全豪オープンテニス2019は三回戦が行われ、錦織圭は前の二試合の鬱憤を晴らすかのようなストレートの快勝。
安定感あるストロークが持ち味のベースライナー、ソウザを振り切って四回戦進出を決めました。
錦織 vs ソウザのハイライト動画
四回戦の対戦相手はフォニーニかカレーニョブスタの勝者でしたが、カレーニョブスタがセットカウント3-1で勝ち上がってきました。
全豪2019 両者の勝ち上がり
錦織は一回戦で、確変を起こしていたマイフシャクにフルセットの末、逆転勝利。
二回戦はツアー最強のサーブと呼び声高い「大先生」ことカルロビッチを相手に、またもフルセットながら会心の勝利を挙げました。
そしてソウザ。錦織と同じくストロークの安定感が自慢のテニスプレーヤーでしたが、同じ土俵では錦織が上手でした。
相手が相手だけにタフな試合が続いていましたが、ここにきて試合時間も2時間6分と仕上げてきた印象です。
一方、第23シードのパブロ・カレーニョブスタも実は一回戦で、予選上がりのヴァンニに2セット先取されたところからの逆転勝利。
予選を三連勝してきた勢いは、どんな選手にとっても脅威だということが分かります。
二回戦はベラルーシのイバシカをストレートで、三回戦では第12シードのフォニーニをセットカウント3-1で下して四回戦まで勝ち上がってきています。
昨年の全豪2018に続いての四回戦進出を果たしたカレーニョブスタは、全豪での最高成績更新をかけて錦織戦に挑みます。
カレーニョブスタのプレースタイル
カレーニョブスタのプレースタイルは、スペイン選手のダビド・フェレールに似通ったものを感じます。
カレーニョブスタは何故かグラスコート(芝)ではキャリア未勝利という謎の記録の持ち主ですが、クレーコーターの多いスペイン勢の中ではハードコートも強い印象です。
とはいえ、バウティスタ・アグーほど攻撃的でプレッシャーを与えるテニスというわけではありません。
カレーニョブスタはアグレッシブベースライナーに属していると思われますが、どちらかというと敏捷性を生かしたディフェンスの良さが目に留まります。
もちろんTOP30選手らしく、少しでも相手の返球が甘ければフラット気味に叩いて、相手の体勢が崩れるタイミングではすかさずネットプレーを選択できる「そつのなさ」も身に付けています。
目立った弱点が無いのが、カレーニョブスタの特徴です。
まとめると、守備力の高さや安定感はジョコビッチに通じるものがありますが、ジョコビッチほど鉄壁というわけではありません。語弊を恐れずに言うと、劣化版ジョコビッチです。
(錦織も劣化版ジョコビッチなのでは...というツッコミはご遠慮ください)
身長はカレーニョブスタの方が随分高い(カレーニョブスタ188cm、錦織178cm)ものの、だからと言って強力なサービスを放つわけでもありません。
三回戦のソウザと同様、錦織が本調子であればストレートで勝っても不思議ではありませんが、少しでも調子が悪いと付け込まれる怖さはあります。
フォニーニの方がやりやすかった?
世間の声に耳を傾けると、フォニーニよりもカレーニョブスタの方がやりやすい、という意見が多数派なように感じましたが、一概にそうとも言い切れません。
確かに直近の対戦(2017年のマイアミ・マスターズ)で錦織はフォニーニにストレートで負けていますが、全豪オープンは5セットマッチ。
僕(@mori_ichi_)は、爆発力や天性のセンスはあるものの、持久力に乏しいフォニーニが相手の方がやりやすいのではと考えていました(集中も感情もキレやすいですし笑)。
実際、フォニーニのグランドスラム成績はほとんど全てが四回戦止まり。
準々決勝以上に進出したのはたったの一度きりで、2011年の全仏オープンのみなのです。
対するカレーニョブスタは2017年の全仏オープンで準々決勝、同じ年の全米オープンでは(故障者続出の恩恵を受けた形とはいえ)準決勝進出を果たした実績の持ち主です。
確かにフォニーニには怖さがあるものの、グランドスラム四回戦という舞台を考えると、劣勢だろうが決して諦めないファイターのカレーニョブスタの方が嫌な相手なのではないでしょうか。
おまけに、錦織とカレーニョブスタが初対戦というのもイヤーな感じがします...。
...と不安をあおるような内容でお届けしてしまいましたが、カレーニョブスタを倒さずしてジョコビッチは倒せません。
ジョコビッチも、四回戦で戦うメドベージェフは "仮想錦織" で臨むことでしょう。
錦織も "仮想ジョコビッチ" で快勝をおさめて、本家ジョコビッチ戦への弾みにしたいものです。
錦織 vs カレーニョブスタは1/21(月)に行われます!
詳しい試合予定などはまた別記事でまとめますね!