2016年の全仏オープン決勝は、ノバク・ジョコビッチとアンディ・マレーが対戦し、3-6 6-1 6-2 6-4でジョコビッチが勝利しました。
この勝利によって、史上8人目となる生涯グランドスラム達成です。
昨年のウィンブルドンから数えて4大会連続でのグランドスラム優勝は、史上3人目という快挙です(ロジャー・フェデラーはラファエル・ナダルが常に全仏で立ちはだかったため、3大会連続が2度ありますが4大会連続はありません)。
ジョコビッチは連続優勝記録と、2016年の年間グランドスラム、連続決勝進出記録(最多はフェデラーの10回、ジョコビッチは2014年全米で錦織に敗れて準決勝止まりだったため、現在6大会連続の決勝進出)に注目が集まります。
決勝のマレーの1stサーブ%は驚異の50.4%
55/109です。いくらなんでも低すぎます。
唯一セットを取れた第1セットを除くと、46%にまで下がる最悪の出来でした。
当然キープが難しくなるので、第2セット以降は全くセットが取れず...。
おまけにファーストサーブが入っても試合トータルのポインツウォンが61.8%と低調だったので、なす術なしです(それだけジョコビッチのリターンが優れているということですが...)。
僕は決勝当日に体調不良になって(知恵熱?)まだ試合全体をチェックできていないのですが、このサーブのサマリーではジョコビッチに勝てるわけがありません...。
マレー、今回の敗戦で(たぶん)歴代3位タイの記録に
もはや(悪い意味で)定着しつつあるマレーのグランドスラム準優勝。
09年にフェデラーが達成して以来の生涯グランドスラム準優勝(グランドサラム)を達成しました。
ジョコビッチでさえ達成していない記録です!(全豪は優勝してしまうため)
ナダルも達成していません!(全仏は優勝してしまうため)
通算でも8度目の準優勝(うち5回が全豪)で、おそらく1位イワン・レンドルの11回、2位フェデラーの10回に次ぐ、ジョコビッチと並ぶ3位タイの記録です。
レンドルは8回の優勝があるので、優勝と準優勝の比率でいうとマレーはダントツの優等生(優勝2回、準優勝8回)。
もはや「世界一盾が似合うテニスプレーヤー」と言ってもよいでしょう。
2016年全仏オープン決勝のハイライト動画です
ハイライトを見るだけでも、2人がどれだけ異常なストロークを打ち合っていたかが分かります。
マッチポイントも相当なロングラリーです。
実は体調不良ながら、第1セットの結果はスマホで確認していました。
そして、第1セットを取った瞬間、「マズイな」と思いました。
というのも実は、過去2年ジョコビッチは第1セットを取りながらも、そこから全くセットが取れずに敗退していたのです。
人は違えどデジャヴです。
マレーは「全仏決勝は第1セットを取った方が負ける」という、ここ2年のジンクスをバッチリ踏襲してしまいました...。
真面目な話をすると、マレーはやはり1回戦・2回戦のフルセットが響いたと思います。
4回戦でのリシャール・ガスケ戦といい、ドロー運にも恵まれなかった全仏でした。
一方のジョコビッチはナダル・ツォンガの棄権により、最高にドロー運の良いプレーヤーとして順調に勝ち進んでいました。
若手の急成長株とはいえ、セミファイナルの相手がドミニク・ティームというのは追い風です。
そうは言っても、雨による順延でセミファイナル前に本来あるはずの休息日がなかったにも関わらず、圧巻のパフォーマンスを見せたジョコビッチには脱帽です。
両者、優勝・準優勝にふさわしい全仏オープンでした。
充実の2週間をありがとうございました!
おめでとうジョコビッチ、お疲れ様マレー!
得意の芝・ハードシーズンに向けて調整がうまくいくよう期待しています!