太陽フレアが原因で、日本各地でオーロラが見られており話題となっています。
なぜ太陽フレアがオーロラを発生させるのか。2025年はいつどこで日本からオーロラが観測できるのか。
そのあたりを記事にまとめています。
昨夜(5/11)、青森県で撮影したオーロラの写真をつなげて動画にしました。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) May 12, 2024
20:18〜20:43の約25分間の天空の様子が250倍速で再生されます。
ゆらめく赤や紫の光がオーロラです。
左の明るい輝きは月。飛び交う線状の光は人工衛星や飛行機です。 pic.twitter.com/bKzfEBJJ8u
目次
なぜ太陽フレアでオーロラ発生?
太陽フレアがどのようにして地球でのオーロラを引き起こすのか、その過程をステップごとに見ていきましょう。
太陽フレアからオーロラが発生するまでの過程は、以下の4つのステージに分けられます。
- 太陽フレアによるプラズマの放出
- 太陽風と地球の磁場との相互作用
- 磁気圏でのエネルギーの蓄積
- 大気中での発光現象
これらの各段階を詳しく解説していきます。
太陽フレアによるプラズマの放出
太陽フレアは太陽の表面で発生する爆発的な現象で、大量のプラズマが宇宙空間に放出されます。
このプラズマは高温のイオンと電子で構成されており、太陽からの強力なエネルギーを含んでいます。
プラズマの放出により、太陽風が生成され、これが地球に向かって流れてきます。
太陽風と地球の磁場との相互作用
地球に到達した太陽風は、地球の磁場と相互作用を始めます。
この相互作用により、地球の磁場が圧縮されたり、一部が変形したりする現象が起こります。
特に、地球の磁場の変動が激しい時、磁気再結合が発生し、磁気エネルギーが解放されます。
このエネルギーが次の段階へとつながります。
磁気圏でのエネルギーの蓄積
地球の磁気圏内でエネルギーが蓄積される過程が、オーロラの直接的な原因になります。
磁気再結合によって解放されたエネルギーは、地球の高緯度地域に沿って移動し、磁気圏の内部で粒子を加速します。
これにより、プラズマ粒子が地球の大気上層部に向かって高速で移動するようになります。
大気中での発光現象
エネルギーを持った粒子が地球の大気と衝突すると、オーロラとして知られる発光現象が起こります。
大気中の酸素や窒素といったガスが粒子のエネルギーによって励起され、それが元の状態に戻る際に光を放出します。
この光が、地上から見ると幻想的なオーロラの光景となり、観測者にとっては壮大な自然のショーとなります。
今日未明に福島県鹿角平で撮影した低緯度オーロラ。薄明前の午前2時50分頃、爆裂に出現しました。
— Yuji Shibasaki@Photo (@Yuji_48) May 12, 2024
北天に輝く天の川と共に、人生初のオーロラは大興奮でした。#オーロラ #オーロラシチズン pic.twitter.com/8p4gFwVxU1
オーロラの強さ・観測値は太陽フレアが関係?
