テニスについての会話やニュースでよく登場するシードダウンという言葉。
トーナメント序盤でよく使われる言葉ですが、一体どのような時に、どのような意味で使うのが適切なのでしょうか。
例えば、第16シードの選手がグランドスラム3回戦で敗れた場合(16強入りならず)、シードダウンと表現しても問題ないのでしょうか。
今回は、シードダウンの正しい意味と、間違いないであろう使い方を解説しています。
シードダウンの正しい意味
シードダウンとは、トーナメントでシード権を獲得した選手が、想定されるよりも早く負けてしまった状態を指します。
「シードを守れず」と表現することもあります。
128ドローのグランドスラムを例に、話を進めます。
例えば、第30シードの選手が2回戦敗退を喫した場合。
グランドスラムなので3回戦進出を果たすと、残る選手数は32名になります。
第30シードの選手は、その時点で上位32名に入る実力があると見なされてシード権が付いているので「3回戦進出=順当・想定内」と言えます。
よって、3回戦を前に敗退してしまうと、想定されるよりも早く負けたことになるので、第30シードの選手の2回戦敗退=シードダウンです。
さて、ここで気になるかもしれないのが、「第1・第2シードは準々決勝や準決勝で負けてもシードダウンなの?」という疑問です。
4回戦以上のラウンドでシードダウンは違和感?
テニスファンの方々にはおおむね同意いただけると思いますが、第1・第2シードの選手が準々決勝敗退をしたからといって、シードダウンと表現するのは違和感があります(仮に準々決勝敗退が、想定されるよりも早い負けだとしても)。
その理由は、シードダウンという言葉がよく使われるのは「シード VS ノーシードの試合でシードが敗れた場合」だからでしょう。
そう考えると、順当ならシード同士の対戦となるグランドスラム3回戦がシードダウンのボーダーライン。
4回戦以上のラウンドで上位シード選手が敗れたとしても、シードダウンと表現するのは不適切で、違和感が生まれてしまうのも納得です。
シードダウンと言って間違いないであろうラインは
シードダウンという言葉自体に明確な基準がないので、どうしても人によってシードダウンと表現する範囲が違います。
その証拠がこちら。
参考にしたいので、よろしければご投票&リツイートをお願いします????
Q. 第16シードの選手が、グランドスラム3回戦で敗退(16強入りならず)の場合、あなたはシードダウンと言いますか?
— mori_ichi_ (@mori_ichi_) 2017年9月1日
本記事冒頭の例えを質問にして、ツイッターでアンケートを作り募った結果です(投票&RTにご協力いただきありがとうございました!)。
投票は、普段からテニスをよく観られている方によるものがほとんどでしょうが、ご覧のようにシードダウンの判断基準があいまいです。
単純に集計すると、
第16シードの選手がGS3回戦でノーシードに敗れたら56%の人がシードダウンと言い、敗れた相手がシード選手だと31%に下がります。
相手がノーシードかどうかで25%もの差がつくことからも、シードダウンという言葉に、ノーシードによる撃破というニュアンスが含まれていることが分かります。
また、44%の人がシードダウンと言わない点にも注目です。
ちなみに僕も3回戦ではシードダウンとは言いません。
3回戦は順当にいけばシード勢同士が対戦するラウンドだというのが1つと、シードダウンという言葉自体が「シード勢の早期敗退」を意味する言葉だと認識しているからです。
3回戦が早期敗退かどうかも非常にあいまいな話になりますが...。
以上より、シードダウンと言って間違いないであろうラインは、2回戦にあるのではないでしょうか。
再度アンケートで集計することはしませんが、おそらく共通認識です。
2回戦までにシード勢が姿を消したら、それはシードダウンと言えます。
...とまとめたものの、異論・反論とも受け付けます。テニス用語って難しい...。
以上、テニスのシードダウンについてでした。