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2016年のウィンブルドン男子シングルスは準々決勝4試合が行われ、ミロシュ・ラオニッチ、ロジャー・フェデラー、トマーシュ・ベルディヒ、アンディ・マレーの4選手が4強入りしました。

ラオニッチはサム・クエリーとのビッグサーバー対決に勝利し、2014年以来2年ぶり2度目の準決勝進出です。

次の対戦相手は前回と同じくフェデラー。前回は4-6 4-6 4-6のストレート負けで、対戦成績も2勝9敗と大きく負け越していますが、2016年唯一の対戦だったブリスベン国際では6-4 6-4で勝利しています。

ベルディヒは若手成長株のルカ・プイユを7-6(7-4) 6-3 6-2で一蹴。勝ち上がった中で唯一完全オフの日がないベルディヒでしたが、準々決勝は最も簡単に勝ち上がりました。

次の対戦相手はマレー。実は両者は互角の戦いが多く、対戦成績はベルディヒから見て6勝8敗。グランドスラムでは2012年全米、2015年全豪とマレーが連勝していますが、接戦が予想されます。

 

さて、長くなりましたが本題に入ります。

センターコートで行われた準々決勝2試合は、どちらも手に汗握る白熱した好試合でした!

フェデラーは完敗ムードから見事挽回し大逆転勝利!

マリン・チリッチは確変キャラなのでしょうか。

それともグランドスラムでフェデラーと戦うと恐ろしくパフォーマンスが良くなるのか...

2014年全米オープンでフェデラーを6-3 6-4 6-4で破った時の再現のように、今大会の準々決勝でも強力なサーブと早いタイミングのストローク強打で隙を見せないチリッチ。

フェデラーは耐えながらも徐々に押される苦しい展開で、第1セット、第2セットとも惜しくもセットを落とします。

第3セットこそ少しチリッチのサーブが落ちたこともあり奪い返しましたが、第4セットには復調。

 

4-5で迎えたフェデラーサーブの第10ゲームでチリッチついにマッチポイントを握りますがここは切り抜けます。

その後も第12ゲーム、タイブレークと合計3回のマッチポイントが訪れましたが、苦境に立たされた時に一層パフォーマンスが上がるのがフェデラー。

ファーストサーブが入らなくても、セカンドサーブでスライスサーブやセンターへの190km/mオーバーの強気なサーブを打って、チリッチのリターンミスを誘いました。

第4セットのタイブレークは、チリッチもフェデラーに訪れた4回のセットポイントをことごとく凌ぐ大接戦。今大会一番の盛り上がりを見せました。

試合続行を期待する観客の大歓声を力に、第4セットをとったのはフェデラーでした。

 

最終セットも最後の3ゲームを連取したフェデラーが、大逆転勝利をあげました。

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フェデラーの衰えないサーブとフットワーク+戦術面

第3セット、3-3で迎えたフェデラーサーブの第6ゲームでチリッチにトリプルブレイクポイントが訪れた時を含め、何度も万事休すと感じた場面がありました。

しかし、全盛期のようなサーブの精度と、ラファエル・ナダルのように最後まで諦めないフットワークで粘り強く戦い、勝利を手繰り寄せました。

特にフットワークは来月に35歳になるプレーヤーのものとは思えないほどでした。

時折見せていたバックハンドスライスでのネットダッシュや、テイクバックを極力コンパクトにして面を合わせるバックハンドのライジングショットなど、試合中の戦術やショットの工夫が素晴らしく「これぞフェデラー!」と唸る内容でした。

フェデラーにはこれまでも幾多もの名勝負がありましたが、今大会のチリッチ戦も長く語り継がれる名勝負だったのではないでしょうか。

【フェデラー VS チリッチのハイライト】

 

マレーは圧勝ムードから追い上げられるも執念の勝利!

第1セットから両者互角の展開で、タイブレークに突入。

ツォンガが3回セットポイントを迎えるも全てしのぐ粘り強さで第1セットをものにすると、第2セットも勢いそのままに連取。

2セットダウンで後がなくなったツォンガは吹っ切れたのか第3セットで思い切りの良いフォアが決まりだして一気に優先に。

第3セットをとると、続く第4セットの第1ゲームでも早速のブレイクポイント到来も、そこは流石のマレー。第1ゲームを何とかキープすると、逆に3-2で迎えた第6ゲームで一気にたたみかけてブレイクに成功しました。

誰もがこのままこのセットで終わるものだと思って見ていたでしょう…。

 

しかし、ウィンブルドンのツォンガは一筋縄ではいきませんでした。2011年には2セットダウンからフェデラーを倒した実績があります。

第7ゲームですぐさまブレイクバックに成功し、そこから残りのゲームを全て連取しセットオールまで挽回しました。

 

最終セットも第1ゲームでブレイクポイントがツォンガに訪れました。

追い上げられ後がないマレーは絶体絶命状態でしたが、ここでマレーに力を与えたのは地元イギリスの大観衆でした。

1ポイントごとにマレーに大きな声援を送り、ツォンガを完全アウェーの状況に追いやりました。

そんな声援の後押しもあってか、マレーは最後には長いラリーを制して無事サービスキープ。

長い間我慢のテニスを強いられていたマレーですが、次の第2ゲームですぐさまブレイクに成功すると、あとはらしさを発揮してこのセット一気に5-0とし、最後はワイドへのエースで試合を終了させました。

【マレー VS ツォンガのハイライト】

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準々決勝でBIG4の強さを再確認、準決勝は接戦予想

フェデラーもマレーも、異様な雰囲気の中での死闘でした。

改めて感じたのは、BIG4の強さです。

どんなに劣勢であっても、苦境に立たされても、決して目の前のポイントを、試合を諦めないメンタルの強さ。

相手の勢いがわずかでも陰りを見せると、その隙を逃さない集中力。

また、状況に応じて戦術やショットのチョイスを試行錯誤し、何とか打開しようとする多彩さ。

 

他の選手に工夫や戦術がない訳では決してありませんが、特にBIG4の4人は上記の力が群を抜いている印象です。

 

次の準決勝はフェデラー VS ラオニッチとマレー VS ベルディヒという好カードです。

16強が確定した段階で、「決勝はフェデラーマレーか」という記事もあがっていましたが、果たして予想は的中するのでしょうか。

 

男子シングルスで行われる試合は残り3試合、熱戦を期待しましょう!

伝説の決勝戦が行われたウィンブルドン2008年総集編