太陽フレアとオーロラの関係性は上記の通りですが、活動の仕方によって発生するオーロラの強さや場所が変わります。
太陽フレアによるオーロラ発生のポイントは次の3つです。
- 太陽フレアの強度がオーロラの強さを左右する
- 太陽フレア発生の地点がオーロラ観測地に影響する
- コロナ質量放出がオーロラ発生を促進する
太陽フレアの強度がオーロラの強さを左右する
太陽フレアのエネルギーが強いほど、地球上で観測されるオーロラも強くなります。
太陽フレアは太陽の表面で突然エネルギーが解放される現象で、このエネルギーが地球の磁場と相互作用を起こすためです。
実際に、強い太陽フレアが観測された後には、以下のような強いオーロラが出現します。
- 北極圏や南極圏で特に鮮やかなオーロラ
- 中緯度地域でも稀に見られる明るいオーロラ
- 地球全体で磁気的な影響が観測されることも
強いフレアは単に美しいだけでなく、地球の電子機器に影響を及ぼし、地球上で生活する私たちの人体にも影響する可能性があると言われています。
つまり、より強い(ハッキリとした)オーロラを体験するためには、太陽フレアの活動を追跡することが大切です。
太陽フレア発生の地点がオーロラ観測地に影響する
太陽フレアが発生する地点によって、地球上のどこでオーロラが観測されるかが変わります。
特に太陽の赤道に近い部分で発生するフレアは、地球の低緯度地域でオーロラが見られる可能性が高くなります。
具体的には、以下のような観測があります。
- 赤道付近でのフレア活動が活発な時期には、熱帯地方でオーロラが観測されることも
- 通常は見られない地域でのオーロラ観測は、太陽活動の位置に依存している
太陽フレアの発生地点を知ることで、オーロラの観測計画を立てやすくなります。
コロナ質量放出がオーロラ発生を促進する
コロナ質量放出(CME)は、太陽フレアと並んでオーロラ発生に大きな影響を与える現象です。
CMEとは太陽のコロナ部分から大量のプラズマが宇宙空間に放出されることで、これが地球に到達すると強力なオーロラが発生します。
例として以下の点が挙げられます。
- CMEが地球に到達すると、地球の磁場に乱れを引き起こし、広範囲でのオーロラが観測される
- CMEの影響で通信障害や電力網への悪影響が出ることも
CMEによるオーロラは非常にダイナミックで、観測する価値があります。
岩手県八幡平山頂にて撮影したオーロラのタイムラプス動画になります📸
— Koki Ueda (@fuehrsn) May 12, 2024
うっすらと天の川も写っているのも見えますね🌟
2024年5月11日 23時ころ pic.twitter.com/pmgbR3nOEg
2025年も日本でオーロラ観測ができる?何月頃がおすすめ?
2025年にオーロラを観測する絶好のチャンスがいくつかあります。
これからその時期を詳しく見ていくことで、あなたのオーロラ観測計画に役立てることができます。
2025年におけるオーロラ観測のチャンスは以下の5つです。
- 春分の時期に観測チャンスあり
- 夏至にもチャンス、日照時間の影響を考慮する
- 秋分に強いオーロラが期待される
- 冬至近くの長い夜が最適
- 太陽活動のピーク時を狙う
それぞれの時期について、詳細を説明していきます。
春分の時期に観測チャンスあり
春分の頃は、地球の磁場が太陽風に対して適切な位置にあるため、オーロラが観測しやすくなります。
この時期は、地球の軌道と磁場の位置がオーロラ発生に最適な条件を作り出します。
実際に、春分の周辺では以下のような観測が多く報告されています。
- 北半球と南半球で均等にオーロラが見られる
- 明るく鮮やかなオーロラが多く、観測者にとっては見逃せないチャンス
- 穏やかな気候で夜空を見上げやすい
春分の頃に計画を立てることで、素晴らしいオーロラを体験できる可能性が高まります。
夏至にもチャンス、日照時間の影響を考慮する
夏至の頃は日照時間が長いため、特に高緯度地域でのオーロラ観測が難しくなりますが、チャンスはあります。
日の出が遅く、日の入りが早い地域では、オーロラが見られる時間帯が限られます。
具体的には、以下のようなポイントが重要です。
- 北極圏や南極圏では白夜現象に注意が必要
- 日没後すぐの時間帯や、夜明け前の暗い時間を狙う
- 明るい夜空でも強いオーロラは見えることがある
夏の期間、適切な時と場所を選ぶことが成功の鍵です。
秋分に強いオーロラが期待される
秋分も春分と同様に、オーロラ観測に適した磁場の配置が期待されます。
秋はオーロラが非常に活動的になる季節で、多くの観測者が成功を報告しています。
