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アンディ・マレー応援ブログ

ニック・キリオスのテニスの魅力(楽天オープン&ATP500初制覇)

    2016/11/19

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2016年の楽天ジャパンオープン決勝戦は、ダビド・ゴファン VS ニック・キリオスという実力ある中堅 VS 若手の対決となりました。

結果はキリオスから見て4-6 6-3 7-5の逆転勝利。

キリオスはこの優勝でツアー通算3勝目(今年だけで3勝)となっています。

現在の世界ランキングは15位ですが、来年の今頃には一桁になった状態で来日してくれるかもしれません。

 

数々の問題発言や残念な素行ばかりがクローズアップされがちですが、彼のテニスは魅力たっぷりで目を見張るものがあります。

今回は、「ニック・キリオスのテニス」についてまとめています。

(追記)その後、上海ロレックス・オープンでの残念な無気力プレーが問題視され、罰金と出場停止措置がとられました…。(最後に動画を載せています)

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10代で2度のグランドスラムベスト8はフェデラー以来

まずはこれまでの戦績面をチェックします。

悪童扱いされながらもテニスでは結果を残し続けてきているキリオスは、現在まだ21歳。

彼の名が世界に知れ渡ったのは2014年のウィンブルドンでした。

当時144位のノーシードだったキリオスはワイルドカードとして出場。

ステファン・ロベール、リシャール・ガスケ(第13シード)、イリ・ベセリを倒してベスト16入りを果たします。

次の相手は第2シードのラファエル・ナダル。2012年2回戦敗退、2013年1回戦敗退だったものの、2014年は難敵を倒して勝ち上がってきていました。

そんなナダルを相手に一歩も引かないキリオスは、最後まで高速サーブと自在なラリーで攻め続けて、7-6(7-5) 5-7 7-6(7-5) 6-3で接戦をものにしました。

次戦でミロシュ・ラオニッチに敗れたものの、見事10代にしてグランドスラムベスト8の成績を残しました。

10代とは思えない堂々とした振る舞いに、世界中のテニスファンが虜になりました。(後述しますが、この時点でキリオスのテニスを批判する声も多くありました)

 

翌年2015年の全豪オープン、地元の有望選手として出場したキリオスは、国民の期待に応え躍進します。

フェデリコ・デルボニス、イボ・カルロビッチ(第23シード)、マレク・ジャジリ、アンドレアス・セッピに勝利し、またも10代でベスト8入りを果たしました。

 

10代の選手でグランドスラムで2度ベスト8入りしたのは、ロジャー・フェデラー以来(2001年全仏・全英でベスト8)のことです。

2001年のウィンブルドン4回戦といえば、フェデラーが第1シードのピート・サンプラスをフルセットで倒した、あの歴史的な試合です。

【全英2001、フェデラー VS サンプラスのハイライト動画】髪を後ろでくくって侍のような雰囲気を持っていた、19歳のフェデラーです。

 

話がそれましたが、キリオスは若くして素晴らしい成績を残しています。

2016年に入ると、2月にフランス・マルセイユのオープン13(ATP250)でツアー初優勝。

8月のアトランタ・テニス選手権(ATP250)では、ジョン・イズナーの4連覇を阻止してツアー2勝目を飾りました。

そして、楽天ジャパンオープン(ATP500)でツアー3勝目です。

 

人を食ったようなショットチョイスや態度は賛否両論

キリオスのテニスは、一言では形容しづらいものがあります。

それは、その時々でプレースタイルがコロコロ変わるからです。

真面目にラリーをしていたかと思いきや、急にやる気をなくしてショットがネット直行を繰り返す…かと思えば目の覚めるような強烈なウィナーを叩き込んだり…またシコラーになって相手のミスを待つ堅実なプレースタイルになったり…

その変幻自在たるや、若い頃のアンディ・マレーに通じるものがあり、個人的には好きです。

 

しかし、ラリーの途中でわざわざ股抜きショットを披露したり、ものすごくやる気のないフォームから絶妙なドロップショットを放ったりと、少し誤解されるようなショットが多いのも事実です。

ウィンブルドンでナダルを破った際にも、ラリー中に急に股抜きショットを打って、それがそのままウィナーになっていました。

 

最近はだいぶ減ってきていますが、試合中に急にやる気をなくして戦意喪失し出したり、荒れた言動をするようになるのは許されないことです。

キリオスのテニスは見ていてワクワクしますが、同時にハラハラもします。

妙な事をしでかさないかどうかというスリルは、テニスには必要ありません。

 

大舞台に強く、声援を味方に付ける術を心得ている

10代でグランドスラムで結果を出すというのは、技術や運だけでなく相当なメンタルの強さが必要です。

キリオスの大きな武器は、目立ちたがり屋で強心臓なところです。

格上・年上の相手であっても、失礼な態度やショットを平気で出せる心の強さは、この先きっと役立つでしょう。

観客を楽しませるミラクルショット(パフォーマンス)も積極的に混ぜるので、観ているものを飽きさせず夢中にさせて、味方に付けてしまいます。

自分の確固たるペースがあり、周りがどうであろうが何を言おうが自分はこうだ、という強い意志を感じます。

良き理解者(コーチ)と出会って、長所を伸ばして短所を改善させることができた時、彼は世界の頂点に立っているかもしれません。

あれだけ試合中に冷静沈着で無表情の王者だったフェデラーも、若い頃は気性が荒くて素行の良くないテニスプレーヤーだったので、同じように成長してほしいものです。

 

全てが平均以上で、特筆すべきはタッチの柔らかさ

キリオスのテニスの技術面に目を向けると、注目はタッチの柔らかさ

特にボレーやスライスショット、ドロップショットのタッチは、プロの中でも群を抜いて上手い印象です。

楽天ジャパンオープンのガエル・モンフィス戦でも絶妙なアングルボレーを放っていました。

他にも、ネット際でドロップスマッシュを打ったりと、非常にラケットの使い方が上手い選手です。

 

ストロークでも、フォアは強打のフラットショットと手首のスナップを効かせた強烈なトップスピンを織り交ぜて攻撃します。

バックのストロークは安定感があり、持ち前のフットワークの良さとスライスのタッチの良さで高い防御力を誇ります。

193cmから放たれる高速サーブも威力十分で、セカンドサーブも質の高い、200km/h超え連発のサーブです。

 

 

サーブよしストロークよしフットワークよし、それに加えて展開力・発想力がバツグンなのがニック・キリオスのテニスです。

メンタルに難があり情緒とやる気が不安定なのだけが欠点なので、そこが改善されたら本当にすごい選手になれる素質があります。

 

 

【キリオスのスーパープレー10選動画】

 

今後もキリオスの成長から目が離せません。

楽天ジャパンオープン2016の優勝、おめでとうございます!

また来年、元気な姿で来日してくれるのを楽しみにしています。

 

(その後行われた上海ロレックス・マスターズで、残念な無気力プレーが問題になっています…体調不良があったのかもしれませんが、心を入れ替え2017年の全豪に挑んでほしいものです。)

 

【楽天ジャパンオープン】リストバンド

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