全豪オープンが閉幕し世間のほとぼりが冷めつつある中、毎年2月に行われるATP250大会の1つ、エクアドル・オープン

一般的にはあまり注目されない大会ですが、コアなテニスファンにとっては "全豪後の楽しみ" と言ってもいいほど特別扱いされる大会です。

 

2014年まで行われていたチリ・オープンに代わり2015年から新設されたエクアドル・オープン。

エクアドルの首都・キトで行われている大会で、一見何の変哲もないように見えますが...?

 

今回は、エクアドル・オープンの特殊すぎる実態についてまとめてみました。

画像提供:gettyimage

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ブルゴスが大会3連覇中、ちなみに彼のツアー優勝回数は...

実は2015年の創設以来、エクアドル・オープンでは歴代優勝者が1人しかいません。

つまり2015年から2017年まで無敗という、キトで最強を誇るテニスプレーヤーが存在しています。

 

彼の名はビクトル・エストレーリャ・ブルゴス

2015年にエクアドル・オープンでツアー初優勝を果たした時の年齢が34歳6ヶ月と、(当時の)最年長記録を打ち立てたことで一気に注目されるようになりました。

(その後、パオロ・ロレンツィが34歳7ヶ月でツアー初優勝を飾ったため、記録は更新されています)

 

ブルゴスは他の大会ではあまり目立った成績を残せず、チャレンジャー大会を巡る時期も多い選手なのですが、キト入りすると一変してただの最強キャラに。

ノーシードで優勝した2015年に続いて、第5シードとして出場した2016年にも優勝でV2。

 

ノーシードに戻ってしまった2017年は、準々決勝(2回戦)で第1シードのカルロビッチ大先生と当たってしまう鬼ドローでしたが、6-7(5-7)  7-6(7-5)  7-6(10-8)と "これしかない" 勝ち方で見事撃破。

準決勝のベルッチ戦もタイブレークばかりでしたが、7-6(7-4)  7-6(7-3)で競り勝ち、高齢ツアー初優勝対決となった決勝・ロレンツィ戦でも6-7(2-7)  7-5  7-6(8-6)と接戦を物にしてV3を達成しました。

 

ブルゴスのATPツアーキャリア戦績は82勝74敗(2018年大会開幕前)なので、キャリア勝利数の約2割の15勝がエクアドル・オープンで挙げたものという偏り具合です。

毎年フェリシアーノ・ロペスやベルッチら強豪も多数出場している大会なので、周りが弱くて優勝しているのではなくブルゴスが強くて優勝していることになります...。

 

そんなブルゴスのツアー勝利数は3勝。

言わずもがなですが、ツアー優勝は全てエクアドル・オープンでのものです。

2018年は同一大会4連覇がかかっています。

高山病の心配があるほどの高地での試合

どうしてブルゴスがエクアドル・オープンでだけ強いのかは謎に包まれていますが、大会の特殊すぎる事情が彼に力を与えている可能性があります。

その特殊すぎる事情とは、キトの標高です。

 

かつて「ATPワールドツアー各大会の標高まとめ」として、実際に試合をするテニスコートの標高を測ったことがありました(完成までの道のりは長い)

そこで知った驚愕の事実...

 

なんと、エクアドル・オープンの試合は標高2,930mという異常な標高で行われているのです。

(八ヶ岳の最高峰である赤岳が2,899mなので、いかに異常かが分かります)

 

これだけの高地だと当然、空気の薄さに苦しめられますし、(たとえ高地用のボールが使われているとしても)打球の感覚は平地の時とは大きく異なるでしょう。

※ATPの試合で使用されるボールの規定に "high altitude"(高地) という記述があるので、おそらく高地用のボールが使われているはずです。

 

普通は適応するのに苦労するはずですが、どういうわけかブルゴスにとっては好都合なようです。

他の選手が四苦八苦している中、ブルゴスだけは水を得た魚のように躍動しているのがエクアドル・オープンの実状です。誰が彼を止められるのか状態...

