりない単調なバックの組み立てです。

これが、ガスケにとっては都合の良い相手となってしまいます。

前述の通り、ガスケのバックハンドは多彩で、強烈なトップスピンのショートクロスもフラットショットもスライスショットも打ち分けられます。
また、打つ直前までコースが読みづらいフォームなので、相手が逆をつかれるケースも多々あります。

なので、バックの打ち合いの中でラリー展開を組み立てられるのはガスケということになります。

ガスケのバックの返球が甘くなることは少なく、錦織が無理をしてダウンザラインを仕掛けるかフォアに回りこむ場面が増えます。
錦織のショットが甘くなるとカウンターを食らいますし、いちかばちかで攻めてしまうとアンフォーストエラーが増えます。

こうした悪循環に陥ると、形勢はガスケに傾いてしまいます。

そして、勢いに乗ると手がつけられないバックのダウンザラインを自信を持って打ち込んでくるので、より劣勢となってしまう訳です。

 

しかし、今回錦織はガスケに勝利しました。(追記:次戦でも快勝しました。)

試合を振り返ると、錦織のアグレッシブなプレーが印象に残りました。

バックの打ち合いになっても、少しでもコースが甘ければフォアに回り込んで強打していましたし、ドロップやネットプレーも先に仕掛けていました。

ガスケにラリーの主導権を渡さないように、今後の対戦でも同様の仕掛けが必要と言えます。

一方ガスケからすると、今回のサーフェスがハードよりは苦手な球足の遅いクレーだったことも敗因の一つのはずです。ハードコートだと、錦織に回り込ませずバックの打ち合いに持ち込めるでしょう。

 

まだガスケの方がランキング上位だった頃に4連勝していたので、実力拮抗後は実質2勝2敗です(今では錦織のがランキングが上なので、実力拮抗ではないかもしれませんが…)。

相性の問題もあり、今後も五分五分の接戦が予想されます。

錦織が攻撃的ストローク+ドロップを含む多彩な戦術で主導権を握るか
ガスケが得意のバックハンドを起点として主導権を握るか…

両者ともストロークに重きを置いたオールラウンダーだけに、ラリー展開に注目です。

 

 

最後に、ガスケのバックハンドの恐ろしさが分かる動画を貼っておきます(笑)

これは2013年全米オープン準決勝の動画です。
ナダルにストレートで破れますがバックの強力さは目を見張るものがあります。

リシャール・ガスケ選手 直筆サイン入り記念フォトパネル

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