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全豪オープンテニス2018は10日目に入り、4強を決める戦いの後半2試合が行われました。

 

チョン・ヒョン vs テニス・サングランはチョンが6-4  7-6(7-5)  6-3で勝利。2時間28分での決着でした。

ロジャー・フェデラー vs トマーシュ・ベルディヒは7-6(7-1)  6-3  6-4、2時間14分でフェデラーが勝ちました。

 

こうやって並べてみると、2試合とも接戦でしたが、ストレート・2時間半以内での決着で、獲得ゲーム数が同じという偶然が起きています。

勝者の2人は、2日後の準決勝で対戦となります。

チョン・ヒョンが歴史を作るグランドスラム準決勝進出

この日もチョンは鉄壁のディフェンスで、サングレンのテニスを封じ込めました。

単なる強打ではなかなかこじ開けられないチョンのガードは、スライスショットの精度の高さにもあらわれていました。

バックハンドのスライス合戦でも根負けせず、冷静に対処して機会を伺います。

バック側に振られても基本はスライディングショットで応戦。それでも届かない場合に使うスライスショットの安定感も特筆すべきチョン・ヒョンの強みです。

 

【チョン vs サングレンのハイライト動画】

この勝利によって、韓国史上初のGSベスト8に続いて、史上初のGSベスト4入りを達成しました。

ライブランキングでも29ランクアップの29位となっており、自身初のTOP30入りが決定しています。

 

チョン・ヒョン相手にストロークで優位に立つには、彼が想定するよりもはるかに速いタイミングで前後・左右への仕掛けをしなければいけません。さらに、体勢を崩した時にすかさずネットに詰めるか、丁寧なプレースメントでアプローチショットを打つ勤勉さも求められます(無理な体勢からでも良いショットが返ってくるので、フィニッシュまで気を抜けません)。

これまでの対戦相手にはその技術が十分にありませんでしたが、次に待ち受けるフェデラーにはそれらがあります。

チョン・ヒョン vs フェデラーの準決勝プレビュー

ここからは準決勝フェデラー戦のプレビューを少し綴ります。

結論から言うと、僕は "現時点のチョンでは" フェデラーのテニスに対処しきれないと予想しております。

この予想には、2人が今回が初対戦で、チョンがフェデラーのテニスを未体験だというのも大きく影響を及ぼしています。

 

これは決してチョンをおとしめる意味で言っているのではなく、それだけフェデラーのテニスが卓越されており、ストロークだけでなくサーブもネットプレーもこれまでの相手と比較にならないほど高レベルだということを主張しています。

質の良い素晴らしいショットが続くのがチョン(ベルディヒも)ですが、夢のような信じられないショットが続くのがフェデラーです。

 

「ウィナー級の打球を2球続けるとようやくチャンスボールらしき返球がくる」レベルだった全盛期フェデラーのフットワークは影を潜めていますが、その代わりに「人間では追うのが困難なタイミングで放たれるライジングショット」がフォア・バック両側から飛んできます。

サーブの多彩さは相変わらずで、クイックモーションも含めた球種・プレースメントにも工夫が凝らされ、決して的を絞らせません。リターン巧者のチョンをもってしても、相当手を焼くはずです。

ツアー随一と言っても過言ではない質の高さを誇るネットプレー(ボレー・スマッシュ)も積極的に取り入れる超攻撃型プレースタイルでチョンに襲いかかります。チョンとしては何とかストローク戦で後手に回らないようにしつつ、今大会対戦相手を苦しめてきた切れ味鋭いパッシングショットで活路を見いだしたいところです。

 

無論、勝負の世界に絶対は無いので、予想を覆す展開もあるでしょうが、僕はかなりの確率でフェデラーがチョンをレッスンする内容になると考えています。

 

プレビューということで勝手なことを色々と語りましたが、勝敗関係なく、チョンにとってフェデラーとの対戦が更なる進化への肥やしになることは言うまでもありません。

これまで通り目の前の1球1球に全力を注いで、フェデラーを焦らせる善戦を期待したいと思います。

フェデラーがまたもベルディヒを圧倒!今回は機械が味方するも...

準々決勝のもう1試合は、フェデラーがベルディヒを(結果的には)圧倒。

ベルディヒとしては第1セットを取りきれなかったのが悔やまれます。

 

ゲームカウント5-3のサービング・フォー・ザ・セットをふいにしたのも当然ですが、それよりも個人的に惜しいなと感じたのが、ゲームカウント5-6・フェデラーからみて30-40のポイント。このセット2度目のブレイクポイントでのショット選択です。

ロングラリーになり、直前のベルディヒのクロスに対して若干逆をつかれたフェデラーは、フォアのスライスで凌ぎます。

深めに返ってきた打球に対して、ベルディヒのバックハンドクロスはロングになってしまいますが、特別強く打ったものではなくつなぎのショットでした。もしかすると、本人の中で迷いがあったのかもしれません。

手に汗握るラリーの応酬の中で、ほんの少しフェデラー側にほころびが出た瞬間だっただけに、攻撃の手を緩めずバックのダウンザラインを選択して欲しい場面でした。

 

以前ベルディヒと全豪で対戦して、2セットダウンに追い込まれた際(2009年の4回戦)にはホークアイが味方して(何故か作動せず)息を吹き返しましたが、今回はホークアイまで敵対する苦しい状況(何故かベルディヒの打球の軌道が表示されず)。

しかし、その苦しい状況を切り抜けてからは、調子も右肩上がりとなってベルディヒを圧倒。

第1セットでは33%しかなかったセカンドサーブポインツウォンが、セットが進むごとに54%→88%と上がっていったのが試合の流れを如実に物語っています。

 

これでベルディヒは3年連続ストレートでフェデラーに敗れて全豪オープンを去ることになりました。

(2016年) 6-7(4-7)  2-6  4-6
(2017年) 2-6  4-6  4-6
(2018年) 6-7(1-7)  3-6  4-6 ←NEW!!

参考
(2009年) 6-4  7-6(7-4)  4-6  4-6  2-6
(2008年) 4-6  6-7(7-9)  3-6

今回で通算6度目の全豪での敗戦です。通算対戦成績は20勝6敗。

ベルディヒという最大難関を突破したフェデラー。対ベルディヒの勝利数と同じ、グランドスラム20勝目まで残り2勝です。

 

【フェデラー vs ベルディヒのハイライト動画 】

 

大会11日目はトップハーフの準決勝!エドマンドがチリッチに挑む!

今日はカイル・エドマンドがマリン・チリッチに挑みます。

全米2014のような強すぎるモードのチリッチだと一方的な展開で試合終了でしょうが、普通の調子であればチャンスはあるはずです。

かつてのロビン・ソダーリンを彷彿とさせる力強いフォアハンドストロークで、チリッチを苦しめて欲しいです。

意外にも(失礼)球際に強くてしぶといカイルのディフェンスにも注目ですよ。スライスが案外上手いんです。

試合はナイトセッションに組まれています。

 

 

「チョン vs フェデラーに比べてプレビューが短すぎだろ」とつっこまれそうですが、タイムアップということでご容赦ください...。

泣いても笑っても男子シングルスは残り3試合となった全豪オープン2018。

引き続き観戦を楽しみましょう!

 

以上、@mori_ichi_でした。それではまた!