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ご無沙汰しております。

アンディ・マレー応援記事は約3週間ぶりです。

 

妻の第2子妊娠に伴う悪阻(つわり)悪化のため、なかなかブログに手が付けられない日々が続いておりますが、僕は家事・育児・仕事と奮闘し、元気にしてます。

(ナルホド、これが俗に言うリア充というものか...)

 

さて、長男の寝かし付けで逆に寝かし付けられている間に、マレーに事件です。

現在行われているムチュア・マドリード・オープンで、マレーは3回戦敗退となってしまいました...。

 

今回は、バルセロナ・オープンの総括と、マドリード・オープンでの戦いぶりについてまとめています(ちょっと長文です)。

【バルセロナ2017】ラモスにリベンジ果たすもティームに惜敗

実戦感覚を多く積みたいということで、モンテカルロ・マスターズ早期敗退をうけて急遽出場したバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル。

 

初戦(2回戦)のバーナード・トミックがまさかの試合前棄権で、さっそく出鼻をくじかれてしまいました(苦笑)

 

3回戦の相手はフェリシアーノ・ロペス。

未だに無敗の相手で、今回は母・ジュディさんの件は省略します(笑)

ファーストサーブ%が56%、ポインツウォンが66%と低調で苦戦しますが、我慢のテニスで粘るロペスを振り切り、6-4 6-4のストレートで勝利。

キャリア対戦成績は11勝負けなしとなりました。

 

続く準々決勝の相手は、モンテカルロで敗れたアルベルト・ラモス・ビニョラス。

第1セット、持ち前のスロースターターぶりが出てしまい、簡単に2-6でセットを落とします。

このままズルズルいって連敗かと思いきや、ファーストサーブの出来が悪いのをストロークの復調で補い、6-4で取り返してセットオールに。

最終セットはタイブレークまでもつれますが、要所で効果的なネットプレーも取り入れたマレーが7-6(7-4)で制し、見事リベンジを果たしました。

 

調子も上向きでラファエル・ナダルとの決勝戦も見えてきた準決勝、相手はクレー巧者のドミニク・ティームです。

クレーでは、キャリア勝率が7割をゆうに超えている強敵です。

 

第1セットは前の試合に続いて不調(これがマレーの俺流スタートダッシュ)で、2-6で落とします。

序盤から風が強くて、リズムを掴むのに苦労したと試合後振り返っていました。

 

ティームの力強いストローク(特にフォアハンド)を前に、なす術なく敗退も頭をよぎりましたが、中盤からはマレーがまたも復調。

復調どころか、2016年終盤の感覚を取り戻したかのように躍動し始めるマレー。

見応えあるラリー戦を制する場面も増えて、第2セットは6-3と取り返すことに成功しました。

 

最終セットもお互いに一歩も引かない、レベルの高いテニスを展開する2人。

マレーは今期No.1と言ってもいいくらいのパフォーマンスで、「これなら次のナダルにも善戦できるはず...!」なんて考えていました。

 

...この考えがダメだったのでしょうか。

ゲームカウント4-5・マレーサーブ 30-30で、少し深めのスマッシュボールをワンバウンドさせてフォアで処理した打球がまさかのロング(アウト)...。

迎えたティームのマッチポイントでも、マレーのボレーが甘くなったところをロブで逆襲されて万事休す。

 

最後はあっけない幕切れで、突然の試合終了となりました。

 

【マレー VS ティームを含む準決勝動画】

 

残念ながら準決勝ティーム戦で惜敗となったマレーですが、久々にギアの上がったところも見せてくれたので、急遽バルセロナ参戦は成功と言えそうです。

マレー本人も、「タイプの違うプレーヤーと対戦し、長時間の試合(ラモス戦は3時間)も経験できて良かった」と収穫を口にしていました。

 

なお、優勝はナダル。好調ティームでもナダルの壁はこえられませんでした。

これでモンテカルロに続いて、自身10度目の優勝

相変わらず体調万全ならクレー最強です。

 

