2016年4月4日、テニスの最新ランキングが発表され、上位勢には変動がありませんでした。
めぼしいところでは、ダビド・ゴファン、ニック・キリオス両選手が、マスターズベスト4の甲斐あってそれぞれ2つ上昇の13位、6つ上昇の20位になったくらいでしょうか。
さて、変動はなかったものの、非常事態が発生しております。
1位ジョコビッチのポイント数が2位マレーの倍以上に
先週までは、ノバク・ジョコビッチ16,540ポイント、アンディ・マレー8,370ポイントでダブルスコアは辛うじて免れていました。
しかし、ジョコビッチは優勝でポイント維持、マレーは昨年準優勝だったのが今回3回戦敗退だったため、マレー8,370→7,815ポイントとなり、ついに倍以上となってしまいました...。おまけにマレー3位後退の危機。
ところで、1位のポイントが2位の倍以上だなんて、はじめての事態ではないでしょうか?
気になって同じようにダントツで1位だった「あの方」の成績を調べてみました。
※ポイント履歴が残っていたのが1996年以降だったので、1996年頃から始まった制度だったのでしょうか?勉強不足ですみません...。
2006年の年末は全盛期ロジャー・フェデラーの最高地点
全盛期のロジャー・フェデラーの強さは、本当に手がつけられない程でした。
クレーコートでラファエル・ナダルに負けてしまう以外で負けそうな気配すらないというレベルの強さでした。実際、2006年は17大会に出場し、うち16大会で決勝進出、12大会で優勝し、年間成績は92勝5敗(勝率94.8%)という人間業とは思えない成績でシーズンを終えた年でした。
全仏以外の3つのグランドスラムで優勝し、まさに全盛期でした。
ちなみに、唯一決勝進出できなかった大会はシンシナティ・マスターズで、当時21位だったマレーがフェデラーを2回戦で破ったためでした。ここから数年はマレーはフェデラーキラーとして勝ち越していましたね!
残りの4敗は全てナダルだったので、2人以外は誰もフェデラーに勝てない年でした(笑)
そんな2006年12月25日付のランキングがこちら。
1位のフェデラーが8,370ポイント、2位のナダルが4,470ポイントなので、倍以上ではありませんでした。やはりナダルのクレーでの恐ろしいポイント稼ぎは伊達じゃなかったようです!
(補足)
現在と比べてポイント数が少ないのは、2009年から大会カテゴリーやポイントが変更になったためで、少し端折りますが2009年以降は2008年までの倍近いポイントが加算されるようになりました。
昔からテニスを観ていた方は、「ツアーファイナル」の前まで上海であった「マスターズカップ」とか、その前には「ATPツアー世界選手権」とか、懐かしい名前なのではないでしょうか。
当時のフェデラーのポイントを単純に倍にすると16,740ポイントで、現在のジョコビッチとほぼ同じです。
確かに、昨年からのジョコビッチの無敵さは、当時のフェデラーに匹敵するものがあると思います。
ライバル不在でジョコビッチの1強、対抗馬は...
現在とフェデラー全盛期との違いは、ナダルのような特定サーフェスで圧倒的に強くなる選手の不在です。
マレーもフェデラーも確かに強いのですが、善戦はしてもジョコビッチの異常なメンタルとフィジカルの強さ+ディフェンス力を打ち破るのが難しい状況です。
唯一、波のあるトップ選手、スタニスラス・バブリンカが覚醒した時のみ、ジョコビッチを倒してくれそうな気配があると思っているのは僕だけでしょうか。
あとは、昨年みたくイボ・カルロビッチが3セットマッチで倒すみたいな。それでも6-7 7-6 6-4でしたが...。
(本当は錦織にも期待したいのですが、ここ数試合の対戦を見ていると簡単に勝たれている印象です。)
対抗馬候補としては、34歳のフェデラーに期待するのは流石に酷だと思うので(セイバーみたいな新技を開発したとしても)、やはりマレーとナダルの2人でしょう。
マレーは、イワン・レンドルがコーチだった当時の、アグレッシブな攻撃的テニスを思い出して相手にプレッシャーをかけて欲しいなと思います。特に当時のフォア逆クロスの威力を取り戻して欲しいです。
ナダルは、自信を取り戻して、これからの庭シーズン(クレーシーズン)を躍動して、「クレーのナダルはズルい、勝ち目がない」とまで感じた全盛期の勢いを復活させて欲しいです。
さすがにこのまま1強時代が続くのは勘弁願いたいので...各選手の今後の活躍に期待ですね!
おまけ:2006年12月25日当時の日本人最高位は...
当時の日本人最高位は、今ではWOWOWの解説でおなじみの、ダブルスのスペシャリスト・岩淵 聡さんの291位でした!
これを見ると、いかに今の錦織が異次元にすごいかが分かりますね(笑)
そして少し上を見ると、なんとルーカシュ・ロソルの名前が!!
ここから約5年半後、2012年のウィンブルドン2回戦でナダルを破る大波乱を起こすことになろうとは、誰も予想できませんでしたね(笑)