アンディ・マレーが10月に入ってからも好調を維持しています!
ノバク・ジョコビッチの強さに陰りが見えてきている現在、世界で最も良いパフォーマンスをしていると言っても過言ではありません。
少しさかのぼって、全米オープン準々決勝で錦織 圭に破れてからの戦績を振り返ります。
祖父の葬儀を欠席して挑んだデビスカップ
マレーの実の祖父であるゴードン・マレーさんが全米オープン中に亡くなられ(享年83歳)、アルゼンチンとのデビスカップ初戦が行われる9月16日に葬儀がありました。
兄のジェイミーは出席したようですが、アンディは初戦のシングルス出場を選択し、悲しみを胸にファン・マルティン・デルポトロとの試合に臨みました。
結果は4-6 7-5 7-6(7-5) 3-6 4-6。実に5時間7分にも及ぶ大接戦でした。
最終セットでは夏場の疲れからか足が止まってしまう時間が増えましたが、国のために、祖父のために、懸命に戦い抜きました。
負けはしたものの、持てる力を全て出し尽くした見事な試合でした。勝ったデルポトロを讃えるべきです。
初日に連敗を喫して後がなくなったイギリス。
2日目にアンディはダブルスでジェイミーと組んで、デルポトロとレオナルド・マイエル(マジェルだったりマイヤーだったりメイヤーだったりします)のペアを撃破。
最終日の第4試合のシングルスでは、マレーがギド・ペラを6-3 6-2 6-3で圧倒し格の違いを見せつけました。
2勝2敗となり決勝進出をかけて行われた運命の最終戦は、ダニエル・エバンスがマイエルに6-4 3-6 2-6 4-6で逆転負け。イギリスは準決勝敗退となりました...。
マレーはここから10月はじめのチャイナ・オープンまで休養に入ります。
チャイナ・オープンは1セットも落とさずに優勝
ジョコビッチが故障により欠場したため、第1シードとして出場のチャイナ・オープン。
初戦はアンドレアス・セッピ、2回戦がアンドレイ・クズネツォフ。
準々決勝の相手は好調のバウティスタ・アグーを破った同胞カイル・エドモンド。
決して楽なドローではないものの、持ち前のリターン力でブレイクの山を築き、ストレートで勝ち上がります。
準決勝の相手は、未来の世界ランキング1位(たぶん)の18歳アレクサンダー・ズベレフを破ったダビド・フェレール。
今大会、妙に球足が遅いような感じ(ロングラリーが多い印象)だったのでもつれるかと思いきや、6-2 6-3のストレートであっさり快勝。
決勝の相手はミロシュ・ラオニッチとグリゴール・ディミトロフの勝者でしたが、ラオニッチが棄権したためディミトロフに決定。
さすがはATP500の決勝だけあって、非常にレベルの高い熱戦でしたが、ものにしたのはマレー。
3度目の正直で、見事チャイナ・オープン初優勝をおさめました!
【マレー VS ディミトロフのハイライト動画(0:43にエアKならぬエアA炸裂です!)】
上海ロレックス・マスターズも好調で完全優勝
チャイナ・オープン終了後すぐにはじまった8つ目のATPワールドツアー・マスターズ1000の「上海ロレックス・マスターズ」。
ジョコビッチが復帰したので、第2シードで出場です。
初戦免除で2回戦からの登場で、相手はスティーブ・ジョンソン。リオ五輪ではフルセットにもつれる接戦でした。
ジョンソンを6-3 6-2のストレートで撃破すると、波に乗ったマレーは3回戦で難敵ルカ・プイユを6-1 6-3と圧倒。
準々決勝の相手は、楽天ジャパンオープン準優勝者で、前の試合でガエル・モンフィスを破って勢いのあるダビド・ゴファン。粘り強くてアグレッシブなストロークが魅力です。
マレーはゴファンも全く寄せ付けず、6-2 6-2で快勝。
3回戦でスタニスラス・バブリンカを破ったジル・シモンと、ラオニッチを破ったジャック・ソックの準々決勝はシモンが勝利し、マレーとの準決勝に臨みました。
マレー VS シモンの準決勝は、湿度の高い悪条件の中行われ、シモンの粘り強さにかなりメンタルがすり減る展開。
サーブが低調で苦しい試合でしたが、なんとか6-4 6-3のストレートで決勝進出を果たしました。
もう一方の準決勝はジョコビッチ VS バウティスタ・アグー。
ハミング作戦(イライラした時に鼻歌で気を紛らわす?作戦らしいです)などを使って本調子ではない中勝ち上がってきたジョコビッチでしたが、アグーの好調さを前に大苦戦。
第1セットを先行したものの、第2セットタイブレークを落とすとアグーの勢いが加速し、ジョコビッチは6-3 6-7(4-7) 3-6で準決勝敗退となりました。
苛立ちからラケットを3回叩きつけて破壊するなど、絶対王者らしからぬパフォーマンスでした...。
ジョコビッチを破って決勝に上がってきたアグーとの一戦は第1セットから手に汗握る攻防。
タイブレーク突入後、ギアを上げたマレーが見事第1セットを先行すると、第2セットではプレーの質も向上しアグーを圧倒。
7-6(7-1) 6-1のストレートで勝利し、2010年、2011年に続いて3度目の上海マスターズ優勝を決めました!
【マレー VS アグーのハイライト動画】
10,000ポイント復帰で王者の風格漂うマレー
チャイナ・オープンと上海ロレックス・マスターズの連勝で幕を下ろした2016年のアジアツアー。
いつの間にかポイントも8月以来の10,000ポイント超えを果たし、ジョコビッチに肉薄してきました。
(1)ジョコビッチ:12,900ポイント
(2)マレー:10,485ポイント
それもそのはず、今年獲得したポイント合計が分かる「RACE TO LONDON」のランキングを見ると、ジョコビッチとマレーの差は僅か915ポイント差です。
(緑のチェックマークはツアー・ファイナル確定です。錦織選手おめでとうございます。)
デビスカップのペラ戦以来、1セットも落としていないマレー。デビスカップも入れると11連勝で、実に23セット連取中です。
ジョコビッチの不調も追い風で、パリバ・マスターズとツアー・ファイナル、そして全豪2017までの結果によっては、マレーのランキング1位も夢ではなくなってきました。
本人も自信を深めており、「この数ヶ月間のプレーで、世界1位に立てると強く信じられるようになった」と心強いコメントを発表しています。
このまま終わるジョコビッチではないと思います。
ただ、怪我なく目の前の試合でベストを尽くしていけば、マレーに大きなチャンスがあるのは事実です。
週末からは注目の日本シリーズが始まるので(急にプロ野球の話題...)少しだけ浮気しますが、きっと今のマレーなら勝ち続けられると信じています!
Let's Go Andy!!
【マレー使用モデル】ヘッド 2016 グラフィン XT ラジカル MP (レビュー読むんじゃなかった、欲しすぎる...。)