タイトルの「2位フェデラーの半分」については、後半で触れています。
グリゴール・ディミトロフが初出場のツアーファイナルで優勝しました。
最終戦で初出場ながら優勝は、19年ぶりの快挙のようです。ということは、21世紀初ですね!
(鬼の居ぬ間に?)大舞台でしっかりと結果を残したディミトロフ。
ランキングもキャリアハイの3位を記録しています!
ツアーファイナル決勝戦ハイライト動画
試合の内容的にはゴファンが勝つと思ったが...
早起きして、第1セット第3ゲームあたりから最終セット第2ゲームくらいまで観戦していました。他の時間はだいたい寝てました
印象に残った、上のハイライト動画に収録されていないスーパープレーも載せておきます。
ゴファンのサイドスピン、変化がえげつないwと思ってたらディミトロフの返球のがえげつなかった😳
— mori_ichi_ (@mori_ichi_) 2017年11月19日
Simply sublime from @GrigorDimitrov and @David__Goffin...#NittoATPFinals pic.twitter.com/ysojsQP0GN
— Tennis TV (@TennisTV) 2017年11月19日
これです。とんでもないサイドスピンに見えましたが、ギリギリ追いついたディミトロフが放った返球が厳しすぎるコースに!
最後は落ち着いてドロップボレーを沈めたディミトロフ、両者ともあっぱれなロングラリーでした。
その前のゴファンが打ったフォアのダウンザラインが深めに決まって、ディミトロフはポジションを下げてスライスで対処。
直後、コートの逆サイドに外へ逃げるサイドスピンが飛んでくるわけですが、ディミトロフが事前にしっかりとコート内に戻ろうと態勢を整えているのがミソです。
当然といえば当然のプレーですが、スーパープレーも基本的な動きの延長線上にあるんだなぁとしみじみ感じました。
試合は「1ゲーム取るのにこんなに苦労するなんて」と思う場面が多くあり、攻めのゴファン・守りのディミトロフの基本構図のもと、一進一退の攻防が繰り広げられていました。
はじめから勢いの面ではゴファン優勢かと思って観ていましたが、最後に強さを見せたのはディミトロフ。
ゴファンの早いテンポの攻めにも徐々に対応してみせ、全体的には押されながらも試合をコントロールしました。
トーナメントを通じた安定性だけが課題だったとも言えるディミトロフですが、今大会を見た限りでは一皮向けた印象を受けます。
(全勝優勝なので、非の打ち所がありませんでしたね)
2017年ディミトロフの歩みとゴファンとの関係
年始のブリスベン国際で錦織 圭を破って優勝、全豪オープン準決勝でもラファエル・ナダルを相手にフルセットの死闘の末に惜敗。
思い返せば、ディミトロフの2017年は最高の形でスタートしました。
その後、春先には空気になり、残りのグランドスラムは最高ベスト16止まり(全仏3回戦、全英4回戦、全米2回戦)だったものの、ATPマスターズ1000(シンシナティ)とツアーファイナルのタイトルを獲得。
結果的にキャリアハイの4勝を上げ、年始に17位だったランキングも一気に3位まで上昇させました。
ちなみに、実はディミトロフが2017年に最も多く対戦したのがゴファンで、5回(4勝1敗)。次点はデルポトロで4回
冒頭で「鬼の居ぬ間に」なんて書きましたが、シンシナティ・マスターズの対戦相手もフェリロペ、デルポトロ、杉田、イズナー、キリオスの5人だったので、BIG4不在なだけでなかなかのタフドローでしたね。
(とはいえ、マスターズにおけるBIG4の優勝率があまりに高いため、やっぱり「鬼の居ぬ間=BIG4不在」で納得がいってしまいますが…)
やるせなさも多少ありますが「運も実力のうち」ということでしょうか。
「2位のポイントが3位の倍以上」を回避したディミトロフの優勝
ゴファンが優勝していた場合、ゴファンがTOP5入りする点が注目されていました。
そんな中、僕が注目していたのは2位フェデラーと3位ディミトロフのポイント差です。
ディミトロフが準優勝だった場合は4,650ポイントだったので、フェデラーの9,605ポイントの半分以下になっていました。
この10年間で、2位のポイントが3位の倍以上(つまり2強だった年)は、2013年と2016年のみ。
(2013年の最終ランキング)
- ナダル 13,030
- ジョコビッチ 12,260
- フェレール 5,800
- マレー 5,790
- デルポトロ 5,255
- フェデラー 4,205
(2016年の最終ランキング)
- マレー 12,410
- ジョコビッチ 11,780
- ラオニッチ 5,450
- バブリンカ 5,315
- 錦織 4,905
(16. フェデラー 2,130)
2強に待ったをかける存在の筆頭として、一気に名乗りを上げたディミトロフ。
しかし、2013年、2016年の3位は翌年ランキングを落としているので、ここからが試練の始まりとも言えます(フェレール10位、ラオニッチ24位)。
個人的にはそろそろBIG4以外の上位定着を望んでいるので、錦織含めヤングガン世代の奮起にも期待したいところです。
もちろん、アンディの上位定着が最優先項目ですが!
Let's Go Andy!!