バルセロナ優勝後の恒例行事・プール飛び込みが今年も行われていました。

アンディの犬かき泳ぎが見られる日が、いつか来ますように...。

 

マドリード初戦は初TOP100入りコピルに快勝スタート

マドリード・オープン初戦(2回戦)の相手は、マリウス・コピル。

強力なサーブを武器に、自身初のTOP100入りを果たして自信を付けてきている選手です。

 

マドリードはクレーコートながら、会場の標高が高いため高速サーフェスとして有名です。

これまでのクレーでの戦い以上に、サーブの出来が試合の行方を左右する大会と言えます。

 

マレーも大会前の会見で「過去に好成績(2度の優勝+前年準優勝)を残せた時は、サーブが好調だった。マドリードではサーブが重要になる。」という旨を話していました。

 

マレーサーブで始まったこの試合、はじめのゲームは何とラブゲームキープ。

スロースターターが板についてきていただけに驚きです。

 

そのままのテンションで各セットを1ブレイクアップで締め、6-4 6-3の快勝。

一度もブレイクポイントを与えない、危なげない内容で、試合時間は1時間23分でした。

 

肝心のサーブは、ファーストサーブ%は61%と平凡ながらポインツウォンは85%。

セカンドポインツウォンも62%と高く、サービスゲームで終始優位に立てていました。

 

"I don't think I'm playing perfectly just now. I think there's just things I can definitely do better."

「現時点では完璧なプレーではないと思っている。まだまだ改善の余地はあると思う。」

 

勝って兜の緒を締めたマレー。

サーブも試合勘も、まだまだ向上が必要なはずです。

 

【コピル戦ほかハイライト動画】

 

絶不調のマレー、チョリッチにストレート負け

3回戦は20歳のボルナ・チョリッチ。

今年4月のハッサン2世グランプリ(ATP250・クレー)でツアー初優勝を飾った、次世代NO.1候補の1人です。

 

個人的には、少しジョコビッチ臭がするのであまり対戦したくない選手です。

(2015年ドバイで1-6 3-6という衝撃的な負け方をしたのが記憶に新しい)

 

チョリッチは、一旦は予選敗退となったものの、ラッキールーザーとして本戦入りしていました。

今期は日本人選手(西岡・杉田)も含め、ラッキールーザーの躍進が目立っています。

 

そして、この試合でもラッキールーザー躍進の波に乗ったチョリッチが、絶不調マレーを下すこととなりました...。

 

 

またもラブゲームキープ・スタートとなった3回戦。

序盤は積極的にマレーが仕掛け、フォアハンドで圧倒する場面も。

サーブもそこまで悪くなく、デュースサイドからのワイドスライスにチョリッチがかなり手こずっていたので、安心して見ていられる予感はありましたが...。

 

第4ゲーム、マレーがダブルブレイクポイントを凌がれたあたりから、チョリッチのサーブ・ストロークのギアが上がり始めます。

第5ゲーム、チャンスの後にはピンチありで、同じようにダブルブレイクポイントを与えてしまうと、2本目で決められ先行を許します。

 

続くゲームはラブゲームでブレイクバックするも、第7ゲームあたりからマレーに異変が。

深めからのフォア逆クロスがサイドアウト、ダウンザラインを狙ってもネット、クロスもネット...。

フォアハンドが明らかにおかしくなっています。

 

チョリッチも、フォアにボールを集めるだけで勝手にミスしてくれるのに気付いた様子で、強いスピンを深めにしつこく打ち込んできます。

このゲームも連続でブレイクされ、フラストレーションのたまるマレー。

 

続く第9ゲームマレーサーブまで攻略され、このセット3度目のブレイクという緊急事態...第1セットは3-6で落としました。

 

第2セットに入ると、チョリッチのサーブがより向上し、ますます苦しい展開に。

一方のマレーは、バックハンドスライスやドロップショットにもミスが出始め、集中力散漫気味の悪い流れです。

 

