全仏オープンテニスは9日目を迎え、トップハーフの4回戦が行われました。
6/5(月)のうちに終了したのは、アンディ・マレー VS カレン・ハチャノフとフェルナンド・ベルダスコ VS 錦織 圭の2試合。
マレーと錦織がそれぞれ勝利し、次の準々決勝で対戦します!
順調に仕上げてきているスタニスラス・バブリンカがガエル・モンフィスに、好調マリン・チリッチが快進撃を見せていたケビン・アンダーソンに勝利し、準々決勝で顔を合わせます。
トップハーフの準々決勝は、6/7(水)に行われます!
- マレー VS 錦織
- バブリンカ VS チリッチ
両方ともかなり見応えのある試合となりそうです!
さて、ここからはマレーのハチャノフ戦について触れていきます。
マレーのスロースターターは過去の話?またも好発進
ハチャノフはビッグサーブとアグレッシブなストローク(特にフォアハンド)が持ち味の選手で、ジョン・イズナーとの接戦を制し自信を深めてきています。
簡単にはブレイクさせてもらえないでしょうし、自身のサービスキープが勝利への必要条件です。
マレーサーブで始まったこの試合。
第1ゲーム、第3ゲームと1ポイントも与えずラブゲームキープと上々の滑り出し。
第5ゲームこそ少しもたついたものの、ブレイクポイントは与えずにキープ。
続く第6ゲーム、ハチャノフにダブルフォルトが出た隙を逃さず、ブレイクに成功します!
その後もラリー戦で優位に立ち続けたマレー。
ウィナー10に対してアンフォーストエラーがわずか1という完璧な立ち上がりを見せて、第1セットを6-3で先取しました。
マレーといえば出だしの悪さが有名で、(今回のハチャノフのような)初対戦の相手だと、様子見の消極的なプレーをしてしまってポイント先行される悪い癖もありますが、この試合では全く見られませんでした。
マレーの得意ショットの精度がさらに向上!
第2セットに入っても、マレー優位は揺るぎません。
全仏入りしてから大きな武器になっているドロップショットをはじめ、フォアの逆クロスの精度も上がっており、ハチャノフは思うようにプレーさせてもらえません。
バック側にこれでもかとボールを集められたハチャノフは、どうしても先にミスが出てしまう苦しい展開。
それでも、少ないチャンスを物にする集中力は見事で、第2・第3セットと1度ずつしかなかったブレイクチャンスをともに手中に収め、マレーに食らいついていきます。
勝負を分けた最大のポイントは、ハチャノフがブレイクバックに成功した次のサービスゲームの、マレーのブロックリターンです。
スコアをタイに戻された直後のリターンゲームで、マレーはファーストサーブからステップインしてブロックリターンを仕掛けて、これがハチャノフを苦しめていました。
試合終盤には、序盤と全く逆の組み立て(相手フォア側に配球)も混ぜて予測を許さず、ハチャノフの足を完全に止めたマレー。
伸び盛りの若者に王者の貫禄を見せつけ、6-3 6-4 6-4のストレート勝利。
試合時間は2時間4分、圧巻の内容で準々決勝進出を決めました!
この勝利でマレーは通算650勝に到達、グランドスラム・マスターズ1000を通じて今シーズン初の8強入りです!
【マレー VS ハチャノフのハイライト動画】
Top seed @andy_murray fended off rising star Khachanov (and a barrage of blistering groundstrokes) to reach the QFs for 7th time.
???? #RG17 pic.twitter.com/m66tTAoZsT
— Roland-Garros (@rolandgarros) 2017年6月5日
マッチサマリーです。
ファーストサーブよりもセカンドサーブのがポインツウォンが高くなっていますが、ファーストサーブにスピンサーブを使ったりしてハチャノフのペースを乱そうと試みた結果かと思われます。
これはあまり有効ではなかったようですが、相変わらずセカンドサーブのプレイスメントは目を見はるものがあります。
特にデュースサイドからのセンターへのスピンサーブがほぼライン付近に決まっており、錦織戦でもバックサイドをえぐれるかが一つキーとなりそうです。
錦織はフィジカルに手負い?も強敵には変わらず
マレーの試合が終わってから、錦織 VS ベルダスコもチェックしていました。
第1セットこそベーグルを焼かれてしまったものの、恒例の死んだふり作戦だったのか第2セット以降は別人になっていましたね(笑)
体に痛みがある中での試合と聞いていましたが、プレーを見る限りフィジカルの影響はほぼ無かったのではないでしょうか。
ベルダスコの深いスピンボールを難なく返球し、ひとたびコート内に侵入すればほぼ一撃で形勢逆転していた姿が印象的でした。
コートカバーリング能力の高さも随所で見せていましたし、ロングラリーに負けないメンタルも備わっています。
錦織は間違いなく強敵です。
マレーのサーブの調子がイマイチだと、熾烈なブレイク合戦になりそうです。
過去の対戦成績はマレーからみて8勝2敗ですが、錦織がマレーに苦手意識全開だった頃が含まれているので、あまりアテになりません。
直近はツアーファイナルのラウンドロビンで、6-7(7-9) 6-4 6-4の大接戦。
日本中が歓喜した(?)昨年全米オープンもフルセットマッチでした。
マレーはテニスの調子こそ絶好調ですが、咳が止まらないのが少し気になります。
ロングラリーを多く含むデスマッチとなった場合に、どう影響するかが心配です...。
とはいえ、間違いなく今シーズン一番の出来を維持して、ここまで勝ち上がってきました。
弱点の少ない錦織が相手だけに戦術面では苦労する可能性がありますが、集中さえしていれば打開策もあるでしょうし、試合巧者ぶりを見せてくれるはずです。
日本中が注目する錦織 VS マレー。
1200ポイントを守るためにも、ランキング1位の王者のテニスを見せつけます!
今回は音響システムの不具合や、謎の黄色い虫の乱入や、雨による中断が起こりませんように(切実)。
あと、誤審も起きませんように(審判に食ってかかると大概悪い方に転ぶ)。
アンディファンとしては肩身の狭い観戦となりそうですが、ようやくWOWOWがマレーの勇姿をテレビに映してくれます!
全国のアンディファンの皆さん、結集して一緒に声援を送りましょう!
Let's Go Andy!!