ツアーファイナルは両組ともラウンドロビンの第1試合が終了しました。
ジョン・マッケンロー・グループの勝者はアンディ・マレーと錦織 圭。
つまり、次の試合でマレーは錦織との2016年4度目の対戦を迎えることになります。
現地時間11月16日の14時(日本時間11月16日23時)頃に試合開始です。
過去の対戦成績はマレーから見て7勝2敗
初の対戦は2011年の上海ロレックス・マスターズ。
この大会で優勝を飾るマレーに、錦織は準決勝で3-6 0-6と完敗。
それ以降、2015年まではマレーが勝利した試合は全てストレートでの決着でした。
しかし、2016年に入ってからは錦織がパワーアップします。
2016年の初対戦となったデビスカップ第3試合は、稀に見る大接戦、死闘と呼ぶに相応しい試合でした。
マレーが7-5 7-6(8-6)と接戦をものにしセットを連取。それまでの錦織なら一気に諦めムードでしたが、食らいついてセットオールまで挽回します。
結局7-5 7-6(8-6) 3-6 4-6 6-3で破れはするものの、錦織の気迫は素晴らしいものがありました。
リオ五輪の準決勝で対戦した時は、マレーのサーブが絶好調(1stサーブ%が76%)でなす術なしだった錦織。
連戦の疲労も相まって、1-6 4-6のロースコアで敗退でした。
全米オープン準々決勝についてはもうご存知の通りです。
マレーはセットを先行するも6-1 4-6 6-4 1-6 5-7の逆転負けを喫しました。
恵みの雨・除夜の鐘・蝶々と色々ありました(笑)が、錦織の実力が上がってきた証拠です。
特に戦術面の工夫(効果的なサーブ&ボレー、ドロップショットを含めた組み立て)が素晴らしいです。調子が良い時は手がつけられません。
過去の対戦成績は2勝7敗ですが、マレーに対する苦手意識もだいぶ薄れてきているようです。
錦織・マレーの第1試合を振り返って
錦織はスタニスラス・バブリンカと対戦。
バブリンカはムラっ気のありすぎる選手として有名ですが、この日はダメな方(ダメリンカ)でした。
(個人的にはグランドスラム補正がある選手だという認識ですが...)
錦織側は、バブリンカがリターンにスライスを多用する点をついて、サーブ&ボレーを多めに仕掛ける作戦で挑みます。
これがピタッとはまり、バブリンカのラリーの不調もあって一気にたたみかけました。
6-2 6-3で勝利し、全米オープン準決勝の雪辱を果たしました。
一方のマレーはマリン・チリッチと対戦。
こちらもムラっ気のある選手で、グランドスラム・マスターズ補正も顕著です。
マレーとしてはシンシナティ・マスターズのリベンジを果たす絶好の機会。
そして、この試合が世界ランキング1位になって初の試合です!
第1セットは両者とも緊張もあって動きの固い立ち上がり。
ラリーではマレーが優勢も、サーブがイマイチな仕上がりです。
1stサーブ%こそ61%でしたが、ダブルフォルトが4本、2ndサーブポインツウォンが43%とサービスキープに不安を残します。
それでも2度のブレイクポイントをしっかりと物にして、6-3で先行。
第2セットに入ると、マレーはいつも通りに近い活き活きとしたプレーを披露。
ついでに1stサーブの入らなさ(41%)も披露しますが、そこはご愛嬌。
海パンのような悪趣味なパンツ着用のチリッチは、時折強力なストロークを見せるも全体的にグダグダなまま試合終了となりました。
結局6-3 6-2でマレーが勝利しました。失ったゲーム数も錦織と全く同じです。
【錦織 VS バブリンカ、マレー VS チリッチのハイライト動画】
予選突破へ運命の一戦、注目は「ロングラリー」「サーブ」
勝てば予選突破が一気に近づく第2試合。
錦織との対戦で注目はロングラリーをどちらが制するかとサーブの出来だと見ています。
02アリーナのハードコートは、ここまでの試合を見る限り、割と球足が遅いように感じます。
(球足が速いと感じた選手もいるようですが…)
ということは、ストロークに自信のある両者の対戦ではロングラリーが増えるはずで、どれだけ我慢強くラリーを続けられるかがカギとなりそうです。
また、1ポイント取るのにストロークだと苦労するので、余計にサーブで崩しての短いポイントが重要になります。
錦織はバブリンカ戦、5本のエースを生み出しましたが、トータルの1stサーブ%は47%と低調でした。
不調のバブリンカ相手で2ndサーブポインツウォンが74%と高かったので一方的な試合となりましたが、マレー相手では通用しないでしょう。
錦織・マレーとも1stサーブの確率が最重要課題なのは言うまでもありません。
あとは錦織は、調子の良いショットをどれだけ自信を持って打てるか。
どれだけコート内に入ってアグレッシブに攻撃しつつ、アンフォーストエラーを抑えられるかです。ネットプレーも不可欠でしょう。
デビスカップや全米の時のように、試合中にコーチと相談するチャンスがないので、劣勢の場合の切り替えが難しい点が懸念材料です。
マレーは、全米での失敗を糧に、リターンでプレッシャーをかけ続けられるか。
ストローク(特にバックの打ち合い)でスライスに終始してポジションを下げずに、錦織のフォアの回り込みを封じられるかです。
ホームアドバンテージは、地理面・観客面ではありますが、O2アリーナは苦手としている為(照明の影響?)、あって無いようなものです。
マレーには全米のリベンジを果たして欲しいですが、一方的な試合ではつまらないので、接戦を物にしての勝利を期待します。(わがままが過ぎますね...)
Let's Go Andy!!