ご無沙汰しております、@mori_ichi_です。
あれよこれよという間に、テニスはアジアツアーへの準備期間へと差し掛かっていますね。
さて、全米オープンテニス2017は、男子がラファエル・ナダル、女子がスローン・スティーブンスの優勝で幕を下ろしました。
女子テニスはあまり詳しくないため割愛します(せざるをえない)が、トーナメント序盤で日本人選手によるシードダウン劇が続出したりと、とても見応えある大会でした。
男子は…アンディ・マレーの欠場により、僕の観戦モチベーションは急降下していましたが、そこはやはりグランドスラム。
通勤中、休憩中、暇さえあれば公式アプリを立ち上げ、ニュースを探し、ハイライトをチェックするなどして情報を集めていました。
残念ながら記事を書く元気はあまり湧いてきませんでしたが…
今回は全米2017総括ということで、大会中に気になったことや今後の展望などについてピックアップしています。
意外だった大坂なおみのプレースタイル
1回戦で第6シードのアンジェリック・ケルバーを破った大坂なおみ。
ランキングでも経験でも大きく上をいく相手に対して、6-3 6-1と圧倒しました。
どのメディアでも圧勝と報道されていたので、どんな試合内容だったのかと見逃し配信をチェックしたところ…
第1セットの途中までは、かなり拮抗した内容でした。
ターニングポイントとなったのは、第5ゲーム・30-40と先にブレイクポイントを握られた中でのラリー戦です。
ケルバーがラリーの主導権を握っていて、かなり深めに打たれて劣勢の大坂。
しかし、深いポジションからでもしっかりとラケットを振り抜き、ケルバーのバック側最深部にうまく配球し続けました。
手に汗握るロングラリーを制したのは大坂。
プレッシャーのかかる状況でも怯むことなく互角以上のラリーを展開して観客を魅了、波乱を期待するスタジアムの雰囲気を作り出すことに成功しました。
その後は、ムーンボールやショートアングルへの切り返しも随所に織り交ぜてケルバーを翻弄。
気落ちした相手に手を緩めることなく、試合を優位に進めていました。
大坂といえば高速サーブと強烈なフォアハンドがクローズアップされますが、ケルバー戦ではチェンジオブペース自在のストローク、プレイスメント重視の丁寧なバックハンドが印象に残りました。
攻撃的なサーブ・ストロークは言うまでもなく、攻守の切り替えがうまいクレバーなテニスも魅力的な選手だなと感じました。
残念ながらカイア・カネピに屈して3回戦敗退となりましたが、ポテンシャルの高さは折り紙つき。
メンタル面の課題を克服して、着実に経験を積んでいけば、似ていると言われるセリーナのような偉大な選手に近づくのではないでしょうか。
その果てには、日本人女子プレーヤーによる初のグランドスラム決勝進出、そして優勝があるはずです。
これからますますの活躍を期待しています。
ドロー発表後のマレー(第2シード)欠場問題
マレーが欠場を発表したのは、ドローが確定した後。
ドロー確定前に欠場していたら、フェデラーは繰り上げで第2シードとなり、第1シードのナダルとは決勝まで当たらなくなっていました。
規定により、ナダルとフェデラーの位置関係は変わらず、第5シードのチリッチがマレーの位置に移動することに。
そのチリッチは3回戦敗退、優勝候補だった第4シードのサーシャ・第8シードのツォンガらが2回戦敗退したこともあり、ラウンドが進むにつれトップハーフとボトムハーフのネームバリュー格差が顕著になっていきました。
ベスト8が出揃った段階での顔ぶれは次の通り(カッコはシード順)。
トップハーフ
ナダル(1)
ルブレフ
フェデラー(2)
デルポトロ(24)
ボトムハーフ
クエリー(17)
アンダーソン(28)
カレーニョブスタ(12)
シュワルツマン(29)
ベスト8時点で、ボトムハーフはクエリーを除きグランドスラムキャリアハイ(タイ)の成績でした。
とりわけフェデラーにとってタフなドローとなった全米2017。
フェデラーファンがマレーの欠場に文句の1つも言いたくなる気持ちはよく分かりますが…
マレーはウィンブルドン以降、全米出場だけを目標にマスターズを連続辞退し、リハビリに励んできました。
周囲の期待やランキング上位者としての責任を背負い、ジョコビッチ・バブリンカ・錦織・ラオニッチらがいない今大会で自分も続くまいという中での苦渋の決断だったことをご理解いただければと思います。
マレー擁護組ですが、良いことか悪いことかと言われると、悪いことにあたると僕も思います。
出来ることならば避けるべき事態(辞退)でしょう。
マリア・シャラポワの件(ドーピングによる出場停止処分明けに即ワイルドカードでのGS出場、1回戦で第2シードのハレプ撃破、2回戦以降のセンターコート優遇)と並んで、全米2017で物議を醸したテーマでした。
ナダルが16度目のGS優勝、歴代最多更新の可能性は…
ナダルが完全復活を印象づける、4年ぶり3度目の全米制覇を果たしました。
下げたポジションからラリーで様子をうかがい、好機と見ればためらうことなくネットに詰める。
粘りが最大の武器だったナダルに、効果的なネットプレーという新たな装備が加わり、手がつけられない強さでした。
全米オープン決勝で相手に1度もブレイクチャンスを与えずに優勝というのは、あまり過去に例がないかもしれませんね。
ナダルは今年で31歳になりました(僕と同級生です)が、これでグランドスラムのタイトルは16個目。
これを上回るのは、フェデラーのみです(19個)。
フェデラーは2017年こそ完全復活&進化して2個タイトルの上積みに成功しましたが、現在のナダルと同年齢だった2012年はウィンブルドン優勝のみ。
その後の4年間で決勝進出が3度ありましたが、全て準優勝に終わっていました。
注目すべきは、ナダルがフェデラーの優勝回数を抜いて歴代最多となれるかどうか。
まだ先の話にはなりますが、大きな怪我がなければ十分に可能性があると考えています。
何と言っても全仏での圧倒的な強さが拠り所でしょう。
他の3大会での結果が冴えなくとも、クレーコートシーズンに体調が悪くなければ、全仏優勝は堅いとみます。
テニスに怪我はつきものですが、長いブランクからの復活も経験しているナダルだけに、今後の活躍にも期待がかかります。
(全仏優勝を狙うマレーを応援する身としては、ナダルのクレー猛威はそろそろ自重して欲しいのですが…)
ルベレフ・シャポバロフら若手の快進撃、PCB・KA・JMdP・RNら新鮮な顔ぶれのベスト4(PCBにつられてDAI語みたくしてみた)、デルポトロ・ナダルらによる圧巻のパフォーマンスと、話題に事欠かなかった全米オープン2017が終わりました。
これから年末にかけてテニス界はどのような勢力図となっていくのか。
そしてシード順がカオスと化す全豪オープンで、どんなドラマが生まれるのか。
全休選手が多くて残念な面はありますが、その分ニューフェイスの台頭も期待できます。
残りシーズンも、テニス観戦を楽しみましょう!
(...と、マレー不在のいま、自分に言い聞かせています)