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全豪オープン2017の大会7日目に、またしても波乱が起こりました。

トップハーフの4回戦4試合が行われ、アンディ・マレーがミーシャ・ズベレフに5-7 7-5 2-6 4-6で敗戦...。

今回の4回戦敗退により、2010年から続いていたマレーの全豪オープン準々決勝進出記録は7年で途切れました(ウィンブルドンは2008年から9年継続中です)。

 

残り3試合の結果です。

スタニスラス・バブリンカはアンドレアス・セッピに7-6(7-2) 7-6(7-4) 7-6(7-4)と勝負強さを発揮して勝利。

ジョー・ウィルフリード・ツォンガは好調ダニエル・エバンスを6-7(4-7) 6-2 6-4 6-4で退けました。

この2人は準々決勝で対戦することになります。

 

ナイトセッションの注目カード、錦織 圭 VS ロジャー・フェデラーは、フェデラーが6-7(4-7) 6-4 6-1 4-6 6-3で接戦をものにし、準々決勝進出を決めました。

準々決勝で、マレーを破ったズベレフ兄と顔を合わせます。

 

【錦織 VS フェデラーのハイライト動画】

マッチポイントのスマッシュでの決着は、2011年スイス・インドア決勝のチャンピオンシップポイントのデジャヴでした。

 

さて、マレー VS ズベレフ兄について触れていきます。

ズベレフ弟の敗退も力に?観客席の弟の前で大仕事

この試合、弟であるアレクサンダー・ズベレフも応援に訪れていました。

前日に、ラファエル・ナダルとの死闘(4時間5分のフルセットマッチ)に惜敗した弟の無念を晴らすべく、気合いが入っていたのかもしれません。

2回戦でジョン・イズナーに対して、2セットダウンから逆転して勝利をあげていた好調ズベレフ兄。

初の4回戦進出の勢いのまま、マレーに向かっていきました。

 

ちょうど2つ前の記事(見出しの「格下」表現、いい加減やめませんか?)の中で、テニスの試合について僕は次のように述べていました。

試合当日に絶好調の50位が、不調の5位を倒すことは、いくらでもあります。

個人的な所感としては「TOP50に入ったことのある選手なら、ランキング一桁を倒したとしてもそこまで驚かない」です。

「すごく調子が良かったんだな」

「作戦が上手くハマったんだな」

「(負けた方が)調子が悪かったんだな」

くらいにしか思いません。

言ったそばから、現実のものとなってマレーの身に起こりました。

世界ランキング50位(最高45位)のズベレフ兄が、見事世界ランキング1位のマレーに3時間33分で勝利、弟の前で大仕事をやってのけました。

 

試合を通して光ったズベレフ兄の果敢なネットプレー

テイクバックの小さいフォアで器用に左右に打ち分け、バック側は丁寧なスライスで凌ぐ。

少し打球予測がしづらい印象を受けましたが、ストロークだけであればやはりマレーが上です。

ズベレフは粘り強くボールを拾い続け、マレーに食らいついていました。

 

試合の行方を決定づけたのは、マレーの不調もありましたがズベレフ兄のサーブとネットプレーの出来です。

自分のサービスゲームでは、ほぼ全ポイントでネットプレーを敢行。

リターンゲームでも隙あらばネットに詰めます。

 

第1セット、第2セットと連続で先にブレイクを許しましたが、信念を貫き通してひたすらネットをとり続けるズベレフ兄。

ビハインドの場面を良いサーブで凌げたこともあり、ズベレフ兄のプレースタイルの持ち味が存分に発揮されました。

 

マレーは、前に詰めてきた相手の横をパスする技術や、難しいボレーをさせて甘くなったところを仕留める技術、絶妙なトップスピンロブでウィナーを決める技術を持ち合わせています。

ところが、この試合ではマレー本来の出来とは程遠い内容でした。

事前の予測以上のプレーを、ズベレフ兄が展開できていたのかもしれません。

 

ズベレフ兄はトータルポイント146のうちの、実に44.5%にものぼる65ポイントをネットプレーで奪いました。

その企画数は何と118度。118回もネットに出てくる選手とは、はじめて戦ったのではないでしょうか。

 

何度失敗しても、ひたすら前に出てプレッシャーをかけ続けるズベレフ兄の姿勢には、感動すら覚えました。

マレーは試合後の会見で「ネットに出てくる際のアプローチショットが非常に良かった」と振り返り、悔しさを噛みしめていました。

 

第1シードを4回戦で破る大金星、おめでとうございます。

次戦以降も強敵(フェデラーetc)が続きますが、アグレッシブなプレーを貫いて観客を魅了してください。

 

【マレー VS ズベレフ兄のハイライト動画】

 

【大会7日目の男子ゲーム・ナイスショット5選(ダブルスもあります)】

 

ランキング1位というポジションの難しさ

今回のズベレフ兄の戦術は、マレーにかなりのダメージを与えたはずです。

他の選手もこれに倣って、襲いかかってくる可能性があります。

 

とりあえず今はゆっくりと休んで、次に備えてください。

今日はズベレフ兄の日でした。

彼の方が素晴らしいプレーで勝利に値したというだけです。

 

悪いイメージを取り去って、また再スタートを切ってほしいと思います。

ランキング1位で常に挑戦を受ける身であるということは、簡単ではありません。

これまでBIG4の残り3人が経験してきて、そして乗り越えてきた壁です。

 

まだ2017年シーズンは始まったばかり。

出場意思を表明している来月のデビスカップに向けて、心身ともにリフレッシュをして(足首の不安も取り去って)、また走り出しましょう!

 

Let's Go Andy!!