第3ゲーム途中、ブレイクチャンスを良いサーブで凌がれ、ラインぎわに素晴らしいストロークを決められると、マレーが突然満面の笑みを見せます。

コートチェンジの際にも、ベンチに腰掛け数秒間ニヤニヤ笑顔のマレー。

 

正直、不気味な笑い方です...。

 

これまでの試合でも時折、劣勢時にコート上で呆れたような笑いを見せる場面や、自虐・皮肉たっぷりのジェスチャーを見せたりはありましたが、ベンチでニヤニヤは何かおかしいです。

フラストレーションの溜まった中、良いプレーをされて隙がなくて、打開策が見当たらず途方に暮れての笑いだったのかもしれませんが...。

 

打球をライジングで処理してストロークを速めたり、ムーンボールとドロップショットの組み合わせで揺さぶったり、何とかしようとしてはいましたが、いずれも好調チョリッチのリズムを崩すには至らず。

ドロップの精度が悪く、逆にチョリッチにベースラインから見事に決められてしまう始末でした。

 

ゲームカウント3-4で迎えた第8ゲーム、1ポイントも取れず観客もざわつく中、あっさりブレイクを許したマレー。

最後は絶妙なドロップショットを拾いきれずにミスし、試合終了となりました。

 

3-6 3-6、1時間24分で、良いところなく敗退となってしまいました。

 

【チョリッチ戦ほかハイライト動画】

 

あそこまでフォアハンドストロークが悪いと何もできません。

チョリッチは左右に振られると少し脆さを見せるだけに、しっかりとコントロールできなかったのは敗因の一つです。

威力・安定感とも十分のフォア逆クロスを軸に、気持ちよくプレーさせてしまいました。

 

対チョリッチという観点では、課題も残りました。

チョリッチのセカンドサーブ(キックサーブ)に対するマレーのブロックリターンが、ほとんど驚異となっていなかった点です。

リターンも含め、フォアハンドがおかしかったのが原因だとは思いますが、次の対戦機会までにしっかりと対策して欲しいところです。

 

試合後のマレー、さすがに危機感を募らせていました。

”I definitely think I need to be concerned about today. It’s not always the worst thing losing a match, but it’s sometimes the manner of how you lose the match is what can be concerning or disappointing,”

「今日の負けには危機感を持たなければならない。負けが常に悪いわけではないけれど、負け方によっては不安や失望を感じる。」

 

”Whereas my match, like, against Thiem in Barcelona, I was disappointed to lose, but I felt like I competed really well. I did some good stuff in the match, found a way to turn it around and make it, you know, a tough match for him.
Whereas today I didn’t really do any of that stuff. That’s concerning. So I need to think about exactly why that is, what I can do about it.”

「バルセロナでティームに負けたときは、残念だったけれど手応えがあった。試合中に流れを変えて相手にとってタフな展開に持ち込めた。でも今日は全く何もできなかった。これは問題だ。原因を追求して、対処法を考える必要がある。

 

マレーのクレーコートシーズンは、BNLイタリア国際と全仏オープンを残すのみとなっています。

バルセロナでは復調傾向にあって、多少楽観視していた部分もありましたが、得意のマドリードで結果が残せないのは大問題です。

 

フィジカル面の心配も完全には払拭されていない中で難しいのかもしれませんが、まずはメンタルの充実(リフレッシュ)と、戦術面の再考が必要です。

 

不本意なシーズンとなっていますが、1位になって各選手からのマークがより厳しくなっていることもあるでしょうし、これもランキング1位の宿命と言えるでしょう。

きっと、このスランプを克服して、もう一皮むけた姿を見せてくれるはずです。

これまでも課題は山積みでしたが、一つずつクリアして強くなってきました。

 

厳しい状況なのは間違いありませんが、まだ全仏に間に合うはずです。

困った笑顔ではなく心からの笑顔が見られますように...。

 

Let's Go Andy!!