2016年の楽天ジャパンオープンで優勝しATP500の初タイトルを獲得するなど、成長著しいニック・キリオス

21歳で迎えた2016年だけで3勝を挙げるなど、次世代No.1候補として堂々のプレーを続けています。

 

残念ながらメディアによって数々の問題発言や悪態ばかりがクローズアップされがちですが、キリオスのテニスのプレースタイルや普段の人間性は魅力たっぷりです。

 

今回は、キリオスのプレースタイルと魅力に迫ります。

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キリオスのプレースタイルは「変幻自在で予測不能」

キリオスのプレースタイルは、一言では言い表せません。

何故かというと、その時々でプレースタイルがあまりにも変わりすぎるからです。ある時はオールラウンダー、ある時はカウンターパンチャーという具合に...。

 

強力なサーブを軸にネットプレーも織り交ぜて攻撃的なテニスをしたかと思いきや、ただストロークを繋ぐだけで様子を見つつ相手が攻めてきた時だけ強烈なカウンターを見舞うことも。

他にも、余裕の有る無し関係なく突然奇をてらったショットを選んだり、かと思えばしっかりとストロークを組み立ててじわじわ相手を追い詰める、ジョコビッチのような優等生テニスも披露します。

 

無理やりまとめるのであれば、「変幻自在で予測不能なテニス」がキリオスのプレースタイルです。

若い頃のアンディ・マレーのプレーに通じるものがあります。

世界最高峰のサーブ、ストローク、そしてタッチの柔らかさ

ここからは、より詳しくキリオスのプレーにスポットを当てていきます。

 

まず、キリオスのテニスを語る上で最も重要なことの1つに、サーブのクオリティの高さがあります。

193cmの長身から放たれる高速サーブは威力十分で、220km/h近いフラットサーブは確率も高くエースを量産します。

セカンドサーブも素晴らしく、ダブルファーストのような200km/h超えのサーブと、ブレーキの効いたよく跳ねるキックサーブを混ぜて組み立てます。

世界最高峰と言っても過言ではないサーブの持ち主で、キリオスのサービスキープ率はビッグサーバーの面々に全く引けを取りません(毎年88%以上の高い数値を叩き出しており、これはフェデラー並みです)。

 

ストロークは前述の通りその時々によって変化しますが、よく見かけるショットについて。

フォアは強打のフラットショットと手首のスナップをうまく効かせた強烈なトップスピンを使い分けます。

相手がネットに詰めてきて、キリオスの体勢がそこまで崩れていなければ、たいてい強打のフラットショットを奇襲のようにライジング気味で見舞います。

 

バックハンドはツアー屈指のやる気のなさ力みのなさが特徴で、フラット気味ながら安定感があり、ダウンザラインも積極的に狙います。

スライスショットの精度も高く、持ち前のフットワークの良さと合わさって高い防御力を誇ります。

 

そして何より注目すべきは天才的とも言えるタッチの柔らかさ

特にボレーやスライスショット、ドロップショットのタッチは、プロの中でも群を抜いて上手い印象です。

楽天ジャパンオープンのガエル・モンフィス戦でも絶妙なアングルボレーを放っていました。

ネット際でドロップスマッシュを打ったりと、非常にラケットワークに秀でた選手です。

 

上記に加えて、発想力・創造性がバツグンなのがキリオスのテニスです。

大舞台に強く、声援を味方に付ける術を心得ている

また、キリオスの特長の1つにメンタルの強さが挙げられます。特に大舞台や注目された中での強さは特筆すべき点です。

 

キリオスの名が大きく世界に知れ渡ったのは2014年のウィンブルドン。

当時144位のノーシードだったキリオスはワイルドカードとして出場し、ステファン・ロベール、リシャール・ガスケ(第13シード)、イリ・ベセリを倒してベスト16入りを果たします。