秋分の時期には、特に以下の点が観測のポイントです。
- 昼夜の長さがほぼ等しく、安定した観測条件
- 気温が下がり始めるため、晴れた夜が多い
- 地球の磁場が太陽風に最適な角度で接するため、強いオーロラが見られる
秋の夜長を利用して、壮大なオーロラの観測を計画しましょう。
冬至近くの長い夜が最適
冬至の頃は一年で最も夜が長くなるため、オーロラ観測のチャンスが増えます。
特に北海道・東北など国内の高緯度地域では、長時間にわたってオーロラを楽しめる可能性が高まります。
冬のオーロラは特に以下のような特徴があります。
- 長い夜が観測時間を増やす
- 寒冷な気候が空気を澄ませ、視界が良好になる
- 冬のクリアな夜空は、オーロラの色彩を一層際立たせる
寒さに備えて、暖かくして素晴らしいオーロラのショーを楽しんでください。
太陽活動のピーク時を狙う
太陽活動の周期には約11年の周期があり、「2025年はその活動がピークに達する」可能性があると言われています。
太陽の活動が活発な時期は、オーロラの発生も頻繁で強力になります。
太陽活動のピーク時には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 太陽フレアやコロナ質量放出のニュースを追跡
- 活動的な期間を見計らって観測計画を立てる
- 磁気嵐の警報にも注意を払う
太陽の活動ピークは、オーロラ観測にとっては絶好のタイミングです。
つまり、2025年にもオーロラ観測の絶好の機会が訪れる見込みで、具体的には「春分頃と秋分〜冬至にかけて」チャンスがありそうです。
崇高なオーロラに包まれたモン・サン=ミシェル。ブレスト生まれの写真家マチュー・リヴランによって5月10日夜に撮影されたタイムラプス動画pic.twitter.com/x5NxEtaVXN
— Masayuki Tsuda (@MasayukiTsuda2) May 11, 2024
オーロラ観測のための準備4ステップ
オーロラを観測するための準備は計画的に行うことが成功の鍵です。
オーロラ観測に最適な条件を整えるためのステップを、ここで具体的に見ていきましょう。
オーロラ観測の準備には次の4つのステップがあります。
- オーロラ予報をチェックする
- 適切な観測装備を準備する
- 暗い場所を選ぶ
- 寒さ対策を万全にする
これらのステップに沿って準備を進めていきます。
オーロラ予報をチェックする
オーロラの活動は日々変動するため、観測前には最新のオーロラ予報をチェックすることが大切です。
オーロラの強度や観測可能地域についての情報は、専門の予報サイトやアプリを通じて入手できます。
⇒オーロラ・アラート(NICT宇宙天気予報センター公式)
予報をチェックすることで、観測しやすい時間帯・地点を把握しやすくなり、日常的にチェックしておくと突然のチャンスも逃さずに済みます。
適切な観測装備
オーロラ観測には特定の装備が必要です。
特に、以下のアイテムを準備しましょう。
- カメラと三脚:オーロラの写真を撮影するためには、長時間露出が可能なカメラが適しています。
- 暖かい衣類:夜間の寒さ対策として、保温性の高い衣類を用意します。
- 懐中電灯:暗い場所での移動や機材のセットアップに便利ですが、赤いフィルターを使用して視界を保護することも重要です。
暗い場所
オーロラをはっきりと観測するためには、光害の少ない暗い場所を選ぶ必要があります。
都市の明かりから離れた場所や、開けた自然の中が最適です。
暗い場所を選ぶことで、オーロラの薄い光も見逃さずに済みます。
寒さ対策
オーロラ観測は基本的に、寒冷な場所や季節に行われるため、寒さ対策が不可欠です。
- 保温性の高い服装を重ね着する
- ホットドリンクやカイロを持参する
- 防寒具(手袋、帽子、耳当て)を用意する
このような寒さ対策をしっかりと行うことで、長時間の観測が快適になります。
宇宙の神秘が生み出してくれる、幻想的なオーロラの観測に是非お役立ていただけたら幸いです。
以上、太陽フレアによるオーロラ発生の理由、2025年の日本での観測方法などについてでした!
マジでやばい。iPhoneで写真を撮る人に朗報です。3日前、世界各地でオーロラが観測された。その記念として『 Pro Cam8 』が1,500円→0円でダウンロードできるというから驚き。このアプリは細かな設定ができるので、純正カメラではムズかしい星空も撮影できる。でも…… pic.twitter.com/hPvtxS2ZWh
— のあ|写真とデザイン (@creator__noa) May 13, 2024