伊達公子も苦しんだ高地でのテニス

かつて伊達さんが、2015年4月にコロンビアのボゴタで行われるクラロ・オープン・コルサニタスに出場していた際に綴ったブログ記事があるのでご紹介します。

ちなみにボゴタも標高2,600mと、キトに負けず劣らずの高地です。

Bogotaは空港から街中どこも標高2600mなんだそうです。
こんなに高いところは初めて過ごすのですが…
(ネパールに行った時に山のホテルに泊まったときは確か1500mくらい)

なんだか空気を吸ってるだけで体が重く、だるく、頭痛が軽くしてる感じ。
耳も常にツーンとしてるかんじ。 あまり心地よくない感じ。

飛行機を降りた瞬間から、違和感があったようです。花粉症に悩まされていたのも辛そうです。

というわけで、明日からの練習が1番の課題。
ボールがどれだけ飛んじゃうのか?
心肺がどれくらいで慣れれるのか?
そして早く花粉症の症状が消えて欲しい…

不安の中、翌日に練習をしてみると...

話に聞いていた通り、ボールが飛ぶ!
予想外な飛び方する。
打ったら打ったで急に半端なくボールが吹っ飛んでいく。
コントロールしようとしても急に半端なくボールが吹っ飛んでいく。
ほんとに吹っ飛んでいくって感じ。
でもみんな同じ感じでスピンを多くかけるからってボールが 飛ばないわけじゃないみたい。
真ん中で打ちあっていてもおかしいくらいラリーにならない。

さらに次の日にはこんな内容が...

練習を1時間。 昨日よりどうしてだかきつく感じた。
相変わらず、練習したプレイヤーと二人して ボールがまとまらず、アウト連発。
ときどき、1球目の球出しからアウトすることも。
最後25分位はゲーム練習。
終わって椅子に座っていると、微妙に手が震えてる。
練習の最中から、軽い頭痛がし始め、耳が遠くなり、息も苦しい状況はあった。
終わってすぐにドクターのところで 状況を話し、血圧、熱、脈と計ってみるものの
問題はないので、やはり標高のせいだろうとのこと。

高地でのテニスがいかに特殊なものかが、その文面から伝わってきます。

残念ながら初戦敗退だったようですが、ただの敗戦以上に負ったダメージは大きかったと思われます...。

ベテラン選手にとって「高地=過酷な場所」であることは間違いなさそうです。

 

ブルゴスは今年の8月で38歳になるので、ベテランの中でも特に高齢で...って一体どうなってるんだブルゴス!?

 

ブルゴスが強い理由は不明のまま、4連覇に向けて視界良好

結局、どうしてブルゴスがキトで強いのかは謎なままですが、4連覇に向けて好スタートを切っています。

初戦で、通算4度目の対戦となった難敵ベルッチ(キト以外では対戦が無いので、4年連続でブルゴスと対戦w)に逆転勝利をあげて、連勝を16に伸ばしました。

 

ブルゴスは今年もノーシードでの出場で、カレーニョ・ブスタ、ラモス・ビニョラス、モンフィスらがトップシードということで厳しい戦いが予想されます。

が、

3回戦で当たる第2シードのラモスとは、実は2016年にキトで対戦経験があり6-2  7-6(7-5)で一蹴しています。

シード順など、キトのブルゴスの前では無力ということです。

順当にいくと準決勝でモンフィス、決勝でカレーニョ・ブスタか(またもや)ロレンツィとの対戦となりそうですが、経験の差が大きく出てしまいそうです。追い風はブルゴスに常に吹いています。

 

ATP公式ニュースでも "King Of Quito"(キトの王者)とタイトルが付けられていたブルゴス。

初戦の難関突破で、一気に視界が開けたと言っても過言ではありません。

ブルゴスのキト20連勝、そして史上初の4連覇(ツアー通算4勝)という偉業達成の瞬間を見守りましょう!!

 

以上、エクアドル・オープンとブルゴスの特殊すぎる実態についてでした!

 

(追記)ブルゴス、2回戦でついに負けてしまいました😂

キトでの連勝は16でストップ、ランキングも一気に130位以下まで落ちる見込みです...。

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