全仏オープンテニス2016は2回戦が行われ、アンディ・マレーは世界ランク164位のマシアス・ブルグを6-2 2-6 4-6 6-2 6-3で下し3回戦進出を果たしました。

いくらランキング下位の地元選手が相手で、超アウェーな中での試合だとはいえ、このラウンドでフルセットまでもつれるのは異常事態です。

 

1回戦の相手、ラデク・ステパネクのような試合巧者だともつれる事はあります。

グランドスラムの初戦という難しさもありました。

 

しかし今回は若干22歳の(失礼ながら)無名選手。

失うものはないと果敢に攻めてくるのは分かっていたはずで、フルセットでの勝利にはただただ驚きです。

マレーは簡単にセットを落としたりする

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突然ですが、僕は熱狂的なマレーファンで、錦織 圭よりもマレーを応援する変わり者です。

そんな大のマレーファンなので、彼の試合の傾向はよく知っています。

そこで、あまりよくマレーについて知らない方のために簡単に説明します。

 

見出しにも書きましたが、マレーは誰が相手であろうと急に簡単にセットを落とす事があります。

 

BIG4の一角と呼ばれるようになってからも度々ある現象で、僕は「集中切れ」と呼んでいます。

ファーストサーブが入らなくなって、ストロークも簡単にネットにかけるようになります。

イライラして手を顔に当てて叫び、イライラをそのまま口から出します。

 

その結果、自身のサービスゲームで簡単にブレイクを許してしまいます。

相手サーブは通常たやすくブレイクはできないので、下位の選手が相手でもセットを落とす事があります。

 

セット終盤に劣勢だと、「このセットは落としてもいいや」と言わんばかりのプレーを見せることもあります。

これはマレーの悪い部分です...。

 

昨年に続き2016年もクレーコートシーズンは充実

2016年のマレーはローマ・マスターズ(正式にはBNLイタリア国際)でノバク・ジョコビッチを6-3 6-3のストレートで下し、クレーコートのマスターズで2勝目をあげました。

 

ちなみに初優勝は2015年のマドリード・マスターズ(ムチュア・マドリード・オープン)で、その時はナダルを6-3 6-2のストレートで倒しました。

 

以前はハード・芝に比べてクレーでは思うような成績を残せなかったマレーですが、アメリー・モレスモーをコーチに招いてからクレーでの成績が向上しました(現在は残念ながらモレスモーコーチとの関係解消が話題になっています。円満解消ではないようですね...)。

勢いに乗って全仏を迎えたはずですが、初戦から立て続けにフルセットではさすがに先が思いやられます。

 

原因としては色々考えられますが、蓄積疲労でパフォーマンスが落ちているのが最大の原因でしょう。

初戦から2回戦にかけて、サービス関係のサマリーの悪化が酷すぎたのも、回復しきっていない証拠です。

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1回戦では14本あったエースが2回戦では...

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たったの3本に!?

おまけにトータルポインツウォン(試合で獲得した総ポイント数)が164位に負けているという衝撃の事実。

 

本人もインタビューで「休息する必要がある」と発言していました。

 

全く本調子じゃないのに勝てているのがスゴイんですが、3回戦からは本来のプレーを見せてほしいものです...。

 

今の調子だと準々決勝までいっても錦織の圧勝だが

順当に行くと準々決勝で錦織との対戦が控えているマレー。

ですが、現時点で対戦したら間違いなく錦織が勝利で、ストレートでの決着かもしれません。

 

しかし、思い出して欲しいのは2016年(今年です)全豪の準々決勝、対ジョコビッチ戦。

ジョコビッチは直前の4回戦でジル・シモンを相手にフルセットでの辛勝でした。

 

かなりスタミナ的にもキツイ状況だったはずで、誰もが錦織にチャンス到来と思っていました。

が、結果は無惨にもストレート負け(3-6 2-6 4-6)でした。

 

これはトップ選手(特にBIG4)によくある事で、彼らは優勝から逆算して大会を戦います。

なので早いラウンド(4回戦まで)ではトップギアを入れないで戦います。

「温存」とでも言うべきでしょうか。

 

準々決勝では第1〜4シードの選手であっても対戦相手は第5〜8シードか、それを破って勝ち上がってきた調子の良い選手なので、いよいよギアを1段階上げて本領発揮してきます。

錦織が全豪2016で完敗したのも、これに当てはまっていたのかもしれません。

 

 

つまり、マレーも同様に準々決勝には別人のようなテニスをしてくる可能性が高いです。

全国の錦織ファンの皆さんは、次戦のイボ・カルロビッチ(大先生)、その次にくるであろうジョン・イズナーを全力で応援しましょう(笑)

全仏のクレーとはいえ、彼らのサーブを破るのは困難に変わりありません。

 

一方の錦織も、3回戦で確変キャラの代表格、フェルナンド・ベルダスコが相手なので苦労しそうです。

4回戦でもリシャール・ガスケかニック・キリオスのどちらかなのでマレー同様、厳しいドローと言えます。

 

両者の健闘を祈りつつ、準々決勝でレベルの高い試合を見たいものです。

 

P.S.

マレーは次戦で復調しました。

錦織のベルダスコ戦についても少し触れています。