準々決勝の相手は第2シードのラファエル・ナダル。2012年2回戦敗退、2013年1回戦敗退だったものの、2014年は難敵を倒して勝ち上がってきていました。

そんなナダルを相手に一歩も引かないキリオスは、最後まで高速サーブと自在なラリーで攻め続けて、7-6(7-5)  5-7  7-6(7-5)  6-3で接戦をものにしました。

次戦でミロシュ・ラオニッチに敗れたものの、見事10代にしてグランドスラムベスト8の好成績を残しました。

 

10代とは思えない堂々としたプレー・振る舞いに、世界中のテニスファンが虜になった瞬間でした。

10代でグランドスラムで結果を出すというのは、技術や運だけでなく相当なメンタルの強さが必要です。

大きな武器である、目立ちたがり屋で強心臓なところが上手く作用した大会でした。

 

 

観客を楽しませるミラクルショット(パフォーマンス)も積極的に混ぜるので、観ているものを飽きさせず夢中にさせて、味方に付けてしまいます。

 

良き理解者(コーチ)と出会って、長所を伸ばして短所を改善させることができた時、彼は世界の頂点に立っているかもしれません。

あれだけ試合中に冷静沈着で無表情の王者だったフェデラーも、若い頃は気性が荒くて素行の良くないテニスプレーヤーだったので、同じように成長してほしいものです。

 

余談ですが、全豪オープン2015でも19歳にしてベスト8入りを果たしており、10代の選手がグランドスラムで2度ベスト8入りしたのは、最近ではロジャー・フェデラー以来(2001年全仏・全英でベスト8)のことです。

 

残る課題は集中力のムラと時折見せる悪態

ポテンシャルとしては世界1位になっても全く不思議ではありませんし、いずれなるだろうと思うのですが、大きな課題が残されています。

それが(ご存知とは思いますが)激しすぎる集中力のムラです。

やる気がなくなると無気力プレーになったり、試合中に観客と喧嘩してしまったり、客席にラケットを投げ入れたり、コートチェンジの時などに審判や相手選手に暴言を浴びせたりと、あまりにも酷い状態です...。

 

ただし、マレーがよく擁護するように、「若気の至り」の延長線上にあるのだと思いますし、歳を重ねるごとに(きっと)落ち着いてくれるはずです。

情緒が安定してくるとものすごい選手になれる素質があります。

 

【キリオスのスーパープレー10選動画】

 

チームのために涙する熱血漢で、親日家。SNSのストーカーぶりもお茶目

そんなキリオス、何度かコート上で涙を流しています。

途中棄権による敗退で無念の涙を流したこともありますが、印象的だったのは2017年レーバー・カップの最終戦でフェデラーに敗れた後の涙です。

チームのみんなの応援を力に、一致団結して頑張っていましたが、無念の逆転負け。

チームメイトのために死力を尽くす姿に心打たれた方も多かったと思います。

普段はチャラけたような印象もあるキリオスですが、本来の性格は真面目で誠実で、熱血漢です。

祖父の死に直面した際も、人情に厚いところがにじみ出ていました。

 

また、姉が日本で働いていることや、ジュニア時代に日本の大会で優勝した経験などもあってか、親日家でも知られているキリオス。

2017年は来日してくれませんでしたが、きっとまた日本に試合をしに来てくれるはずです。

 

あとは、SNSをかなりマメにチェックしていて、特にマレーのインスタグラムに高確率でコメントを残すことでも知られていますw

人懐っこい性格のようで、多くのライバルたちから可愛がられている様子が見て取れます。

 

かつて「テニスは偏見まみれの終わったスポーツ」というような発言をしたこともあって、大きくメディアに取り上げられて「キリオス=悪童」のイメージが定着してしまいましたが、普段のキリオスは悪童とはかけ離れています。

自身の夢として、恵まれない子供たちのために「自由に遊んだり、自分が家族の一員だと感じたりできる安全な施設」の建設も計画しているキリオス。

彼の温かい人間性が、もっと注目されていけばなと思います。

 

これからも、キリオスの公私両面の成長を心から願っています。

 

以上、ニック・キリオスのプレースタイルと魅力についてでした!

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