2016年のウィンブルドンは雨による順延の影響で、「ミドルサンデー」に4回戦が行われました。
アンディ・マレーは相性の良いニック・キリオスに7-5 6-1 6-4のストレート勝ちで8強入りを決めました。これで9年連続ウィンブルドンベスト8で、ピート・サンプラスに並ぶ最多タイ記録です。
日本の錦織 圭は、練習の段階から左脇腹の痛みが強くなっていたようで、マリン・チリッチと対戦できるような状態ではありませんでした。
それでも気力で第2セット1-5になるまで、44分間コートに立ちつづけました。
2年連続の棄権での敗退で相当悔しいでしょうが、これから北米ハードシーズン、リオ五輪、全米オープンと過酷なツアー後半戦が待っているので、回復に専念してリフレッシュして欲しいですね!
まずは、マレー VS キリオスの一戦についてまとめています。
スコアだけ見れば圧勝ですが、実は第1セットがすごいことになっていました。
キリオスが驚異の1stサーブ%も第1セット取れず
マレーはこれまでキリオスに対して4戦全勝です。
マスターズ1000の大会で1回(2015年ロジャーズ・カップ)、グランドスラムで3回(2015年全豪・全仏・全米)の対戦です。
今回のウィンブルドンの対戦で、グランドスラム4大会全てで対戦したことになります。
そしてそのいずれも負けているので、キリオスからしたらマレーは天敵です。
今回は本人曰く「朝からテレビゲームを楽しんで試合に臨んだ」ようで、因果関係は謎ですが第1セットで恐ろしいファーストサーブの%を記録しました。
34本のファーストサーブ中、30本がIN。
1stサーブ%は驚異の88.2%でした。
マレーサーブから始まったゲームは6-5まで進み、第12ゲームはキリオスサーブ。
ここでマレーのリターンとパッシングショットが火を吹いて、3ポイント連取で一気に0-40。
そこから2本しのがれますが、最後はマレーの読みがあたってキリオスのボレーミスを誘い第1セットが終了しました。
【マレー VS キリオスのハイライト】
第2セット以降はキリオス戦意喪失で一方的な展開に
ハイライト動画を見れば分かりますが、第1セットを落としたことでキリオスはかなりやる気をなくしてしまいました...(笑)
第2セット以降、マレーのドロップをあまり追わなくなり、ラリーでもボレーでもミス連発で、明らかに集中力が欠けていました。
気分屋なところがキリオスらしいといえばそこまでですが。
せっかくのグランドスラム、それもウィンブルドンで優勝候補との対戦なので、最後まで情熱を持ってプレーして欲しかったです...。
結局一度もブレイクポイントを与えることなく、1時間42分での決着でした。
ここまでマレーは全てストレートでの勝ち上がりです。
マレーはキリオスの良き理解者?擁護発言も
試合後のキリオスの会見は、「記者会見というより心理セラピーのような雰囲気だった」そうです。
今大会でも初戦から数々の騒動を起こし、罰金が科せられているキリオス。
試合中の無気力や暴言をはじめ、勢いに乗ると手がつけられないくらい周囲を不快にさせる選手ですが、テニスのレベルは相当高いものです。
20歳前後で、世界ランキングTOP30入りを果たしている選手はキリオス以外にはアレクサンダー・ズベレフしかいません。
(10/8追記:フランスの22歳ルカ・プイユが秋にかけて猛チャージで、一気に20位以内に入ってきています。)
これらの選手は次世代のテニス界を背負っていく存在だと言われています。
マレーは、そんなキリオスの数々の行動について、「若いうちだから仕方がない、いずれ良くなる」と一貫して擁護ポジションにいます。
また、「メディアがキリオスを悪者に仕立てあげている」とクレームを入れたこともあります。
マレー自身も、過去にサッカーイングランド代表についての不適切な発言などがあり(実際には対談での冗談発言でしたが、メディアによってマレーは非国民扱いをされました)、若い頃は記者会見がなかなかの冷や汗ものだったので、自分自身の過去と照らし合わせて見ているのかもしれません。
観客を喜ばせるパフォーマンスは見ていてワクワクしますし、オールラウンダーとして活躍できる実力があるだけに、せめてコート上での振る舞いをもう少し良くして欲しいものです。
プイユの快進撃に注目!フェデラーは全てストレート勝ち
その他の4回戦を見ますと、順延となったトマーシュ・ベルディヒ VS ズベレフ以外は日曜中に決着しました。
※ベルディヒが4-6 6-3 7-6(10-8) 6-7(9-11) 6-3で、トータル3時間56分の熱戦を制しました。
また、成長著しいルカ・プイユがバーナード・トミックを6-4 4-6 3-6 6-4 10-8の泥試合スコアで倒しました。デルポトロを倒した勢いそのままに快進撃が続いています!
ボトムハーフの残り1試合は、リシャール・ガスケが故障のためジョー・ウィルフリード・ツォンガとの同胞対決を第1セット2-4となったところで棄権。試合時間はたったの24分でした。
ツォンガはベスト4入りをかけてマレーに挑みます。
トップハーフはジョコビッチが3回戦で消える波乱がありましたが、4回戦は順当に進みました。(錦織の棄権は残念でしたが...怪我をかかえて勝てる相手ではありませんでした)
クエリーが自身初の8強入り、実はアメリカ人のグランドスラム8強入りは2011年全米のロディック、イズナー以来出てなかったので(意外!)、久々の快挙です。
次戦でダビド・ゴファンに辛勝で勝ち上がったミロシュ・ラオニッチとのビッグサーバー対決が控えています。クエリーの勢いはまだ続くのでしょうか。
トップハーフの残り1試合は、ロジャー・フェデラーがスティーブ・ジョンソンに6-2 6-3 7-5のストレート勝ち。スコア以上に難しい試合だったと振り返っていましたが、ここまで4戦連続ストレートでの勝ち上がりです。
前哨戦の時よりもかなり状態が良さそうで、マレーに次ぐ優勝候補です。
ちなみに、グランドスラムの決勝では、マレーはフェデラーに全敗です...。
自身のもつグランドスラム優勝回数記録「17」に上乗せをする絶好の機会といえます。優勝すれば2012年ウィンブルドン以来で、ウィンブルドンの優勝回数も新記録の8度目となります。
錦織敗退は残念ですが、これからますます見どころたっぷりのウィンブルドン。
熱戦を期待しましょう!
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