Mr.グランドスラム準優勝が板についてきていたアンディ・マレーが久々のグランドスラム、それもウィンブルドンでの優勝達成です!
決勝の相手はノバク・ジョコビッチでもロジャー・フェデラーでもなくミロシュ・ラオニッチ。
ラオニッチは準決勝でフェデラーを6-3 6-7(3-7) 4-6 7-5 6-3で破って初の決勝進出です。
何度もピンチに陥りながらも堪えて堪えて難敵フェデラーに勝利したラオニッチ。素晴らしいの一言です。
フェデラーは最終セットで足を痛めてしまい無念の敗戦でした、怪我が長引かないよう祈っておきます。
ラオニッチのこれまでの最高成績はグランドスラムベスト4(2014全英、2016全豪)だったので、一気にキャリアハイの躍進でしたが、決勝ではマレーに屈し準優勝に終わりました。
まずは、先にマレーの準決勝を軽くふれておきます。
ストレートで快勝し決勝進出!対ベルディヒ5連勝達成
準決勝の相手はトマーシュ・ベルディヒ。
対戦成績こそ8勝6敗と接戦ですが、ここ4試合は全て勝利をおさめています。
準々決勝を唯一ストレートで勝ち上がったベルディヒでしたが(ルカ・プイユに7-6(7-4) 6-3 6-2)、準決勝はマレーに終始圧倒されてしまいました。
結局マレーから見て6-3 6-3 6-3の空気スコアでの敗退となりました。
これでマレーは対ベルディヒ5連勝を達成です!
ちなみに、ベルディヒがこの敗戦で新たな記録を生み出しました。
それがこちら。
トップ10プレーヤーとの対戦の最多敗戦記録(115敗)樹立です...。
それだけトップ10プレーヤーとの対戦があるということなので、純粋に素晴らしいことなんですが...。
マレー、全英3度目の決勝で持ち味を存分に発揮!
マレーの前回のグランドスラム優勝は2013年ウィンブルドンで、ジョコビッチを6-4 7-5 6-4のストレートで破っての勝利でした。
今回はラオニッチということで、初のジョコ・フェデ以外が決勝の相手です。
(ナダルもないのが意外ですが、そういえばいつも準決勝でしたね)
ラオニッチはサーブが武器のオールラウンダーで、ジョン・マッケンローをコーチに招いてからよりネットプレーの精度が上がっている印象です。
強力なサーブに対してどれだけマレーのリターンが通用するかが焦点でしたし、少し心配していた点でもありました。
が、蓋を開けてみればリターンだけでなく、ラオニッチがネットに詰めた際のパッシングショットやアングルショットも見事冴え渡り、終始優勢でした。
2セット終了時点でブレイクポイントを与えない完璧な内容
第1セット6-4、第2セット7-6(7-3)で連取。
特筆すべきなのは、はじめの2セットでラオニッチにブレイクポイントが一度もなく、サービスエースもたったの4本だったことです。
ラオニッチほどのサーブを持っている選手が、4本しかエースを取れないなんて異常事態です。それほど、マレーのリターンが優れていたということです。
また、第1セットはマレーの1stサーブ%が75%(21/28)という最高の出来。少しスロースターターなきらいのあるマレーだけに驚きでした。
試合トータルで見ても、マレーの1stサーブ%は67%と高く(普段は60ちょっとが多い)、安定してサービスキープを続けていました。
唯一15-40となった第3セット第5ゲームも、ラリー戦に見事勝利。
試合を通じてラオニッチの足元へ落とすアングルショットや浅いスピンショットが効果的で、得意のネットプレーを不発に終わらせたのは大きかったです。
最後はラオニッチのバックハンドショットがネットにかかり、マレーの優勝が決定しました。
マレー VS ラオニッチのハイライト動画
Wimbledon公式のハイライト動画です。(2分27秒)
LGA-BLOGをはじめて以来、初のグランドスラム優勝です。
アンディ・マレー、本当におめでとうございます。
嬉しいのと、プレッシャーから解放されたのとで勝利直後に涙を流していたのが感動的でした。
思えば、フェデラー相手に1stセットを取りながらも、屋根が閉まってインドア化してから息を吹き返され、敗退した2012年のウィンブルドン。
なかなかスピーチで話すことができなかったマレー。
あの時に見せた涙は悔し涙でした...。
マレー、本当に本当に強くなりました。
スピーチも相変わらず風刺の効いた内容で素晴らしかったです。(コーチのイワン・レンドルをいじったり、ウィンブルドンの決勝の舞台に立って勝つのはイギリスの首相になるくらい難しいと表現したり...)
2週間お疲れ様でした。短い時間ですがリフレッシュして、北米ハードコートシーズン、リオオリンピック、全米オープンに備えてください。
第2シードのアンディ・マレーが見事2016年ウィンブルドン優勝を飾りました!