"2度あることは3度ある"
アンディ・マレーが、BNPパリバ・オープン2017で2回戦敗退を喫し、今年も早々に姿を消すこととなりました。
シードは1回戦免除のため、実質初戦での敗退。
これは、2011年、2012年に続いて3度目のことです。
昨年末、苦手のツアーファイナルで見事優勝を成し遂げたマレー。
今年のインディアンウェルズも苦手克服に向けて調整十分のはずでしたが、またも砂漠の呪いにやられてしまいました...。
いつの間にかチャレンジャー巡りの、勝者ポスピシル
マレーを破ったバセク・ポスピシルはランキング129位。
「100位外の選手が世界1位を破った」「格下が世界1位を」「波乱」「まさかの初戦敗退」など、驚きを伝えるような見出しが躍っています。
しかし、ポスピシルはシングルスのランキング最高位が25位。
ダブルス巧者(最高位4位)でシングルスも上手い選手として有名で、今はランキングを落としていますが実力は折り紙付きです。
2014年のウィンブルドン・ダブルスで、ジャック・ソックと組んでグランドスラム初優勝。
ここインディアンウェルズでも、2015年にソックと組んでダブルスのタイトルを獲得しています。
129位だからといって決して格下ではありません(そもそも「格下」は根絶してほしい表現です)。
2016年シーズンが不振で、一気にランキングを落としてしまったようです。
そういえばいつの間にか各大会のシード欄から名前がなくなっていました。
ところで、2月はじめに開催されていたデビスカップのカナダ VS イギリス、覚えていますか?
第5試合でデニス・シャポワロフが起こした、主審にボール直撃&即失格事件がインパクト大すぎましたが、イギリスはカナダに3勝2敗で勝利。
カナダが挙げた2勝は、いずれもポスピシルのシングルスでの勝利でした。
2017年のポスピシルは今回の勝利で、イギリス人に3連勝中となっています。
予選から勝ち上がってきた勢いそのままに、1回戦でルー・イェン・スンを撃破。
2回戦でも良いプレーを見せたポスピシルが、3回戦進出を決めました。
イージーなミスとダブルフォルト量産のマレー
マレーは昨年と違いデビスカップをパスしたため、十分な調整をして臨んだ初戦でした。
しかし、開始早々に相手にブレイクポイントを握られるなど、サーブの状態に不安のある立ち上がり。
試合序盤はそこまで気にならなかったストロークのミスも、試合が進むにつれ増えていきました。
マレーは先にブレイクに成功したものの、すぐにブレイクバックされます。
再度ブレイクに成功してゲームカウント4-2と一時はリードしたものの、ダブルフォルトやポスピシルの良いネットプレーが決まったりで、またもブレイクバック。
それどころか、このセット3度目のブレイクも許してしまい、第1セットを4-6で落とします。
第2セットに入るとポスピシルの積極性がより顕著になり、マレーが押し込まれる展開に。
お互い1ブレイクずつでタイブレークに突入しますが、ここでもマレーは痛恨のダブルフォルトが響いてビハインドの展開...。
ドバイのコールシュライバー戦の第1セットのように、大事な場面でのダブルフォルトが多すぎました。
マッチポイントを握られてからNo.1の意地を見せますが、大逆転劇とはならず。
最終スコアは4-6 6-7(5-7)、1時間50分での敗戦でした。
【マレー VS ポスピシルを含む、大会3日目のハイライト動画】
「マレーはサーブ&ボレーに弱い」という声が...
ドバイ優勝の勢いそのままに、とはいかなかったマレー。
前回の記事でどれだけマレーがインディアンウェルズが苦手かを、理由を挙げて説明していましたが、恐れていたことが現実となってしまいました...。
試合での動きをみた感想としては、「自分の動作とボールの行方が一致していない」ような感覚でテニスをしていたんじゃないかと感じました。
ときおり右肘のあたりを気にする仕草もありましたし、やはりマレーがずっと気にしている特殊なボールに手を焼いているのではないでしょうか。
クリーンヒットせずに突然浅い打球が増えていた時間も多かったので、メンタル面以上に大会の環境との相性の問題かもしれません。
上記の点について、マレー本人は否定的な考えのようですが...。
´I don´t know why it happens, in practice I usually train very well. A few times in the last years I played better, but not well enough. I don´t know if it depends by the condition, I don´t really know why here I can´t play my best tennis.´
「練習では普通に問題なくプレーしていたから、なんでこうなるのか分からない。」
(ざっくりした訳ですみません)
また、全豪での4回戦敗退(VS ミーシャ・ズベレフ)に続いて、インディアンウェルズでの初戦敗退。
両方ともサーブ&ボレーを持ち味とする選手に敗れただけに、2017年のマレーはサーブ&ボレーに弱いんじゃ...という声が出ています。
こちらに関しても全否定です。
リターンでチャンスを作り出せなかったこと、自分のサーブでミスが多すぎたのが原因だと分析していました。
ポスピシルは、マレーのセカンドサーブを果敢に攻める積極的なテニスで、何度もマレーサーブのブレイクに成功しました。
普段はマレーが対戦相手に仕掛けるようなリターンを、逆にされてしまったとあれば、厳しい試合となるのは不可避でした...。
ダブルスでは第5シードのロペス・ロペスペアを撃破する番狂わせを演じたマレーですが、シングルスは残念ながら(ファンの危惧していた)早期敗退となってしまいました。
しかし、失効ポイントはたったの45ポイント。
続くマイアミ・オープンでも守るポイントは45ポイントなので、気を取り直してしっかりと調整してほしいものです。
右肘の様子も少し心配なので、ダブルスもほどほどにして、マイアミを万全の状態で迎えてください!
非常に残念な結果でしたが、ある意味想定内です。
まだまだ3月半ば、ここから巻き返していきましょう!
Let's Go Andy!!